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今は結婚し、一児の母になった敬子さんが中学校に通っていた時の話だという。 ちょうど学年が1年から2年に上がる春に、父親が再婚することになった。 「母は幼い頃に亡くなっていたこともあり、その再婚に関して私は大賛成でした。ただ実際に生活を始めてみると、自分で思っていたよりも戸惑うことも多かったように思います」 敬子さんは家庭のことで精一杯で、クラス替えによる新しい人間関係を築くタイミングを逃してしまったという。
1学年が8クラスもあり、仲の良い友人のクラスは離れていた。 そのため敬子さんは1学期が終わる頃になってもいつも一人だったという。 「運の悪いことに私のクラスに一人、由美という口も性格も悪い子がいて、その子の標的にされていました」 由美にはいじめというまでの酷い事はされていなかったが、敬子さんの身に覚えのないうわさを流されたり、ちょっとした嫌味を毎日のように言われていた。
そんなある日の昼休み中のこと。 たまたま敬子さんが結っていた、2本の長い髪の三つ編みのうちの片方が、近くにいた由美の胸に付けていた校章に引っ掛かってしまった。 「ごめんなさい」 焦った敬子さんが急いで外そうとした時だった。 ブチブチッという嫌な音がした。 由美が敬子さんの三つ編みをぐっと掴むと、容赦なく一気に校章から引き離した。 「嫌だ、きもっ」 そういいながら、汚いものを触った後のように手を振って見せた。 敬子さんの三つ編みは崩れ、切れた髪が何本も飛び出ていた。 その瞬間、敬子さんは(もう無理だ。帰ろう)と思ったという。
足早に教室を出ると昇降口に向かった。 「しかしこのまま家に帰ろうにも、家には継母がいて心配をかける。だからといって制服で夕方まで外をうろついていたら、こんな田舎では目立ってしまう」 それでも教室に戻る気にはなれなかった敬子さんは、ゆっくりと階段を昇り始めた。 最上階まで着いたが、屋上の扉には鍵がかかっており、外に出ることはできなかった。 仕方なく敬子さんは、階段の踊り場に置かれたダンボールに隠れるようにして、膝を抱えて座りこんだ。
時計がないため時間の経過がわからないが、気がつくと周囲が暗くなって来ているのがわかった。 敬子さんはもう放課後になったのかもしれないと思い、静かに階段を降り始めた。 「随分静かだなぁって感じました。放課後だったら部活の声が聞こえるはずなのに、物音がまったく聞こえてこないことに胸騒ぎがするっていうんですか・・・とにかく不安を覚えました」 敬子さんの足は自然と早くなった。 階段が終わって廊下に入ろうとした時だった。 「目の前を黒くて、刃物のようなものがヒュンッて凄い勢いで降りてきたんです」 単純に切られると思った敬子さんはとっさ避けようとした。 「とっさの事で避けきれず、左肩から大きなギロチンの刃でスパッと切られたような感覚がしました」 制服に切られた形跡はなく、痛みもなかったが次の瞬間、 『ヒィィィィィィィィィィィ』 という甲高い女の悲鳴のような声があたりに響いたという。 敬子さんはその場から逃げようとした。
その時だった。 「大丈夫?」 突然後ろから声を掛けられた。 敬子さんが驚いて振り向くと、心配して探しに来てくれた同じクラスの女の子が立っていた。 そこで敬子さんは初めて涙が溢れてきたという。 「私は半日近く屋上に続く階段のところにいた感覚でしたが、実際には15分ほどしか経ってなかったようです」 その子は由美のやったことを見て酷いと感じ、心配して敬子さんを探しに来てくれたのだ。そのことがあってから時間はかかったが、敬子さんは徐々にクラスの中でうまくやっていけるようになった。
するとそれと入れ替わるように今度は、敬子さんと継母との関係が噛み合わなくなっていったという。 「継母は私のことが本当は嫌いだったようです。私が楽しそうに学校から戻るようになると、逆に継母は口数が減って笑顔が見られなくなり、やけに怒りっぽくなっていきました」 継母は敬子さんに面と向かって「邪魔なんだよ」などという酷い言葉を平気で言ってきたりした。 時には動物のような奇声を上げることもあった。 「そこであの時学校で聞いた女の悲鳴が、継母の声と似ていると気付きました」 そうこうしているうちに継母は敬子さんの父親との関係もうまくいかなくなり、程なくして二人は別れてしまった。 敬子さんは継母が出て行くと、内心ホッとしたという。
それから暫くしての事。 制服をクリーニングに出すために、敬子さん左胸のポケットにしまってあった生徒手帳を出してみた時だった。 中身の何ページかが刃物で切られたようになっていた。 「切られたページには亡くなった実母の名前と継母の名前が横に並んで手書きで書かれていました。随分前に私がボールペンで実母の名前を書いた後、それと並べて継母の名前を軽い気持ちで書いたものです」 二つの同じように書いた名前のうち、継母の部分のみがなぜか黒く塗りつぶされ、名前と苗字の間の部分が半分に切ってあった。 (なにか意味があるのかもしれない) そう感じた敬子さんは、その生徒手帳を大人になった今も大切に保管している。
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■講評
亡くなられたお母様がなにかされたのでしょうか。 名前と苗字の間が半分になっているところに「別れる」ようなことの意味を感じます。 継母の様子も気になります。敬子さんをよく思っていないのを実母が守ったのでしょうか。 この場合祟りとか呪いではないと思いますが、亡くなった方の意思のようなものを感じます。 |
名前: 黒蜜椿 ¦ 06:33, Monday, Mar 23, 2009 ×
文章 1 怪異 0 怖さ 0 衝撃 0
刃物ヒュンッと『ヒィィィィィィィィィィィ』、継母との不仲、生徒手帳の件等々関係ありそうで、さしたる根拠がない、薄い。 一つ一つを取れば気味の悪い出来事だが、上記の理由で今ひとつ入り込めない。 文章は読みやすかった。 |
名前: くりちゃん ¦ 08:10, Monday, Mar 23, 2009 ×
ううーん…。 全体的に物事の関連性が微妙で、無理にこじつけたような…。 なんだか体験者が話された事をそのまま書いた、という印象です。 いろんな人が登場しては消えていってで、話としてもちょっと落ち着きがないようにも思えました。 特に、前半の由美さんは怪異に絡んでないので、ここはもっと簡潔にしても良いかと思います。
文章:-1 怪異:1
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名前: PM ¦ 18:47, Monday, Mar 23, 2009 ×
話が長いわりには怪異が微妙ですね。 刃物で切られた様な感じや悲鳴は体験者の気のせい、とされても仕方ない程度の事象だと思います。 生徒手帳の “継母の部分のみがなぜか黒く塗りつぶされ、名前と苗字の間の部分が半分に切ってあった。” という部分も、体験者が知らなうちに誰かがやった事かも、と考えられるのでは?
