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マンションの隣人
僕が、医師になって1年目が終わった頃の話である。
僕が研修医だった頃は、まだ、現在のような医師の研修制度はなかった。
現在の医師研修制度では、医師は、医師免許を受け取った後、2年間かけて、いくつかの診療科の研修を受けることが義務になっている。この制度、いくつかの診療科を回るのでローテーション研修といわれている。
僕が研修を受けた頃は、まだ、そういう義務化はされていなかった。
それでも、大学での講義しか受けていない身では、まだ何もできないから、たいていは、みんな、自分の出身大学の付属病院で2年程度の研修を受けていた。義務ではないし、研修内容が法律で決まっているわけでもなかったから、それぞれの大学のそれぞれの診療科で研修内容はさまざまであった。
当時からローテーション研修をしているところも多少はあったが、主流だったのは自分が将来専門にしたい分野だけを研修する方法だった。つまり、内科なら内科だけ、小児科なら小児科だけを2年間研修するわけである。こういうのをストレート研修なんていっていた。
僕が研修した診療科では、研修のカリキュラムは、大学を卒業して最初の1年は大学病院で、先輩医師の見習いの医師として働き、次の1年は、同じ大学出身の医師がいる一般病院で見習いとして働く方法をとっていた。

大学での研修期間中は、かなりのハードワークである。ほぼ例外なく、休日も出勤しなくてはならなかったし、また、病院に泊まり込みになって、ほとんど自宅に帰れなくなることもめずらしくなかった。

さて、僕の同期の研修医は、数人いたのだが、3月近くなると、そろそろ、1年目の大学病院での研修が終わりである。その時期になると、大学の医局が次の研修先病院、つまり、大学の先輩の勤務している病院にそれぞれの研修医う割り振ることになる。そして、研修先の決まった研修医から順に、それぞれの研修先になる病院に異動になる。
いまでは、多少改善されているようであるが、当時は、その医局では、次の研修先が決まるのは、大抵、異動日の1週間くらい前であった。
ときには、異動日前日になって、はじめて、研修先の病院が教えられることもあった。
つまり、
「明日から、静岡に行ってくれ。」
とか、
「明日から、栃木に行ってくれ。」
とかいう風に、他県の病院への異動でも、いきなり命令されるのである。
大抵は、次の研修先での住まいは研修先の病院が用意してくれているので、マンション探しは必要ない。でも、これでは、まともな引越しなんてできない。
とりあえず、身一つで新幹線に乗って、東京の自分の部屋の荷物は、後日に休日を使って取りに来るってことになる。

で、そんな異動の日が迫ってきたある日、僕自身の異動より早く、僕の同期の女医さんが、東京に隣接する某県の病院に異動することが決まった。
異動日は3日後ということで、例によって荷物をすべて持っていく訳にはいかない。
だが、彼女は、できるだけ荷物を持っていきたいということで、同期の研修医仲間で、引越しの手伝いをすることになった。そして、同期の研修医全員で、その女医さんの部屋に行くことになったのである。

その女医さんの部屋は、総武線の駅の近くで、駅から北に向かう、割と大きな通りに面したワンルームマンションにあった。マンションの南側は、マンション前の大通りから分かれた幅2メートルくらいの細い路地になっている。外から見ると、その路地に面した南側は、どの部屋もベランダになっているようで、日当たりもよさそうに見えた。家賃が安いわりに住みやすいところだそうである。彼女は、大学の専門課程に進んだときに引っ越してきたそうで、すでにそのマンションに5年住んでいるということである。
彼女の部屋は、そのマンション2階の大通り側の角部屋であった。

部屋に入ってみると、すこし、湿っぽい感じがした。そういえば、彼女も、2日ほど病院に泊り込みの仕事が続いていて自宅に帰っていなかったはずだったから、そのせいだろう。
部屋の奥、路地に面した側には、部屋とベランダとの間の大きな窓があった。しかし、その前には、カーテンが下りていて、大きな本棚とパソコンラックがふさがっていた。たぶん、専門書が多いので、本の置き場所に困ってのことだろう。ベランダは、まったく使っていないのだろう。でも、部屋の中は暗くはなかった。角部屋なので、部屋の大通りに面している壁に出窓があり、そこから光が入ってくるのだ。ベランダからは光は入ってこないが、十分に明るかったのだ。

さて、僕たちは、荷物を運び出し始めた。
彼女の荷物を運び出し、車に乗せていくと、それにつれて、部屋の中が、だんだん広くなってくる。
荷物の運び出しが始まって1時間弱くらいだっただろうか?
同期の一人が、本棚を運び出した後、カーテンを見て、言った。
「ベランダにも、何か荷物置いてるの?」
彼女が答える。
「別に何も置いてないよ。」

僕もカーテンに近づき、ベランダを覗き込んだ。
「うーん、でも、何か置いてあるよ。」
何か、青い大きなものがあるようですが、よく分からない。
なんだろう?
ベランダは、かなり長いこと使っていなかったようだから、それを置いたはずの彼女も、もう、何を置いたか忘れてしまったのだろう。
そう思った。

