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飲み仲間
「二ヶ月くらい前の事なんですがね」

タクシー運転手の石川さんは、会社の寮の隣の部屋に住む児玉さんと仲が良かった。
同年代であり、同じように妻に先立たれたせいかも知れない。
妙に気が合ったのだ。
その児玉さんが突然亡くなった。

朝、いつもなら朝礼の一時間前には出勤してくる児玉さんが、朝礼の時間を過ぎても出勤していない。
会社から連絡を受け、不審に思った寮の管理人が部屋を訪ねてみると、児玉さんは普段着のままコタツの横に仰向けに倒れていた。
コタツの上に飲み掛けの焼酎があったところをみると、どうやら酔って寝込んでしまい、そのまま亡くなったらしい。
苦しんだ様子はなく、眠っているようだったという。
児玉さんはその日のうちに、隣県の嫁ぎ先から駆け付けた娘さんに引き取られた。

その夜のこと。
石川さんは遠くから聞こえてくる賑やかな音楽に目を覚ました。
どうやらカラオケのようだ。
調子外れの歌声が混ざっている。
どこかで聞いた声だと思いながら寝惚け眼で枕から頭を起こし、テーブルの方に目を向けて心臓が口から飛び出さんばかりに驚いた。

テーブルの前に見慣れた児玉さんの背中があった。
一緒に飲む時はいつもそうしていたように、胡座を掻いた左膝で調子を取りながら楽しげに歌っている。

「よく一緒にカラオケや飲みに行ったりとかしてましたからね。だから出てきたんでしょうけど」

それからほぼ毎日、夜になると児玉さんは現れた。
ただ気持ち良さそうに飲みながら歌うだけなのだが、もう死んだ人間なのだと思うと、冷たいようだがあまり気持ちの良いものではない。
毎夜の事に石川さんもすっかり参ってしまい、二週間後には寮を出て、独立して隣町に住む長男の所に避難した。
四十九日は過ぎたものの、寮に戻る気にはなれないという。

「突然だったからアイツはわかってないんだと思うんですよ。自分が死んだって事を」

結局、そのまま長男と一緒に住む事にしたのだと石川さんは頭を掻く。

「いくら仲が良かったといったって、限度ってものがありますから」

そう言って石川さんは深く溜め息を吐いた。



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■講評

 おそらく死因は心臓麻痺か?しかし永遠にカラオケで楽しんでいるとは幸せなのか?不幸なのか?
 体験者も友人が亡くなられたのがよほどショックだったんでしょう。 
 錯乱されているようですね。

名前: くすだまん ¦ 10:21, Thursday, Feb 05, 2009 ×


毎晩は、さすがに。
でも、お酒を置いてあげる、とか考えなかったんでしょうかね?
親しかった人が、別に怖い出方じゃなく出てこられたなら、
そういう余裕ってありませんか?
ま、会社の同僚程度に、って事かな?
全体的には、残念なオチだったので、余り珍しくも
怖くも無く…。
石川さんのビビリっぷりに。

お気の毒1

名前: ほおづき ¦ 13:54, Thursday, Feb 05, 2009 ×


もうひと展開が欲しかったところですね。
なんか 児玉さんがかわいそうという後味だけが残りました。

名前: SPダイスケ ¦ 14:06, Thursday, Feb 05, 2009 ×


文章 1
怪異 1
怖さ 0
衝撃 0

「飲み仲間」ならば、お酒をお供えして行くべき所を諭してあげて下さいよ。
むやみに怖がるばかりで「児玉」さんが気の毒に思える。

名前: くりちゃん ¦ 14:55, Thursday, Feb 05, 2009 ×


まるで落語の「粗忽長屋」みたい。でもこれは実際に亡くなっているわけだから、本当に自分が死んだことに気づかず毎晩宴会しているのですね。気の毒なような、うらやましいような。

名前: ひ ¦ 15:39, Thursday, Feb 05, 2009 ×


児玉さんが少し気の毒な気も。
生前仲が良くても、お前もう死んでるんだよ、と声をかける事はなかなかにできないものなのでしょうか。
児玉さんも自分が死んでいるのはわかってて、何か言いたかったのかもしれませんね。


名前: ひぐらし ¦ 18:40, Thursday, Feb 05, 2009 ×


さすがに毎日はきついですね…。
でも何で石川さんの部屋で…?
何か言いたい事があったんでしょうかねぇ…。
てか、ほっといたって事は、今でもまだ毎晩歌ってるんですかね?

