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硫黄島奇譚
Aさんは過去に硫黄島に行った経験があるという。
その当時、勤めていた会社が硫黄島にある自衛隊戦闘機の格納庫の建設を請け負うことになった。
会社は社員の誰かを現場に派遣しなければならない。
新入社員で若くて健康な独身男性のAさんに白羽の矢が立ったのだった。
こうしてAさんは、硫黄島に行くことになった。
Aさんは歴史に興味がなかったので、硫黄島どのような所かもよく理解せずに行ったそうだ。
そして、実際に行ってみて、どれほど凄い場所であるかを知って愕然としたそうだ。

硫黄島。東京都に属する。太平洋戦争最大の激戦地のひとつ。
昭和20年2月半ばから約1カ月間…。日本軍とアメリカ軍の間で激しい戦闘が行われ多くの戦死傷者を出した。
日本軍は、援軍どころか補給も得られず、生還の望みもない過酷な戦いを最後まで続けてほぼ全滅。
約2万人の戦死者を出した。そして未だに多くのご遺骨が収集されずにこの島に眠っているのだ。
しかし、アメリカにとっては勝利の象徴である。島中には、数多くの勝利を称えるモニュメントがある。
白い特別機に乗ってアメリカから要人が島に来て、ゴルフをし、観光して帰っていくのを見た事があるという。
現在、硫黄島には民間人は住んでおらず、自衛隊とアメリカ軍が駐屯している。

硫黄島には、戦時中に作られた地下壕が島中の至る所に張り巡らされて、まだ全部解明されていない。
建物を建てる時、もしその土地の下に地下壕があった場合は写真を撮影し、資料として東京都に提出しなければならないそうだ。
Aさんが実際、写真撮影のために、地下壕の中に入って調査していると、散乱している小さい骨は石のような感じがして、だんだん慣れてくる。しかし稀に、鉄兜を被って軍服を着たまま白骨化しているご遺体に遭遇する事がある。
それを見ると精神的に重く辛いものを感じて鬱になるという。
暗くて過酷なまでに暑く狭い地下壕で、食料もなく水もなく、親、兄弟、友人、恋人が待っているであろう懐かしい故郷に帰れることもなく孤独に死んでいった魂…。
そのように発見されたご遺骨はちゃんと供養して安置する場所があり、遺骨収集団の方が収集しにきてくれるという。
硫黄島にはこのように、まだまだ未回収のご遺骨が何万と残っているのだ。

地下壕で撮れた写真は、たいがい真っ暗か真っ白。
中には、画面いっぱいに写る巨大なドクロや軍服を着た人が双眼鏡を持って立っているものまであった。
どれ一つとしてまともに写るものはない。
そしてカメラはよく壊れる。
ある時、Aさんは自衛隊の人に地下壕で撮れた奇妙な写真を見せながら
「これって幽霊ですよね?」
と訊ねると
「これは幽霊じゃありません。残像です」
と、言われた。その場所に記憶が残っていてそれが写る。だから幽霊とも心霊写真とも言わないのだそうだ。
仕方なく、不可思議なものが沢山写ったままの写真を役所に持っていく。
そして、Aさんは
「まともな物1枚もないのですが…」
と、恐縮しながら役所の担当者に提出すると
「ああ、硫黄島ですね。此処はしょうがないですから」
と言って、驚いた様子もなくそのまま受け取るのだった。


硫黄島は火山島で地熱が凄く、真水がない。だから米軍に協力してもらって軍艦で真水を持ってきてもらい、それで生活をしているような過酷な環境だった。
建設現場の作業員も沖縄や南方出身の暑さに強い職人をたくさん雇っていた。
娯楽のない島なので、夜になると沖縄の職人達が三線を演奏して、歌ったり踊ったりしてくれる。そして、お酒を飲みながら話をして楽しく過ごすのだった。そんな時はまるで南国にいるようで、いくぶん気持ちが安らいだと言う。

