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佐渡さんの御主人は霊感というものがあるという。 見えるのはもちろん、死者と対話も出来るらしい。多少の悪いものなら祓ってしまえる程だという。 「本当に、最初にその事を知った時、何でそれを職業にしないんだろうと思った位なんですよ」 しかし、それを御主人に言っても、 「見たくて見てる訳でもないし、この力で食っていこうとは思わない。それに俺には手に負えないものも一杯ある。そんな中途半端で出来る仕事じゃないだろ」 と反対に諭されるという。 「初めのうちは気が付かなかったんですけど…」 例えば、御主人が死者と会話する時がある。すると早くてその日、遅くても次の日には必ず(ある事)が起こる。 「においがするんです」 霊がいると独特のにおいがするというのは、よく聞く話である。 「なんていうか、いつも同じにおい。こう、何日もお風呂に入っていないようなにおい。 主人がシャワーを浴びてすぐだろうと、そのにおいはするんです」 そのにおいが御主人から漂って来るのだという。 そうなると御主人の様子がおかしくなる。 目つきが鋭くなり、普段怒らないような事で突然怒り出す。怒鳴りまくり、酷い時には手を上げる事もあったという。 「そうなると、もう部屋中がそのにおいに包まれる位酷いんです」 始めの内はどうしたら良いのか判らず、ただただ御主人の機嫌が落ち着くまで必死で耐えるしかなかった。 何せ、佐渡さんにはにおい以外何も見えないし、何も判らないのだ。 何を言おうと、説得しようとそのにおいがする限り、聞く耳を持ってくれなかった。 数時間あるいは数日後になり、においが消えると、御主人が謝ってくる。 怒った訳を訊ねても、「とにかく腹が立って仕方が無かった」「お前が悪いんだから、としか思えなかった」と言うのである。 においの事は当の本人は一切気付いていなかった。 「何で、肝心な所が判んないのよっ!って思いましたね」 ある日、佐渡さんが対人関係の事で物凄く悩んだ日々が続いた。 佐渡さんが夕食時に御主人に相談をしていると、どうやら佐渡さんの亡くなった親が出てきたという。 御主人はその事を佐渡さんに伝え、親からのメッセージがあると言った。 「その時は私も何となく判ったんです。自分の隣に誰か居るような気がしてたので。 それに、部屋の中は急にビシバシ音を立て始めたし、電気が勝手に点いたり消えたりで、あぁ、これは誰かいるんだなって」 親からの言葉は聞きたかった。 しかし、聞いたらきっとまたあのにおいと共に主人がおかしくなる。 その事を御主人に伝えると、今までの経験からにおいの事は信じてくれていた為、おもむろに酒を飲み始めた。 「お清め」 と御主人は一言そう言った。 「その時になって主人は気が付いたみたいなんです。要はイタコまがいの事をした後、主人の気持ちっていうか、芯が抜けるような時があるって。多分その時に何か悪いものに入られるんだろうなって」 どうやら御主人の話からいくと、死者との対話に集中するあまり、周りに集まってきている雑多なものには神経が回らず、それらは見えない様子であった。 においの事は、佐渡さんから何回も聞いていたし、御主人の方も何とかしなければいけないと思っていたそうだ。 そこで思いついたのが「お清め」 「昔から酒は魔を祓う、とも言われてきたからね。後は自分の心次第。だから大丈夫」 御主人のその言葉を聞き、佐渡さんは親からのメッセージを聞いた。 「主人には詳しく話してなかった内容の事までもアドバイスしてくれたんです」 結局、アドバイスの事もあり、悩み事は数日も経つと解決した。 「本当はもう死者と対話して欲しくないんです。でも、相手から勝手に主人の口を借りて言う事もあるみたいで…」 佐渡さんは御主人が「その道で食べていく」事を選ばなかった理由が判った。 「お清めのお蔭なのか、今では、においは殆んどしなくなってきました」 佐渡さんは少し嬉しそうにそう言った。
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■講評
文章 0 怪異 1 怖さ 1 衝撃 0
なかなか面白かったのだが、霊が降りて来た時や帰っていくときの様子の具体的な描写があった方がもっと怖く感じたと思う。「その時」のご主人の様子が今ひとつ想起できない。
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名前: くりちゃん ¦ 09:29, Monday, Feb 09, 2009 ×
雑誌の裏表紙ウラに載っている、 怪しいお守りの体験談を読んだような…。 かいつままれ過ぎている気が…。 「ブスでデブな私にも年下の彼氏が出来ました!」 ど〜やって? みたいな…。ごめんなさい、例えが酷いわ、我ながら…。 私なら殴られたら、「キャイン」と言わすまで、殴り返しますし(笑)。
怪異1 |
名前: ほおづき ¦ 14:51, Monday, Feb 09, 2009 ×
