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新聞配達員の笠井君は、その日もいつものように朝刊の配達をしていた。 まだまだ残暑が厳しい九月。 その家への配達時間は早朝五時前で、辺りはまだ暗かった。
「油蝉がポストと壁の隙間にとまっていたんです」 その家のポストは最近の一軒家に多いタイプの、門の横にある壁にポストがついている、新聞配達人の間では「壁ポスト」と呼ばれるオーソドックスなタイプ。 ポストの入口の上部には、雨水の浸入を塞ぐための庇がついている。 上部だけに庇がついていると新聞等を投稿する際に若干のつっかかりがあるため、ポストの下部にも上部より少し短めの庇がついていた。 その下部の庇と壁の隙間に半分体を隠すように、油蝉がとまっていたという。 「新聞を入れるときに見つけてドキッとはしましたけど、そっと新聞を入れたら蝉も飛びませんでした」
翌日、油蝉がとまっていたポストを見ると、それはまだ同じ場所にいた。 その翌日も、また翌日も油蝉はそのままだった。 毎晩油蝉を見る配達が二週間程続いたころ、ふと悪戯心が湧き、笠井君は新聞で油蝉を突いてみた。 「蝉って寿命が短いじゃないですか。もう当然死んでいるはずだから、突けば地面に落ちると思ったんですが」
ジジジジジジジジッッ
突かれた油蝉は耳障りな鳴き声と共に飛び立ち、夜の闇に吸い込まれていった。 「いや、びっくりしましたね。昆虫の生命力も侮れないなと」
翌日、件の家への配達に来た笠井君は自分の目を疑った。 昨夜までと同じ場所に、同じ角度で、瓜二つの油蝉がとまっていた。 「偶然で起きることじゃないでしょう? 驚いたんですが、好奇心もあってもう一度蝉を新聞で突こうと思ったんですが」 笠井君が新聞を丸めて構え、そっと油蝉に近づけていくと―
ジジッ
油蝉が短く鳴いたという。 それは笠井君には「やめろ」と言っているように聞こえた。 「やめました。可哀想ですし、よく考えたら怖くなってきちゃって」 その後もしばらく油蝉はその場所に留まり続けたが、さらに一週間ほど経ったある日を境に見かけなくなったという。
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■講評
名前: らん ¦ 15:21, Wednesday, Feb 18, 2009 ×
名前: ひ ¦ 16:33, Wednesday, Feb 18, 2009 ×
怪異はありませんね。 ご存知かもしれませんが、蝉の幼虫は安全なところで脱皮します。同じ様なところで何匹も脱皮している様子はよく見かけます。ご覧になった事はありませんか? また、神様というものが本当に存在するとすれば、神様にとってはシロナガスクジラも人間もゴキブリもみな、同じくひとしい“生命”なのでしょうから、虫の事を“五分の魂”などというのは人間のおごりでしかないのでは、と個人的には思います。 宗教によっては“人間以外の生き物には魂が無い”としている宗教もあるみたいですが。
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名前: ひぐらし ¦ 18:11, Wednesday, Feb 18, 2009 ×
まあ、蝉にも意志はありますし…。 どこにいようと蝉の勝手と言いますか…。 文章は良しとしても、特に怪異を感じなかったので、この点数でお願いします。
文章:0 怪異:-2
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名前: PM ¦ 18:43, Wednesday, Feb 18, 2009 ×
さすがに偶然じゃないかと思います。 蝉を見て、瓜二つと言われてもなぁ。同じ場所同じ角度といわれても、寸分違わないと言い切れないのではないかぁ?? 採点を控えます。
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名前: くすだまん ¦ 18:59, Wednesday, Feb 18, 2009 ×
文章 1 怪異 0 怖さ 0 衝撃 0
文章は読みやすい。 が、そこまで深く考えることもないと思いますよ。 ちょっと新聞でつついたくらいでは怒ったりはしないよ… |
名前: くりちゃん ¦ 21:53, Wednesday, Feb 18, 2009 ×
私は油蝉を見分ける能力が無いのでなんとも・・・ とまり方も蝉なりに居心地の良いポイントがあるんじゃないかと思います。 文章は読みやすかったのですが、蝉に怪異を感じませんでした。
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名前: ゑな ¦ 23:13, Wednesday, Feb 18, 2009 ×
怪奇1 文章0 うんうんと考えましたが瓜二つの蝉?まあ偶然ともとれるかもしれませんが、体験者の方が怪異と思えばそうなんでしょう。 どのようなものでも命は凄く重たいものです。幼いころは蝉でも何でも捕まえて殺しちゃったりもしていましたが…。やはり悪い事をしたなと反省もしております。 蝉もきっと何か訴えたかったのかもしれませんね。 時に石ころも如来となると言いますから。教訓話として昇華したらさらに凄いお話であったかもしれません。
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名前: じゅりんだ ¦ 00:54, Thursday, Feb 19, 2009 ×
蝉に詳しいおバカパパドルさんにしか、 受けないと思う…(^^;) 蝉は、みんな同じようなものですよ…?