そして、同期の一人が、サッシを空けた。
青いものがベランダにあった。
僕は、そのベランダを見て、一瞬、何が置いてあるのか分からなかった。
それから、それが何か気づいて愕然とした。

それは、ブルーシートだった。

それも、明らかに、人が住んだ形跡があるものだった。
よく、公園とかで、ホームレスが住んでいるアレである。

ベランダのコンクリートの上には、ダンボールが敷いてあって、その上に、ブルーの雨よけのシートがかぶせてあった。その中には、食べた後のアルミニウムの皿と漫画雑誌があった。

彼女が使っていなかったベランダには、彼女が会ったこともない誰かが住み着いていたのである。
ベランダのすぐ前には細い路地からニョキニョキと電信柱が立っていて、少し工夫すれば、外の路地から彼女のベランダに入ることができるようだった。

ベランダの青いものは、彼女が置き忘れた何かなどではなかった。
それは、彼女の知らない誰かの住処だった。
見知らぬ隣人は、部屋の中にある彼女のベッドから、直線距離でわずか1メートルのところに住んでいたのである。

ホームレスが住み着いていたのだろうか?
だとしたら、たぶん、ベランダは、雨風がしのぎやすい、いい住居だったのだろう。

変質者だったのだろうか?
だとしたら、彼女は、好奇の目で見られていたのだろう。

その、ブルーシートが誰かの住んでいた後だったのだと気づいた彼女は、あまりのことに呆然とし、それから泣き出してしまった。

その後、彼女は、研修先の病院のある町に引っ越していった。
一年後、東京に帰ってきた彼女は、そのワンルームマンションのことを思い出して、僕たちに話した。

彼女の大学時代の友人に、霊感が強い女の子がいたそうである。
その子は、彼女の部屋に来ると、いつも、
何か変なものが近くにいる。
何かが、自分たちを見ている気配がする。
そういって、おびえていたそうである。

医学生だった彼女は、特別に幽霊だのお化けだのなんて信じていませんでしたので、気にもしていなかったそうである。
でも、あのとき、彼女の友人が感じていたものは、幽霊なんかじゃなかったのかもしれない。
きっと、彼女のすぐ隣にいた、見知らぬ隣人の気配だっただろう。
現在、彼女は、そのように考えているようである。

僕は、この事件の後、なんとなくベランダとかクローゼットとかを覗き込む癖がついてしまった。
今でも、そういう、目に付かないところに、誰かがいるような気がしてしまうのである。



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■講評

確かにベランダに勝手に住まれていたら怖いと思うのですが・・・
幽霊じゃない可能性の方が高いかもしれないですね。
研修医の説明などは丁寧なのですが、ここまで必要なのかと感じました。
なによりここまで引っ張っておいて、「幽霊なんかじゃなかったのかもしれない。」と筆者も判断しているようなので。
ごめんなさい。

名前: 黒蜜椿 ¦ 06:41, Monday, Mar 23, 2009 ×


文章 0
怪異 0
怖さ 1
衝撃 0

関係ない枝葉が多すぎる。
何だか医師らしくない口調だなあ。理系の人って理路整然と話さない?
霊感云々の事は、その手の人は死んだ人の存在を感じるくらいだから、生きている人の存在(思念?)だって感じられるのではないだろうか。
でも…いくら忙しくても自分の家のベランダも見ない人っている?


名前: くりちゃん ¦ 08:20, Monday, Mar 23, 2009 ×


んー、これも怪異ではありませんね。
もうここについては私からは突っ込まないことにします。

文章の方ですが、余計な部分の描写が濃く、この話で肝となるブルーシートの描写が非常に希薄です。
なんだか自分の置かれている立場の話をしたかっただけのように思えました。

具体的に言うならば、前半、引越しの手伝いに至るまでの部分は完全に不要です。
この話における前置きは「同期の引越しを手伝いに行った」というような内容を1,2文に纏めるだけで十分です。
また、文末も「〜た。」「〜だろう。」「〜のだ。」が連続しており、読み物としてのテンポが非常に悪く感じます。
「部屋が湿っぽい」や「霊感のある女の子」という部分も、随分と思わせぶりですね。

もっと怪異の肝という部分を意識して文章構成を心がけるようにしてみてはいかがでしょうか。

名前: PM ¦ 18:57, Monday, Mar 23, 2009 ×


部屋が何部屋もある様な住宅ならともかく、ワンルームマンション住人の女性がブルーシートに気づかないのはあまりに不自然。
“幽霊なんかじゃなかったのかもしれない”
と思うのなら、どうして投稿したのですか?
超−1の規定をよくお読みになってから投稿する事をおすすめします。



名前: ひぐらし ¦ 19:10, Monday, Mar 23, 2009 ×


医師と言う肩書きのわりに、文章の稚拙さ、
語尾すら統一出来ていない事、
何より、
これは怪談じゃない。
大きな疑問点というか、
女としての危機感を疑うが、
いくら窓を塞いだベランダだとしても、
そこに誰かがビニールシートまで設置して住み込んでいるのに、
気づかないなんて、どんな?