しばらくしてAさんは、職人達の間から奇妙な噂を聞いた。
夜に寝ていると、どこからともなく兵隊があらわれて空中を行進して回るので眠れないというのである。
そしてある晩、Aさんが待機している事務所に職人達が慌ててやってきた。
職人の一人が行方不明になったという。
夜中の間、方々探し回ったが見つからず、朝になってやっと海辺の砂浜で倒れている所を発見された。
本人に、一体どうしたのか訳を尋ねてみると、彼は酷く怯えながら話してくれた。
昨夜、部屋で一人で寝ていた。
すると、突然どこからともなく二人の日本兵がやって来たという。
そして無理やり布団から引きずり出されて、両脇を抱えて連れ去られた。
必死に抵抗し、もがいたのだが、凄い力で逃れることが出来ない。大声をあげようにもなぜか声も出ない。
そしてついに海岸まで引っ張ってこられ、恐怖でそのまま気を失ってしまったのだという。
そして、彼は
「また今夜も日本兵がやって来る。恐ろしい。頼むから今夜から一緒に寝てくれ!」
と大の大人の男なのに、顔を涙でぐしゃぐしゃにしながら必死になって訴えるのだった。
そして、もう帰りたいから辞めさせてくれとも言われたそうだ。
硫黄島は公共の交通手段がなく、帰るためには自衛隊の輸送機を飛ばすしかない。
だから、彼一人を帰すために、わざわざ自衛隊の輸送機を飛ばすのは到底無理な話だった。
結局、その彼はどうしたかと言うと、車に乗ってわざと壁に激突し、自ら腕を骨折する重傷を負った。
そして、病院に入院するため、自衛隊の輸送機に運ばれてやっと帰って行く事ができた。
他にもノイローゼになって、作業できなくなる職人が何人もいたという。

Aさんは、その半年の勤務の間に手当てを随分もらえたそうだが、次に依頼が来たときは断ったという。
そして、どうやら硫黄島から帰ってきてから、明らかに霊感が強くなってしまったようだとも話していた。



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■講評

いつまでも、放っておかないで、ちゃんとご供養してあげて欲しいですね。
文章の端々に気遣いが見られて、
「真面目な人だ」とちょっとおかしくなっちゃいました(ごめんなさい。^^;)
真剣に、面白がらずに書かれている事が伝わって来て、
姿勢を正された気分です。

貴方の取材姿勢に1 文章1

名前: ほおづき ¦ 09:58, Saturday, Feb 07, 2009 ×


硫黄島には海上自衛隊の常駐管理する航空基地があります。この「硫黄島飛行場」は、航空自衛隊、米軍も訓練などで使用することがありますが、管理者は海上自衛隊です。
原則として自衛隊員以外の民間人は島内立ち入り禁止になっていますが、遺族による慰霊、不時着・急病人の搬送などの緊急離着陸及び、島内設備のメンテナンスや備品/商品納入、工事などの名目で、民間人が立ち入る機会があります。(政治家の視察もあります)特に「施設工事」は、基地設備内の内装工事や機器点検など、民間の工事業者が作業委託を受けているケースがほとんどです。
遺族による慰霊は毎年8月と決められていますが、施設工事・施設メンテナンスについては時期が定められているわけではなく、必要に応じて特例として島内立ち入りが許可されています。もちろん、多くはありませんが、あまり稀なケースでもありません。
硫黄島の怪談は自衛官の間でも半ば公然と囁かれているものですが、よくお調べになって書かれていると思います。

名前: DDH ¦ 12:31, Saturday, Feb 07, 2009 ×


文章 1
怪異 1
怖さ 1
衝撃 1

さる高貴な御方も壕の御視察の折にはお履きものをお脱ぎになって、英霊達の遺骨を土足で踏まないようにご配慮なさったという硫黄島。
興味本位な書き方ではないところに好感を持ちました。


名前: くりちゃん ¦ 15:53, Saturday, Feb 07, 2009 ×


硫黄島の悲惨な歴史についての丁寧な記述は評価されますが、
怪異として考えると いま一つ 的が絞り切れていない印象を受けました。
好みで評価が分かれるかとも思いますが 私はこの点数で。 すみません。

名前: SPダイスケ ¦ 17:03, Saturday, Feb 07, 2009 ×


亡くなってもまだ闘っているんですね。職人さんを引きずっていったのは、最後の決戦地硫黄島で、敵であるはずの米兵と日本人が、協力しあって暮らしているのが信じられなくて問い質したかったのでしょうか。
たとえすべての遺骨が収集されしかるべき施設に祀られても、島全体に焼きついた記憶は消えないでしょうね。しかし、この島からの離脱方法が、大怪我しかなかったなんて、戦傷した兵隊さんみたいで皮肉です。

名前: ひ ¦ 17:23, Saturday, Feb 07, 2009 ×


文章0 怪異+2 恐怖1
布団から引っ張り出された上に海岸まで連れて行かれるとは、相当な恐怖であったろうと思う。
知り合いの霊感者が、戦争などで人が沢山亡くなっている場所でも、毎年きちんと供養がなされているし、霊的に寧ろ穏やかな場合が多いといっていたが、やはり硫黄島のような遺骨の収集すらままならないところでは、いまだに霊たちがさまよっているのであろう。
前半部分に語られている硫黄島の歴史は、広く世間に知られている事であるからもう少し短くまとめても良いように感じたが、硫黄島に対する書き手の真摯な姿勢の表れが見てとれる。