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名前: ほおづき ¦ 07:20, Thursday, Feb 19, 2009 ×
本当に「やめろよ」とか言ったら文句なしに満点でしたが。文章が良いので、夏の日常を描いたエッセイとしては上出来です。 文章・1 構成・0 ネタ・−1 恐怖・0 |
名前: 暗沌子 ¦ 16:35, Thursday, Feb 19, 2009 ×
文章的には読みやすいのですが、 怪異と呼べるのかどうかが・・・ |
名前: SPダイスケ ¦ 22:51, Thursday, Feb 19, 2009 ×
申し訳ないのですがどこが怖いのかも、怪異がどこかもわかりませんでした。 体験者の方の気持ちもわからないわけではないのですが・・・・ ごめんなさい。
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名前: 黒蜜椿 ¦ 19:30, Friday, Feb 20, 2009 ×
壁ポストの形状と取り付けの状態が理解できず、蝉のとまっていた「下部の庇と壁の隙間」が想像できませんでした。ごめんなさいorz
それはさておき。 樹液も吸えない場所に二週間も居続けるのは確かに不自然な気もしますが、昆虫の生命力が人間の想像を越えることは珍しくないですし、不調であれば人間と同じように安全な場所でおとなしくしているものです。
瓜二つの油蝉というのもちょっと…。 一日空けたらもう見分けがつかないような。
道端でひっくり返っていたのに、脇を通った途端に暴れだす蝉爆弾の方が怖い^^; 怪異と思える部分がありませんでした。 -1 |
名前: 眠 ¦ 02:09, Monday, Mar 02, 2009 ×
名前: ジャック ¦ 01:50, Tuesday, Mar 03, 2009 ×
名前: ときの ¦ 18:25, Tuesday, Mar 17, 2009 ×
| 新聞配達の笠井君が、残暑の厳しい9月に起こりそうな出来事であるから。しかし死んだ人が虫をつかって知らせにくるような話ともとれるから。 |
名前: ジャック ¦ 00:43, Thursday, Mar 19, 2009 ×
なんとコメントしてよいやら…。 怪談ではなさそうです。 自然界の不思議話? 確かになぜその場所が好きなのか不思議ですけど。 ごめんなさい、点数付けられません。 |
名前: 桜子 ¦ 17:55, Tuesday, Mar 24, 2009 ×
嫌いな話ではないですが、怪異としては弱かったです。 蝉の霊が出れば面白かったですが。 |
名前: へみ ¦ 01:10, Tuesday, Mar 31, 2009 ×
| 人の霊よりも、虫や動物の魂の方が切なく感じます。 この家に蝉が死んでも執着する理由が判れば良かったかもしれませんね。 |
名前: わんぴー ¦ 14:49, Tuesday, Apr 21, 2009 ×
名前: 悪夢狂乱丸 ¦ 15:55, Wednesday, Apr 22, 2009 ×
長生きの蝉? でも触る前に蝉が気付いて鳴く可能性ってとても低いんじゃないかと思ったのと、文章がとても丁寧だったことと、個人的に好きなお話だったので。 |
名前: 緋咲 ¦ 03:36, Sunday, Apr 26, 2009 ×
文章・・・1 希少度・・・0
これはまた微妙な。 油蝉ですか。 「瓜二つの油蝉」って油蝉は全部瓜二つだと思います。 あ、そういう揚げ足取りはダメですね。 でも私はこの作品、なんだか好きですね。 体験者と同じように少し気味が悪いと感じました。 虫って何考えてるのか解らないし、やっぱり気持ち悪いですよ。 この体験が怪異かどうかの判断は難しいのですが、怪異ではないとも私には言い切れません。 日常で起こったちょっと気味の悪い出来事ということで、これも怪談ではないかと思います。 |
名前: 鹿太郎 ¦ 18:54, Monday, Apr 27, 2009 ×
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