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「本当に、見るからにボロだったんですよ」
武藤さんが独身時代に住んでいたそこは、値段だけが魅力の、見るからにいわくありげな木造の二階建てアパート。 彼女がその異変に気が付いたのは、引越ししてしばらくの事だった。
真夜中に目が覚める。 テレビを見ていて、ふと目を逸らす。 自室の掃除や洗濯をしていて、視界を外す。
そういうときに、常に目に留まるもの。 壁時計。 ビデオデッキのカウンター。 オーディオのデジタル。 エアコンのリモコンタイマー。 そういったものが、常に42 を表示している。
「『42』、つまり『死に』ですか?」 「そうなの。でも薄気味悪くても、それを我慢できるくらい魅力的な家賃だったの。だけど」
『42』のメッセージを無視していると、現象はさらにエスカレートして、今度は視野の端の壁面に、血が流れるようになったという。 白塗りの壁に、ぷちぷちっと赤い玉が幾つも現れたと思うと、そいつがつう、と真下に垂れ始めて、紅い血の航跡と化す。 驚いてそちらを向くと、なんでもない元の漆喰の壁のまま。
「でもね、視線を逸らすと、今度は反対側の壁面から、赤い玉がぷちぷちっと湧き出てまた血の流れになって、また振り向くと何でもなくって、ずっとそいつの繰り返し」
それでも武藤さんは図太くその部屋に住み続けた。 当時の彼女の収入に対して、それほどの魅力的な家賃だったからである。 『42』のメッセージも、血の噴き出す壁も、ひたすら気のせいと自分に言い聞かせていた。 だが、そんな彼女に引越しを決意させる、ある事件が起こった。 久しぶりに会った友人が、武藤さんの顔を見るなり、露骨に顔を歪めたのである。
「あんたの部屋、変な事ばかり起こるでしょ?」 なぜわかるのと問いただすと、友人は溜息をつきながらこう答えた。 「その部屋、男が自殺してるから。このままだと取り込まれるよ」
友人は「見える人」だった。 ボロアパートとはいえ、武藤さんは、家賃があれほど魅力的な理由を、ようやく理解した。
「もちろんその月で、アパート出たわよ」
但し、またすぐに幽霊が出て引越しとなるとそれも困るので、次のアパートは家賃相応の物件を選んで引っ越したという。
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■講評
なんか、アメリカのB級ホラーみたいな現象が、 怖いんだけど、胡散臭くて…笑っちゃった(^^;) アメリカ人の恐怖のツボ、笑える…みたいな。 だから、怖さが薄れたのかな? でも、考えてみたら四六時中そんな事ばっか あったら、即、引っ越すでしょ! ヤバイに決まってるモン。 一番怖いのはそれでも我慢できた武藤さんですよ(^^;)! 彼女の勇気に一点。
文章1 怪異1 |
名前: ほおづき ¦ 10:04, Wednesday, Feb 11, 2009 ×
怪奇1 文章0 42というメッセージと吹きだす赤い血は強烈なのかもしれませんが、霊感のある友人が出現してきて男が自殺していると告げる場面展開が唐突な感じがしました。男の幽霊とか死因とかがでていたらもっと点数高めだったのかもしれませんが。住み続けた武藤さんは凄いとは思いますが…。 |
名前: じゅりんだ ¦ 14:00, Wednesday, Feb 11, 2009 ×
文章 1 怪異 1 怖さ 1 衝撃 0
なかなか正統的な怪談だと思う。 どうせなら、「見える人」である友人の見た物まで描いて欲しかった。きっととても怖い物を見たと思うんだ。
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名前: くりちゃん ¦ 15:29, Wednesday, Feb 11, 2009 ×
起こった事象はアメリカのホラー映画みたいに気味が悪くて怖くて強烈だと思う。 が、“見える”友人の一言でいきなりバタバタと話が終わってしまった。読んでいる側としては 「はぁ?」 としか思えない。 もう少し書きようがあったのでは?