名前: スロトレ兄さん ¦ 17:28, Saturday, Feb 07, 2009 ×


硫黄島についての過去/現在についての説明は必要だとは思いますが、怪異よりその説明等のほうがえらく長くなってしまっていますね。硫黄島で体験した事があまりにも衝撃的な事が多くて、みな詰め込みたくなるのはわかりますが。
起こった怪異もなかなかに怖い事なのに、他の記述に呑み込まれて薄まってしまい、凄く惜しい気がします。


いまだ硫黄島に眠るかたがたに合掌。


名前: ひぐらし ¦ 19:17, Saturday, Feb 07, 2009 ×


硫黄島、勉強になりました。
…が、ちょっと説明に重きを置きすぎた気がします。
ゴメンナサイ。あまり社会の勉強、得意じゃないんです…。
全体的に説明過多な上、少々まとまりに欠け、中の怪異もボヤけてしまったような印象でした。

文章:0 怪異:1

名前: PM ¦ 22:29, Saturday, Feb 07, 2009 ×


日本兵に2人がかりで海まで引きずり出されたのは相当怖い体験だと思いつつ、つい硫黄島の歴史を書かれてる文章に気をとられてしまいました。
読んで凄く真摯な気持ちになったのですが、怪談ありきの評価をすると、もう少し文章を削るかネタ毎に話を分けて書いた方が
怪異に集中できる気がします。

名前: ゑな ¦ 00:24, Sunday, Feb 08, 2009 ×


真剣な取材態度に脱帽です。綿密に調べられた内容に投稿者の怪異に対する姿勢が見て取れ、好感が持てました。話自体は、よくある種類の話かもしれませんが、誰にでも書ける文章ではないと思います。
文章・1 構成・0 ネタ・1 恐怖・0

名前: 暗沌子 ¦ 11:30, Monday, Feb 09, 2009 ×


この場所で正直なにも起きないわけはないと思います。。
書かれている以上に絶対怖い場所だと思います。
硫黄島の説明は必要か云々はあると思いますが、こういう場所での話はやはり広く伝え、残すべきかと・・・

名前: 黒蜜椿 ¦ 14:51, Tuesday, Feb 10, 2009 ×


うー。難しいです!
硫黄島の凄惨な過去や現状について詳しく書かれているのが印象的すぎて怪異が埋もれているけれど、詳細が端折られていたらここまで重い余韻は残らなかったとも思うし…。

でもやっぱり、「重い余韻」は硫黄島の説明に起因するものが多いです。
不本意かもしれませんが、全く知識がなかった私でもわかりやすい説明に+2。
グダグダした感想でごめんなさい;

名前: 眠 ¦ 00:41, Monday, Feb 16, 2009 ×


しっかり書き込まれていると思います。
このような体験談は怪異のみ引き出しても背景が解らなければ説得力に欠けてしまうでしょう。
少々説明が長くなっていますがこれは必要なことだと思います。

「これは幽霊じゃありません。残像です」
この言葉は思いやりのある言葉ですね。
伝えきれない戦争の悲惨な現状を残像という形で残していったのでしょう。
最後の一人が帰れるのはいつのことでしょうか。

しっかり読ませていただきました。


名前: 桜子 ¦ 14:45, Tuesday, Feb 17, 2009 ×


硫黄島自体が怖い話なのか、そこであった出来事が怖いことなのか、わからなくなる文章でした。

名前: らん ¦ 15:48, Wednesday, Feb 18, 2009 ×


硫黄島という特異な場所の、記録としての希少性の高い文章で興味深く読ませていただきました。
惨劇の場として、いまだにいろいろと何か起こる場所ということがよく分かります。
終盤の連れ去り行為をする日本兵に関してですが、英霊がそんな職人苛めみたいなことをするのか、という疑問と失望を感じると共に、ふつふつと鬱積した同国人に対する怒りを思ってかなり暗然とした気分になりました。
ただ、怪談としての新鮮味という面では、特にこれはと思えるところは無かったように思います。