名前: ほおづき ¦ 20:42, Monday, Mar 23, 2009 ×


少し前置きが長すぎるが、結局仕事がハードで帰れないためその間、その人のベランダにホームレスが路路から電信柱をつたって住み着いただけのことを怖い話と言っているだけのことだから。

名前: ジャック ¦ 22:58, Monday, Mar 23, 2009 ×


きつい事書きます。

空き巣に入られたのを1ヶ月後に気付いた人が私の身近にいますが、話を聞くと仕方ないと納得するような忙しい生活だったので、研修医なら同じような状況だったのではないかと思います。
ベランダの件は住人が女性だし、その方がショックを受けたのはよく分かりますが
文章を読む限り、投稿者の方はどういう意図で「怪談」として投稿したのか理解できません。

身の上話や主義主張をしたいだけなら、ご自分のブログでどうぞ。

名前: ゑな ¦ 23:21, Monday, Mar 23, 2009 ×


−4までしかないのが残念…って何回言わせりゃ気が済むのだろうか。 簡単に書くと、『友達の引越しを手伝いに行った。ベランダに見慣れない物がある。ブルーシートだ。捲ると、そこには人が住んでいた痕跡があった。ああ驚いた』以上。
なんだこりゃ。怪異の欠片も無いではないか。
これを読むのに費やした二分を返して欲しい。
全部−1。いちいち書くのも面倒だ。

名前: 暗沌子 ¦ 14:46, Wednesday, Apr 01, 2009 ×


もういい。

名前: ときの ¦ 16:16, Monday, Apr 06, 2009 ×


ひどいですね。
怪談じゃない。
前半は不必要。
以上。

名前: 悪夢狂乱丸 ¦ 22:28, Thursday, Apr 09, 2009 ×


怪奇1 文章0
リアル東京伝説のような…。
現実に見知らぬ誰かが自分の家のベランダに住み着かれていたら恐ろしいなんてものではないでしょうね。実際に屋根裏部屋に住みつかれていたという事件もあったわけですし。
いくら忙しくてもベランダに他人が住んでいたという事実にまったく気付かなかったのは少し不自然さを感じましたが、激務でそこまで神経がまわらまかったのかもしれませんしね。
最初の研修医の説明は長く感じましたが実情がわかってそれなりに面白かったです。
ただ、最後のブルーシートに行き着くまでが長かったようにも感じたのでもっと削ったほうがよかったでしょうね。

名前: じゅりんだ ¦ 03:54, Friday, Apr 10, 2009 ×


なんですかこれは。留守がちの部屋のベランダにホームレス氏が住みついたというだけですか。話者の素性、労働環境などぜんぜん必要のない話です。四分の三はいらないかと。また「ゲーム脳」同様、怪異がないです。

名前: ひ ¦ 13:22, Wednesday, Apr 22, 2009 ×


とても丁寧で、文章に崩れ等はありません。
でも本題に入るまでの研修についてなどの長い説明はいらないのではないでしょうか。
そういう話に興味を持つ人も私のようにいるとは思うし、内容も個人的には面白いものであっても、多分ここを読みにくる人たちは心霊怪談を期待している筈です。
どのような意図があってここに投稿されたのか興味があります。

名前: 緋咲 ¦ 16:14, Tuesday, Apr 28, 2009 ×


前半の文章は全く要らないと思いますし、まず怪異が見当たらない

名前: SPダイスケ ¦ 14:16, Wednesday, Apr 29, 2009 ×


文章、ネタともに評価するのは難しいです。
ネタ自体は一見面白く感じるのですが、実際自分のベランダに人が住んでいて気付かないなどということがありえるでしょうか。
住む方もあまりにリスクが大きく、簡単には信じられません。
それを読者に納得させるにはそれだけの文章力が必要であり、この書き方では評価としては厳しいものになってしまいます。

名前: へみ ¦ 17:06, Wednesday, Apr 29, 2009 ×


文章・・・-2
希少度・・・-2

怖いと思えますし、話としては楽しめました。
しかし怪談コンテストの場にこの話は似つかわしくありません。
このコンテストで言う怪談とはどういうものなのかをまずは研究してみて下さい。

名前: 鹿太郎 ¦ 21:20, Thursday, Apr 30, 2009 ×


 へ? 自分の住んでるベランダに人が住んでたのに分からなかったの。
 というか、今時の子はベランダに洗濯物とかお布団とか干さないのかね。
 というより、これは怪談か?

 【文章技術評価】 0
 【体験談希少度評価】0 
 【話の構成】 0
 【怖さ】 0

名前: ミミちゃん ¦ 23:46, Thursday, Apr 30, 2009 ×


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