今回の大会は『見える人』の話が多いように思うのですが、全てに共通して思うのは、祓う力が無いのに見えるのは辛いだろうな、ということです。この話を読んで、その想いが尚のこと強くなりました。今後の御主人の無事を祈ります。 文章・0 構成・0 ネタ・1 恐怖・0 |
名前: 暗沌子 ¦ 16:13, Monday, Feb 09, 2009 ×
霊の発する臭いや気配を感じることができるなんて、佐渡さんにも霊感があるんじゃないですか? 旦那さんの方は霊媒体質のようですね。体を乗っ取られて制御できない場合もあるようなので商売は難しいですよね。 「何日も風呂に入ってない臭い」が妙にリアルでした。
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名前: ひ ¦ 16:25, Monday, Feb 09, 2009 ×
面白い、貴重な体験談です。 ここまで詳しく取材されれば文句は言えません。 |
名前: くすだまん ¦ 17:51, Monday, Feb 09, 2009 ×
匂いの表現が分かりやすくイメージが出来やすかったです。 見えるという事で苦労する方の話はよく聞きます。 人一倍神経がすり減りそうですね。 |
名前: SPダイスケ ¦ 20:15, Monday, Feb 09, 2009 ×
なるほど。その手があったか。 あ、いえ、お酒の話です。スミマセン。
ええっと、怪異の方ですが、流れとしては面白い話とは思います。 でも、なんていうか描写不足感があります。 いや、この文章量ですので、削ったのかもしれませんが、手順とか対話内容とか、その辺、どういう事をしているのかを書いてもらえると、個人的には嬉しかったです。 折角の見える人の話ですので、内々で納得せず、もう少し、細かい情報を外に向けてもらえたらなぁと思いました。
文章:0 怪異:1
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名前: PM ¦ 20:54, Monday, Feb 09, 2009 ×
死者と会話をする影響(?)とはいえ、奥さんに暴力を振るうのは困った事ですね。 内容はなんだかごちゃごちゃとして分かりづらいです。 もう少し整理すべきだったのでは?
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名前: ひぐらし ¦ 21:47, Monday, Feb 09, 2009 ×
怪奇2 文章0 肝心の霊を降ろして会話するシーンを書いてほしかった。 ご主人が消耗されないか心配ですが、身近な人にそういう方がいる苦労というのがリアルで良かったです。 |
名前: じゅりんだ ¦ 23:44, Monday, Feb 09, 2009 ×
能力を使った後にそんな後遺症?があるとは知りませんでした。 においの表現が端的で分かりやすかったです。 文章は少しぼかしてあるような印象を受けました。
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名前: ゑな ¦ 00:28, Tuesday, Feb 10, 2009 ×
佐渡さんが夫を思う気持ちが流れに沿ってトレースされていて、そこが読者に共感を与えている。相手を思う気持ちが書かれていて良いなあと思うのです。 ただ、途中で親からのメッセージが出てくるのですが、これがちょっとカタがつけにくいシロモノになってしまったのかなあとも思うのです。 佐渡さんの気持ちに寄り添うならば、大切な夫の様子が良くなってほしいと願う気持ちが分かるので、これはこれで良いのです。
でも、読む方としては、夫の事もさることながら、せっかく出てきた親からのメッセージの方ももう少し見所として読みたかったなあと言う望みも、一方で有ったりするのです。 夫の様子が好転したきっかけが作品の最後を締めくくる「お清め」か、それの間接的なきっかけとなった「親からのメッセージ」だったのか、そこも、もっと読みたかったかな、と。 そのあたりの話の切り分けがあと少しなされていれば、もっとすっきりとこの作品に納得できたかなと思います。 ただ、作品としては作者の方は、対話の対処を中心に書かれているようなので、親からのメッセージにあまり重きを置くわけにもいかないでしょうから、どちらを取るか悩ましい問題ではあるでしょうね。 |
名前: たかくらぶんた ¦ 01:16, Tuesday, Feb 10, 2009 ×
霊能者と書かれると冷めることが多いのですが、この話に関しては凄く面白く、最後まで安心して読めました。 これを読んで「自分も同じです」なんて人がいたりして・・・ |
名前: 黒蜜椿 ¦ 10:46, Thursday, Feb 12, 2009 ×
やはり見える人には大変なご苦労があるのですね。 その匂いとは死臭とは違うものなのでしょうか。 獣臭い感じ?とか。 お酒で対処できたなんて意外と簡単、灯台もと暗し、というところですね。 ただし、お酒は魔を呼ぶとも言われていますが大丈夫?
