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三年前のある夜、大学生の吉田さんは買い物に行く途中で落ちている財布を見つけた。 黒色の革で作られた長方形の財布。 周りに誰もいないことを確認するとすばやく拾い上げ、その場を立ち去った。 吉田さんは交番に届けるつもりは無かったという。 そう、そのままパクるつもりだったのだ。 アパートに戻り、楽しみにしていた財布の中身を確認する。 中には五枚の写真と小銭が少々入っているだけだった。カードや免許証なども一切、入っていない。 「なんだよ。札の一枚も入ってないのかよ。期待させやがって」 怒りながらも写真を手に取り、次々と見ていた。 写真は連続して撮影された物のようだった。 二十歳位の女の人が写っている。グラビアアイドルも顔負けする位のかなりの美人だ。満面の笑顔をこちらに向けている。背景は、緑の木々が見える中で撮られており、一枚一枚少しずつ表情が違っていた。 ただ、残念だったのは財布に入らなかった為なのか写真の下側が切り取られたようになっていた。 この写真を大変気に入った吉田さんは自分の財布に入れて持ち歩こうと決め、黒い財布はゴミと一緒に捨ててしまった。 その日の夜、吉田さんは生まれて初めて金縛りにあった。特に何かを見る事も無かったが、金縛りは朝まで続き、その疲労感といったら今まで経験した事が無い程だった。 大学で友人に、変な自慢の様に金縛りの事を話すと疲れたときに掛かりやすいものだと簡単に言われてしまう。 確かにその頃はバイトの掛け持ちで身体は疲れきっていた為、納得はしやすかった。 しかし、もう一つ友人に自慢をしたい事があった。 写真の女の人を見せびらかしたかったのだ。勿体振るように写真を手渡す。 「な、何だ。これ!?」 驚きの声を上げる友人に向かって、得意そうに吉田さんは語る。 「なあ、美人だろ。誰かって聞かれても教えられないけど、知り合いとだけ言っておくか」 友人は次々と写真をめくり、すべてを見終わった後、吉田さんを呆然と見つめた。 その後、震える声で捲し立てるように話し出した。 「やばいって。何か分かんないけど、持って良いものじゃないと思う。お寺か?お寺に行けばいいのか?」 訳の分からない事を言っている友人から、写真を取り上げる。 吉田さんがそこで目にしたのは、あの写真ではなかった。女の姿は消えていた。 女のいた所には、真っ赤な炎が写っている。二枚目、三枚目と進めるごとに炎の大きさは小さくなっている。 最後の五枚目を見て、動きが止まった。 炎のあったところには真っ赤な頭蓋骨が写っていた。燃えている頭蓋骨と言った方が正しいかもしれない。 友人は唖然としている吉田さんの腕を引っ張り、大学の前を通り掛かったタクシーに飛び乗った。 運転手さんに「どこでもいいから大きいお寺、有名なお寺」と行き先を告げ、連れて行ってもらった。 着いたお寺の僧侶にすべての事情を話し、写真を見ていただくと険しい顔でそれらを一枚一枚見つめ、引き取る事を了承してくれた。しかし写真の真相については何も語ってはくれなかったし、吉田さん達も敢えて自分から聞く勇気も気力も既に無かった。 僧侶に日頃の行いを多少注意されたが、少しの供養料を納めることで写真から離れる事ができた。 そのお蔭か、それ以降怪異は特に起こっていない。 「あれから友人には頭が上がらないんですよ。後で知ったんですが、財布を拾った日にそこで死亡交通事故があったんです。因果関係は分かりませんが、友人はそれから何かにつけて『俺がお前の命を救ってやったんだ』と言い張っています」 あの財布が事故に遭った人の物だったのかどうかは、定かでは無い。
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■講評
ううん、色んな要素がありますよ。 祟りとも言えますし、 拾った事への戒めとも取れますし。 何にしろ、盗ったらあかん! って事で。
文章1 怪異1 |
名前: ほおづき ¦ 10:30, Sunday, Feb 15, 2009 ×
文章 1 怪異 1 怖さ 1 衝撃 0
嫌な話です。 写真の画像が美人から燃えている頭蓋骨に変わっているところが本当に怖い。
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名前: くりちゃん ¦ 16:19, Sunday, Feb 15, 2009 ×
気味の悪い話ですね…。 金縛りだけで済んで良かったというか…。 ちょっと写真の状態が解り辛かった気がします。 写真の下側っていうのは、下半分ですかね? 最後に頭蓋骨が映ったという事は、写真に写っていたのは、女性の顔の部分だけだったという事でしょうか? この写真が肝になっているので、もう少し描写があっても良かったかなぁと思いました。
文章:1 怪異:1
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名前: PM ¦ 19:01, Sunday, Feb 15, 2009 ×
名前: くすだまん ¦ 19:18, Sunday, Feb 15, 2009 ×
拾った財布のネコババをこの大会で堂々と公表。うーん。 怪異は何かの理由があって捨てられた財布の災いを体験者もかぶってしまったのか、事故の被害者のものだったのでその影響か、単なるネコババの罰アタリか。 何にせよ大変な事にならなくて良かったですね。
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名前: ひぐらし ¦ 19:36, Sunday, Feb 15, 2009 ×