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名前: ひぐらし ¦ 19:18, Monday, Mar 23, 2009 ×
ん? 生徒手帳に文字を書いた紙は、 切り取ったけど、挟まっていた? それとも切り取られてはいなかったが、 切り刻まれていた? と言う事でしょうか。 最後の最後、肝の部分が分かり難かった為、 話全体がバラけてしまった様に思います。 |
名前: ほおづき ¦ 20:36, Monday, Mar 23, 2009 ×
今は結婚し一児の母となった敬子さんの中学1年から2年に上がる春、丁度多感な時期父が再婚その折も折、自分はクラス変えで対人関係で悩み由美という子に噂を流されたり嫌味を言われたり、その時自分の三つ網が由美の校章に引っ掛かり、家に帰っても居場所がないから屋上に上って行く階段の所で目の前に刃物のようなものが通り過ぎ、左肩から大きなギロチンでスパっと切られた瞬間甲高い女の声、その主が継母だったのかもしれないと思った。 だからこそクラスの友人関係がよくなって、変わりに継母との関係が悪くなり父と別れてしまったのではないかと思ったから。
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名前: ジャック ¦ 22:45, Monday, Mar 23, 2009 ×
ギロチンに肩を切られ?てから事態が好転し始めたような気がするのですが、一体なんだったのでしょうね。 ギロチンが当たった部分は服でなく皮膚自体に赤くなる等の異常も無かったのか気になりました。 |
名前: ゑな ¦ 22:57, Monday, Mar 23, 2009 ×
料理次第で如何様にも化けた話と思われる。不必要な情報は、読者に苦行を強いるだけである。怪異に対するスタンスも『結局は人が一番怖い』から脱してはおらず、いささか飽きてしまった。 文章・−1 構成・−1 ネタ・0 恐怖・0 |
名前: 暗沌子 ¦ 14:34, Wednesday, Apr 01, 2009 ×
名前: 悪夢狂乱丸 ¦ 22:11, Thursday, Apr 09, 2009 ×
怪奇1 文章0 タイトルのインパクトに対して話は結構ソフトでしたね。 敬子さんの継母に対する無意識の憎悪の念があったかもしれませんね。 切られた感覚のものって一体なんだったのでしょうか?不思議な現象で、そのころの敬子さんの心情との関係は謎ですね。 |
名前: じゅりんだ ¦ 03:45, Friday, Apr 10, 2009 ×
隠れていた時に、異界へ飛ばされていたのでしょうか。 その「ギロチン」と亡きお母さんを関係づけるにはあまりにも禍々し過ぎて、少々疑問にも思えますが。
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名前: ひ ¦ 13:21, Wednesday, Apr 22, 2009 ×
全てに何か意味があるのでしょうが、私の読解力が無いためかわかりませんでした…。 読み返してみると、タイトルが一番禍々しくて怖いです。 |
名前: 緋咲 ¦ 07:50, Tuesday, Apr 28, 2009 ×
名前: SPダイスケ ¦ 14:09, Wednesday, Apr 29, 2009 ×
階段を降りているときに遭遇した怪異は良かったと思うのですが、作品全体を通して見ると必要のない描写が多いようにも思え、読んでいて面白いとは思えませんでした。 人間関係と怪異の繋がりも微妙に思え、必要のない描写は削って短くまとめてあればいいものになったかもしれないと思いました。 |
名前: へみ ¦ 16:47, Wednesday, Apr 29, 2009 ×
文章・・・1 希少度・・・0
中学生という多感な時期に親の再婚とイジメのが重なると、心に相当な負担がかかるでしょうね。 それを考えるとギロチンの怪異というのも不安定な心が見せた幻影ということも考えられます。 とはいえ、なんだか重苦しい雰囲気は出ていますし、それなりに読めるものになっていました。 |
名前: 鹿太郎 ¦ 21:07, Thursday, Apr 30, 2009 ×
継母との関係だが、そもそも父親は自分の娘との相性と言うか相手が子供を大事にしてくれそうかどうか見抜けなかったのか、という方に気が散ってしまった。 父親が違うのと母親が違うのとでは子供に取って雲泥の差なのに。 学校で聞いた悲鳴は継母の物かもしれないが、生徒手帳に名前を書いた事で亡くなったお母さんが守ってくれてたんじゃないかな、という気がしないでもない。
【文章技術評価】 0 【体験談希少度評価】+1 【話の構成】 0 【怖さ】 0
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名前: ミミちゃん ¦ 23:42, Thursday, Apr 30, 2009 ×
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