文章:1 怪異:0

名前: PM ¦ 19:10, Thursday, Feb 05, 2009 ×


そうなんだ、児玉さん、死んだことに気が付いていないんですね。
なんだか死んでいるのに楽しそう。
私も死んだらこのくらいのんきに化けて出てみたい。
出られた方は迷惑でしょうね。


名前: 桜子 ¦ 22:12, Thursday, Feb 05, 2009 ×


ほぼ毎日通われるって、人によっては生きててもきついですね。
もう少し文章をコンパクトにしてもらえると怖さが増したかも。

名前: ゑな ¦ 23:45, Thursday, Feb 05, 2009 ×


飲む相手には最適でも、幽霊となると通常の神経の持ち主なら参ってしまうでしょうねぇ…ここに来る怪談ジャンキー達(含む私)には物足りないでしょうがww
文章・1 構成・0 ネタ・1 恐怖・0

名前: 暗沌子 ¦ 13:11, Friday, Feb 06, 2009 ×


怪奇1 文章1
親しき仲にも礼儀ありですね。
あちらの世界に行ってしまうと親友という関係も変質するのでしょうかね。
仕方ないこととはいえ。文章は大変読みやすかったです。

名前: じゅりんだ ¦ 22:50, Friday, Feb 06, 2009 ×


文章+1 怪異+1 恐怖0
いい話で終わるのかと思いきや、石川さんの冷たい態度。
亡くなった同僚を悼む気持ちはそれでも伝わってくるし、ありきたりで終わらなかった所が良い。少し寂しいきもするが。

名前: スロトレ兄さん ¦ 13:08, Saturday, Feb 07, 2009 ×


自分が死んだことに気づいていないか、もしかしたらなにか未練があったのかもしれませんね。
これでもかっていうほど迷惑ではないかもしれませんが、体験者の人にしてみたら相手が死んでいるだけに文句もいえませんものね・・・

名前: 黒蜜椿 ¦ 16:12, Saturday, Feb 07, 2009 ×


これは石川さん、複雑な気持ちになりますよね。
児玉さんには申し訳ないけど、唄われるのはちょっと迷惑かなー(^^;

お話としてはよくあるものなので、±0で。

名前: 眠 ¦ 16:28, Tuesday, Feb 10, 2009 ×


石川さん、息子宅に避難する前に、児玉さんに
一言「おまえ、死んじゃったんだよ」って言って
あげればいいのに。
考えようによってはなんとも気の毒な幽霊話かと。

名前: こたつ ¦ 17:39, Wednesday, Feb 11, 2009 ×


私も以前に友人を病気で亡くしましたが、全く現れてくれなかったなあ……

名前: 六郎 ¦ 18:56, Thursday, Feb 12, 2009 ×


死んだ人が自分の死に気付いていないというのはよくあるパターンですが、この話は現れた霊の行動が珍しいですね。
何かを訴えるわけでもなく、ただひたすら歌っているとは。
なんらかの接触があればさらに興味深いものになったとは思いますが、いくら同僚とはいえ、やはり死霊は恐ろしいかもしれませんね。

名前: へみ ¦ 13:48, Saturday, Feb 14, 2009 ×


死後もずっと酔っぱらっているような様子で、この点が面白いと言うか興味深いと思いました。
ただ、話の上では怖さよりもカラオケ付きで出現された事による迷惑感が強く、どうもどんよりした読後感で終わってしまいました。

名前: キザラ ¦ 14:30, Thursday, Feb 19, 2009 ×


−4 怖くなくてありふれた話

名前: ジャック ¦ 23:44, Saturday, Feb 28, 2009 ×


文章・・・1
希少度・・・0

石川さんの気持ちも解るんですが、それでもやっぱり児玉さんに同情してしまいます。
死んだ事に気付いていないのかもしれないし、何か訴えたいことがあったのかもしれません。最後に一緒に飲んで楽しみたかったのかも。
親しかった人でも幽霊となると怖いものなんでしょうか。
ちょっと寂しい気持ちになりました。

ということを感じさせてくれた文章に点数を入れました。
現象としてはよく聞く類のものなのでこの点数。

名前: 鹿太郎 ¦ 15:26, Sunday, Mar 01, 2009 ×


児玉さんにとっては一緒に飲みに行ったのが楽しかったんですね。
なんだか切なさを感じてしまいました。
避難する前に一緒に飲んであげたら成仏できたのかな。
寂しさと怖さを感じるお話でした。

名前: わんぴー ¦ 10:13, Wednesday, Mar 04, 2009 ×


「石川さん、冷たいじゃないか〜!」と思いつつ、実際自分が経験したら、やはりげんなりしてしまうでしょうね。いくら親友といえども。

人間って結局一人ぼっちなんだな〜。生きてても死んでても。
何かしんみりしてしまいました。

名前: 魔音 ¦ 17:52, Thursday, Mar 12, 2009 ×


いくら仲が良かったからといっても、死んだ児玉さんに毎日のように出てこられたのでは、石川さんにはたまらない。迷わず成仏してほしいから。

名前: ジャック ¦ 01:50, Friday, Apr 10, 2009 ×


児玉さん、ちゃんと自分が死んだことがわかっていて、同じ境遇の石川さんが、同じように孤独死しないよう息子さんと同居するようにしむけたのでは?

名前: 悪夢狂乱丸 ¦ 17:33, Sunday, Apr 12, 2009 ×


何だかせつないお話ですね。
冷たいようだけど…と葛藤する石川さんのお気持ちもわかります。
早く自分が死んだことに気付いて…と思うのも違うような気がするし、他にどうしようもなかったんだろうな、なんて考えてしまいました。

名前: 緋咲 ¦ 03:15, Wednesday, Apr 15, 2009 ×


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