霊と向き合い、戦う壮絶な夫婦物語ですね。
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名前: 桜子 ¦ 21:41, Tuesday, Feb 17, 2009 ×
ご主人の苦悩と、なぜ職業にしないんだと気軽に言っていた佐渡さんの考え方が変わっていく様子が良いバランスで織り交ぜられていて読みやすかったです。 佐渡さん本人の語りが多くて、少し軽くなってしまったかな。 +1
自分の意思に関係なく入り込まれて辛いこともあるだろうけど、佐渡さんの親御さんの件のように人のためになることもある。 上手く付き合っていけるようになるといいですね。 +1
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名前: 眠 ¦ 16:12, Wednesday, Feb 18, 2009 ×
文章0 怪異+1 恐怖+1 佐渡さん自身にも霊感がありそうだし、ともにまだまだ体験談を持っておられそうな御夫婦である。 手を上げる、霊が勝手に口を借りて喋る等、本人にとっても周りの人間にとってもなかなか怖い現象が起きていることを考えると、ある程度の修業をして力をよりコントロールする術を身につけたほうがよいのではないだろうか、と少し心配になってしまう話である。 |
名前: スロトレ兄さん ¦ 14:54, Sunday, Feb 22, 2009 ×
すんなりと最後まで興味深く読めました。 しかし、どうも淡々とした話で、物足りない印象でした。
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名前: キザラ ¦ 06:47, Sunday, Mar 08, 2009 ×
においがするというのは興味深かったと思います。 ただ文章が長いわりには、肝心の憑依されているシーンが出てこなかったのが残念でした。 文章も良かったので、是非そこを読んでみたかったです。
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名前: へみ ¦ 12:12, Sunday, Mar 08, 2009 ×
見える人と周りの人の苦労が伝わってきました。見えるのも大変ですね。 奥さんとご主人の優しさが伝わってくる文章だと思います。 |
名前: わんぴー ¦ 22:00, Tuesday, Mar 10, 2009 ×
文章・・・0 希少度・・・1
このての話を作品にするのは難しいと思います。 結局誰かの能力を解説するだけで終わってしまいますし、それを読んでもあまり面白いとも感じません。 この作品の場合、臭いとお酒で対処という件があるので、つまらないとまでは思いませんでしたが、だからといって良質の怪談作品を読んだという満足感を多少でも得られたかというとそうでもありません。 やっぱり怖かったり面白かったりする作品を読みたいというのが一読者のわがままな言い分なんですよね。 ですので私の嗜好から1点引かせてもらいます。 |
名前: 鹿太郎 ¦ 20:50, Saturday, Mar 28, 2009 ×
| 佐渡さんの主人は、霊がいると自分から独特のにおいがして理由もなく怒ったり手を上げる事もあるとわかっていながら、当の本人は肝心な所が判んないのよと奥さんの気持ちもわかるが、あれだけラップ音や怪現象があれば、最初からお清めの酒を早くしておけばよかったのにと思ったから。 |
名前: ジャック ¦ 02:22, Sunday, Apr 05, 2009 ×
とても興味深いお話です。 あまり怖さは感じられなかったのですが、ご主人と死者がどのようなお話をされるのかなどの具体的な点を他の話で読みたいかな。
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名前: 緋咲 ¦ 00:02, Monday, Apr 20, 2009 ×
| だいたいのところはわかるのですが、何か話を消化仕切れない。奥歯にものが挟まっているような文章に感じます。 |
名前: 悪夢狂乱丸 ¦ 15:26, Thursday, Apr 30, 2009 ×
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