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名前: ひぐらし ¦ 16:27, Wednesday, Feb 11, 2009 ×
ん? 自分で家賃の安さと起こる怪異から、その部屋で過去に何かがあった事くらい連想出来ないものなのでしょうか? それとも、そういう類には全く無頓着な人だったのでしょうか? 「ある事件が起こった」とあるので、もっとすごい怪異を期待したのですが、友人からただ警告されただけってのも、なんだかちょっとガッカリしてしまいました。 スタンダードな話である事もありますが、構成に腑に落ちないところがあるのが何より残念に思えます。
文章:0 怪異:0
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名前: PM ¦ 17:40, Wednesday, Feb 11, 2009 ×
異変の三番目がなくてよかった。 その時に取り憑かれるところだったのではないでしょうか。 最初の異変に気づくときの行動と結果をそれぞれまとめた書き方が、非常に効果的でした。
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名前: ひ ¦ 18:16, Wednesday, Feb 11, 2009 ×
正統派にしたのは如何にも惜しい気がします。数字に囚われたというだけの投げっぱなし怪談でも良かったのでは。後半部でお話のテンションが一気に下がったような。 文章・0 構成・−1 ネタ・1 恐怖・0 |
名前: 暗沌子 ¦ 18:16, Wednesday, Feb 11, 2009 ×
題名を「42」が 中盤以降からかすれてきてしまっているような気がします。 最後の友人が出てきてからの展開に少し絡めた方が題名が活きてくると思います。 |
名前: SPダイスケ ¦ 18:31, Wednesday, Feb 11, 2009 ×
| 面白い、42というのは予告だったのか気になりますね。 |
名前: くすだまん ¦ 18:32, Wednesday, Feb 11, 2009 ×
怪異の部分で凄く引き込まれたのですが 「見える」友人が出てきてからの展開が早すぎて残念。 それが事実だとは思うのですが、やり取りなどでもう少し 引っ張って欲しかったです。 |
名前: ゑな ¦ 22:56, Wednesday, Feb 11, 2009 ×
42で「死に」とは、なかなか興味深いです。 見える人が出てからの展開がよく聞く話の域を出ていないと思います。 実際は人それぞれ、いろいろあると思うので、その辺で個性を見せて欲しかった。
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名前: 黒蜜椿 ¦ 16:20, Thursday, Feb 12, 2009 ×
死相でも出ていたのかしら。 派手な演出なしのジワジワと追い詰めていくタイプの男だったのですね。 42…いやなメッセージだ。 それだけ怪異が続いても引越ししなかったのに最後はあっさりでちょっと拍子抜け。 取り殺されると聞いてはそれも無理ないか。 見える友人にこの男の描写をもっと聞いてほしかった。
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名前: 桜子 ¦ 13:11, Wednesday, Feb 18, 2009 ×
>だが、そんな彼女に引越しを決意させる、ある事件が起こった。 42の表示にも壁の血にもめげない武藤さんが根を上げるなんて!何が起こるの!と好奇心が燃え盛っているところに水をぶっ掛けられちゃいました。
前フリが大げさですね^^; 武藤さんにとってはこの「見える友人」は信頼できる人で、引越す理由として十分なのかもしれませんが、私にとっては先に起こっている怪異の方がはるかに怖い。
怪異のすごさと最後のガッカリで相殺です。 ±0 |
名前: 眠 ¦ 22:10, Friday, Feb 20, 2009 ×
「引越しを決意させる、ある事件」という書きぶりが問題で、読者を否応なく期待させてしまうようなことを書くのなら、それ相応の結末のある話を用意しておかなければならないと思う。 ガッカリ感が強い。 しかし、前半は良かったです。
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名前: キザラ ¦ 15:47, Friday, Mar 13, 2009 ×
起きた現象には興味を惹かれる部分もあったのですが、見える友人の描写が不足しているように思えました。 友人を信頼しているのでしょうが、なぜに男が自殺していると分かったのかは聞いてもらいたかったです。 分かるものは分かると言われてしまえばそれまでかもしれませんが、作品としてはその辺りがあるとさらに良くなると思います。 |
名前: へみ ¦ 23:27, Friday, Mar 13, 2009 ×
| 42のメッセージも血の噴出す壁も怖かったのに最後は肩透かしをくらった感じがしました。前半の盛り上がりが良かっただけに残念です。 |
名前: わんぴー ¦ 10:20, Friday, Mar 20, 2009 ×
| 武藤さんが、家賃にあれほど魅力を感じても、見える友人からすると、この部屋は自殺者がいるといわれ、時計や電気製品が42をさしているとは!それに血の噴き出す壁!もう我慢も限界一刻も早く退散しなくては、これに懲りて身分相応の物件を選んでくださいと言いたいから。 |
名前: ジャック ¦ 00:05, Saturday, Mar 28, 2009 ×
文章+1 怪異+1 恐怖0 男が自殺してるそうですが、ねっとりとした怪異の起こり方、男の幼稚ないやらしさが出ていて嫌な話ですね。 文章はうまいです。 最後にあっさり引っ越してしまうのは‘‘作品‘‘としては拍子抜けかも知れませんが、怪異に遭遇した人にとってはごく当然の行動でしょう。 実話ですからね。
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名前: スロトレ兄さん ¦ 04:47, Monday, Apr 20, 2009 ×
武藤さん、意地っ張りなんだか素直なんだかわかりませんね(笑) どうせならご友人の視点で見えたものも詳しく聞いてみたいですねー。 文章は、とても読ませる書き方をされていると思いました。 |
名前: 緋咲 ¦ 17:00, Monday, Apr 20, 2009 ×
文章・・・-1 希少度・・・0
怪異が小粒な上に、最後に引っ越す武藤さんが理解出来ません。 引っ越したんだから仕方がないと言われればそうなんですが、目に見えて怪異が起こっていても家賃が安いからと居座っていたのに、友人にちょっと言われただけで引っ越してしまうのがなんだか唐突に思えるのです。 久しぶりに友人に会う前と後で武藤さんの人物像がかわっているように思え、違和感を覚えました。 例えば繰り返される怪異に大いに悩まされ辟易していたとか、友人に懇々と諭されたといった文があればこれほどの違和感は感じなかったと思います。 肝心な部分の書き込みが中途半端であったため、説得力がなくなったといったところでしょうか。 |
名前: 鹿太郎 ¦ 21:13, Saturday, Apr 25, 2009 ×
名前: 悪夢狂乱丸 ¦ 17:27, Wednesday, Apr 29, 2009 ×
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