名前: キザラ ¦ 05:58, Tuesday, Feb 24, 2009 ×


−4 とくに激戦地には、いろんな悲惨な思いがあるので、そういう物が取れても仕方がないし、あまり遊び半分でいくものでもない。

名前: ジャック ¦ 03:19, Sunday, Mar 01, 2009 ×


大変興味深い内容でした。
この作品を取材できたこと自体凄いですし、羨ましいです。
レポート調の文体は意見が別れるところでしょうが、長さを感じさせず、読んでいて面白かったです。
硫黄島の説明はもちろん必要だとは思いますが、怪異が少し埋もれてしまった感があるのが残念なところでしょうか。

名前: へみ ¦ 07:05, Sunday, Mar 01, 2009 ×


大変よく取材された、取材記録だと思います。
硫黄島に関しては、以前この話の体験者と同じく、建設会社から派遣された方から体験談を伺ったことがあります。
戦後60年以上も経った、この島では未だに成仏できない魂がさまよっているのかと思うと、いたたまれない気持ちになります。
現地では、日本兵の霊は水を求めて彷徨うと言われており、寝るときは部屋の中の水道を求め入って来ないよう、窓のところにコップに入れた水を置くそうです。また、海岸線にも蒸留用の水を求め亡くなっていった日本兵の霊が現れるそうで、水無き持久戦の壮絶さが伺い知れます。
秀逸な取材に対し、言われなき酷評されているのを残念に思い、部外者ではありますが、ここに講評させていただきます。

名前: にしうらわ ¦ 01:07, Tuesday, Mar 03, 2009 ×


文章・・・1
希少度・・・2

硫黄島での怪異体験談というのは他では見たことがありません。
語られている怪異もさることながら、舞台が硫黄島であるという事実が作品に大きな重みと説得力を持たせています。
硫黄島という悲惨な歴史的背景を持つ場所で起こる怪異は例えそれがどんな些細なものであったとしても、その向こう側にあるもの、例えばそれを現出させた意思のようなものに考えを巡らせずにはおれません。
むやみに恐怖を盛り上げようとせず、淡々と書かれた文体もこの作品には合っています。
多少纏まりに欠ける部分があるのが残念ですが、それを差し引いても大変読み応えのある作品でした。
貴重な体験談を取材できたことに対して更に1点加算します。

名前: 鹿太郎 ¦ 02:50, Tuesday, Mar 10, 2009 ×


退官した自衛官からこの島の怪異を実際に聞かせてもらったことがありますが、写真の件などはまさにこんな感じでした。“残留思念”が写る、だから残像。かつて国のために戦い散っていった同朋を“お化け”とは呼べない自衛官の複雑な心情に胸打たれます。

名前: 魔音 ¦ 18:09, Friday, Mar 13, 2009 ×


特に激戦地では、いろんな悲惨な思いがあるので、そういった写真が撮れても仕方がないし、たとえ仕事でもなるたけ行かない方がいいから。

名前: ジャック ¦ 00:06, Tuesday, Apr 07, 2009 ×


60年以上経過しても消えない場所の記憶と、強い思い。これは体験した方にしか分からない恐怖でしょう。前半の説明が長い気もしますが、戦争の事実を改めて書くことで、筆者の思い入れが伝わった気がします。

名前: 星クラゲ ¦ 23:59, Sunday, Apr 12, 2009 ×


硫黄島の凄惨さをよく知らない私にはとても勉強になりました。
戦死されたままいまだに土にも故郷にも還れずそこにあり続けねばならないご遺骨の想像すると、怖いと言うより悲しみがこみあげてきます。

文中に書かれた怪異も、文章の丁寧さからあまり怖いとは感じられないのですが、実際その土を踏み空気を感じたら、尋常じゃない雰囲気に圧倒されてしまうだろうなと思います。

名前: 緋咲 ¦ 15:15, Sunday, Apr 19, 2009 ×


怪奇2 文章2
非常に貴重な体験談であり、記録として残しておく必要性があります。
日本で戦争があったこと、その悲惨な出来事を後世に語り継ぎ二度とこのような過ちを繰り返してはいけないと思います。
現在、我々が平和に暮らしているのも、戦争で奪われた尊い魂のお陰だという事を忘れてはいけません。
このような戦争体験に関する怪異を書くことは、亡くなられ傷つかれた方々の魂の弔いに少しでもなるのではないかと思いました。作者の方には今後もまた戦争体験談に関するお話を蒐集して書いていただきたいです。



名前: じゅりんだ ¦ 16:23, Friday, Apr 24, 2009 ×


歴史的記述で大半を占めていますが、必要でしょうね。怪異は薄まったかも知れませんが、ことの重さが感じられます。

名前: 悪夢狂乱丸 ¦ 15:52, Thursday, Apr 30, 2009 ×


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