怪奇2 文章1 理由も因果関係もわかりませんが、何ともいえず気持ち悪い話ですね。 そのまま持っていたら絶対大変な事になっていたと思われるので、手放して良かったですね。 |
名前: じゅりんだ ¦ 23:33, Sunday, Feb 15, 2009 ×
写真の豹変ぶりといい、写っていたものといい、 普通の心霊写真とは桁違いの怖さだと思いました。 財布から抜き取るほど気に入った女性の写真にしては 描写が少ない気がしました。 もう少し詳細が欲しかったです。 |
名前: ゑな ¦ 23:55, Sunday, Feb 15, 2009 ×
写真の内容に対しての描写をもう少し詳しく書いていただけると よかったかなと思います。 |
名前: SPダイスケ ¦ 17:38, Monday, Feb 16, 2009 ×
| 道で拾ったような怪しいもは、迂闊に持ち帰ってはいけないということですね。 |
名前: 六郎 ¦ 19:40, Monday, Feb 16, 2009 ×
落ちてたのではなく、置いてたんじゃないかな。うまうまと引っかかったんだとしたら…
文章・0 構成・0 ネタ・1 恐怖・0 |
名前: 暗沌子 ¦ 01:25, Tuesday, Feb 17, 2009 ×
これはすごい話です。その写真、持ち主を次々に殺していくのではないですか。ご友人が霊感のある人でよかったですね。美人の化けの皮を剥いでくれたんですから。
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名前: ひ ¦ 11:19, Tuesday, Feb 17, 2009 ×
きっと故意に置いてあったのでしょうね。 よく金縛りくらいで済んだものです。 よかったですね。 |
名前: 黒蜜椿 ¦ 12:34, Tuesday, Feb 17, 2009 ×
怖い…。 これ、交番に届けていたらどうなっていたのでしょうね。 おまわりさんが怖い思いをしたのでしょうか。
なんにせよ、ネコババしようとしたよこしまな心が怪を呼んだのでしょう。 この不気味な写真の真意はわかりませんが 元の持ち主も気になります。
友人が写真を見ているくだりから鳥肌が立ちました。 本当に怖かったです。 |
名前: 桜子 ¦ 10:45, Friday, Feb 20, 2009 ×
遺留品が後から出てくることはよくあるようです。この財布も事故で亡くなられた方が持ってたものでしょう。…と言い切れなくてなんだか怖い。 不幸のあった場所にポロッと現れて、誰かが拾うのを待ち構えてるんじゃないかとも思いました。 どちらにしろ、何かしらの形で人の手に渡って不幸のリレーになっていたんでしょうね。 +1
いちばん気になるのは写真の正体。 写っていた女性は何かの被害に遭われた方なのかな。 手放せなくなる美しさというのは、人を釣るための作戦(?)だったりして。 +1 欲を言えば、お寺でちゃんと写真の正体を聞いてきてほしかった…。 事故との関係を匂わせる終わり方より興味深いものになっていたと思います。 吉田さんが聞く気も失せるのは当然ですが^^; |
名前: 眠 ¦ 18:07, Saturday, Feb 28, 2009 ×
| −4 財布を拾って、なんの縁もゆかりもない写真の美人を彼女と言い放った罰なのだと思う |
名前: ジャック ¦ 22:57, Wednesday, Mar 04, 2009 ×
主人公の大学生吉田さんは、買い物に行く途中財布を拾ってその中身が少ないことに唖然、、その持ち主があまりに美しかったので写真だけもらって友達に自慢したところが、その女は真っ赤な頭蓋骨、これはその財布をひろった日のそこでの交通事故の犠牲者に違いないとおもったから。 しかし、友達がその写真のお祓いをお寺にもって行かなかったらどうなっただろうか?怖い話でもあるからけどそうではなかったから。万事急須。 |
名前: ジャック ¦ 02:06, Saturday, Mar 21, 2009 ×
面白い話だと思います。 まさか事故に遭った本人が落としたものがそのままだったとは思えませんが、その可能性も0ではないような気になります。 誰かが故意に置いたものだったとしたら怖いですね。
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名前: へみ ¦ 23:08, Monday, Mar 23, 2009 ×
不気味ですね。 もう少し写真の描写があると嬉しかったですが、文章も読みやすく、すらすら読めました。 かなり鳥肌が立ちました。 怖いよー。 |
名前: 緋咲 ¦ 05:38, Saturday, Apr 25, 2009 ×
| 拾わせようとしてるのでしょう。その人によって、写真はイケメンだったり赤ちゃん、動物等変わるんじゃないかな。 |
名前: 悪夢狂乱丸 ¦ 16:52, Saturday, Apr 25, 2009 ×
文章・・・1 希少度・・・1
う〜ん、なんだか惜しい気が。 もうあと一山何かあってくれると更に怖くなったところなんですけど。 まあそれを言っても詮無いことで。
結局その写真って何だったんでしょう? 最初に写っていたきれいな女性が何者だったのか、もともとの持ち主はどんな人だったのか。 分からないことだらけで、そこがまたなんとも気味悪く思えます。 ちょっと怖かったなぁ。 |
名前: 鹿太郎 ¦ 23:23, Sunday, Apr 26, 2009 ×
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