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鐘櫓
前田さんと岡さんの会話。
「ああ、あそこからの途中にさ、鐘楼って程じゃないけど、火事なんかの時に鳴らす鐘が吊ってあってさ、鐘のとこまで高い梯子になってる鐘叩き台あるだろ。櫓っていうか」
前田さんは言った。
「ああ、あるある。ちょっと古い感じで、近くに何かの祠だか小さいお堂みたいなのがあるとこだろ」
岡さんは昼の弁当をほおばりながらうなずいた。
「あそこさ、ちょっと前、日が暮れかかった頃に通ったんだ。そしたらあの鐘叩きの梯子の近くに消防団の格好した人がいてさ。白髪頭のおじいちゃん。自警団か何かの消防団の黒い半被(はっぴ)着てさ。頭にねじり鉢巻きまでして地下足袋履いて、で、あれ何ていうのかな。長い棒の先に鎌みたいな刃物がついてるの。延焼を防ぐのに家を壊すやつかな。それ持ってさ。ずーんと立ってるんだ。鐘の下でさ。仁王立ち。日暮れの中に立ってるから、ちょっとびっくりしたよ。時々立ってるのかな。それとも町内会で何かあったのかな」
「ああ、それさ」
岡さんは言った。
「お化けだって」
岡さんは両手を前でぶらんとさせた。
「ええ?」
前田さんは飲みかけていたお茶を吹きそうになった。
「お化け?何で?」
「さぁ。でもよく出るんだって。昼間でも見たって人もいるって。今もあそこで番してるのかな。昔、何かあったみたいだよ」
「……」

昼休み、昼食を食べながらの同僚の会話である。



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こういう雰囲気は嫌いじゃない。却って内容には興味を引かれた。自警団の半被を着た老人が櫓のそばに立つ事になったらしい、「昔何かあった」という曰くを知りたいと思った。その地域でその事について突っ込んだ取材をしたら、良いネタを拾えそうな気がするのだが。文章 ... 続きを読む

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■講評

観察はよくなさっていると思いますが、軽い会話のまま終わっており、なんか惜しいですね。

名前: ひ ¦ 16:28, Wednesday, Feb 18, 2009 ×


夕暮れの中でそんな姿の人を見たらちょっと驚くでしょうが…会話が何だかほのぼのですね。

名前: ひぐらし ¦ 17:46, Wednesday, Feb 18, 2009 ×


これ、セリフのみで構成した方が良かったかと思います。
怪異としても小さいですね。
昔あった「何か」も取材出来ると良かったんじゃないかなぁと思います。

文章:0 怪異:0


名前: PM ¦ 18:07, Wednesday, Feb 18, 2009 ×


べつに気になる部分はありませんでした。
 出来れば会話をしている人間が何処で食べているのか記載があればベストと考えましたが、べつに怪異に関係ないので描写で減点しませんでした。
 1点減点したのは怖いとも面白いとも思わなかったので。

名前: くすだまん ¦ 18:25, Wednesday, Feb 18, 2009 ×


CMでサラリーマンが屋上で爽やかに
メシ食いながら話してるイメージが…
さらりと書かれている上に、
会話も軽めに進んでいくので、
怖さが薄れちゃったかな。
文章はお上手なんですけどねぇ…。

文章1

名前: ほおづき ¦ 21:02, Wednesday, Feb 18, 2009 ×


文章 1
怪異 1
怖さ 0
衝撃 0

いかにも会社員の昼休み、という感じが出ています。
出来ればその「お化け」の由来まで聞きたかったなあ。
よくできていると思うのですが、余り怖くはありませんでした。


名前: くりちゃん ¦ 21:29, Wednesday, Feb 18, 2009 ×


教えられるまでお化けと気づかない程の存在感がいいですねぇ。
ここまで言葉の応酬が面白いと、ト書き形式で書いてみても面白そうですね。
怖くは無いですが、こういうお話好きです。

名前: ゑな ¦ 22:05, Wednesday, Feb 18, 2009 ×


怪奇2 文章0
ささやかな出現の仕方でよいですね。幽霊さん。
それだけはっきり見えるということは、よほどその場所に思い入れがあるんでしょうね。その先に続編があれば読ませていただきたいです。

名前: じゅりんだ ¦ 00:29, Thursday, Feb 19, 2009 ×


日常にある怪異。 誰もがそこにあるのを容認しているという不思議さが面白いです。 なんだかほのぼのした町なんでしょうね。その分、恐怖度が薄れてしまいましたが。
文章・0 構成・0 ネタ・1 恐怖・0

名前: 暗沌子 ¦ 16:14, Thursday, Feb 19, 2009 ×


テンポ良く書かれてはいますが、怖さが感じられませんでした。

名前: SPダイスケ ¦ 22:36, Thursday, Feb 19, 2009 ×


台詞のみでいった方がいいですね。この話は。
なにかあったのその「なにか」とは一体。
気になって仕方がないです。

名前: 黒蜜椿 ¦ 15:14, Friday, Feb 20, 2009 ×


そこで割り込んで「前田さん、その話もっと詳しく」と食いつかないと!
いかにもな口調での日常会話から「お化けだって」とストンと落とすこの書き方も面白いです。
が、「櫓っていうか」「お堂みたいなの」「鎌みたいな刃物」という遠まわしな言い方に苛々。著者さんがそれぞれの名称をきちんと調べて文章におこしたものも読んでみたいと思いました。 +1

一日中番をしているようなので、「何かあったみたいだよ」が気になりますね。
続報があればぜひ。

名前: 眠 ¦ 23:06, Sunday, Mar 01, 2009 ×


−4 日が暮れかかったときに鐘叩きの梯子の近くにいれば、その昔消防団だった故人が当時を懐かしんで、出てくるのは当然

名前: ジャック ¦ 21:27, Wednesday, Mar 04, 2009 ×


日が暮れかかった時に鐘叩きの梯子の近くにいれば、その昔消防団だった故人が当時を懐かしんででてくるのは、自然だから。

名前: ジャック ¦ 01:45, Thursday, Mar 19, 2009 ×


今でも火事からみんなを守っているんでしょうね。
こういうお化けはいてもいいんじゃないかなぁ。

名前: 桜子 ¦ 18:33, Tuesday, Mar 24, 2009 ×


短いながらもわかりやすくまとまっていました。
さらに後日、はっぴ姿のお爺さんを目撃しての展開があればもっとすごい作品になっていたかもしれませんね。

名前: へみ ¦ 22:09, Monday, Mar 30, 2009 ×


「あれお化け」って言うだけでは何の説得力もありません。根拠を示してくれないと。せっかく興味深いおじいさんなのに勿体無いです。

名前: 悪夢狂乱丸 ¦ 15:38, Wednesday, Apr 22, 2009 ×


うーん、アッサリ書かれているのは良かったのですが、それがお化けだという根拠のような記述が欲しかったかなぁ。

名前: 緋咲 ¦ 03:06, Sunday, Apr 26, 2009 ×


文章・・・-1
希少度・・・0

会話だけで成り立たせている作品ですが、それだけにその人物を「お化け」とする根拠が希薄であり、読んでるこちらとしては納得できません。
同僚がこんな会話をしているのを書き手がたまたま横で聞いており、そのまま作品にしたとも考えられ、その場合その会話内での発言が100%真実かどうかというのは我々には判断しようもないのです。

私も学生の頃、大阪の地下街に出没するホームレスの老婆の話を友人にしたところ、「あれは砂かけ婆やで」って言われたことがあります。
もちろんそれは友人の冗談なのですが、この会話を横でたまたま聞いていた人が作品にすると、「その地下街には砂かけ婆が出没する」という話になってしまいます。
まあこれは極端な例かもしれませんが、この作品の場合も、作品成立の裏にはそういったことがあったかもしれない、そう読んだ物に思わせる構成になっているのではないでしょうか。
しっかり取材が出来ているのなら、その人物が本当に「お化け」であると読者にも納得させてもらいたいと思います。

名前: 鹿太郎 ¦ 14:14, Monday, Apr 27, 2009 ×


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