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『それ』が姿を見せるのは、決まってしとしとと雨が辺りを湿らす、どんよりとした空模様のときだった。 はんなりしずしずと、『優雅』という言葉が似合うほど、ゆっくりと静かに姿を現す。
『それ』を初めて見たのは、もうずいぶんと前の、たしか小学校にあがる頃。 親戚の結婚式が行われた式場だった。 幼い子どもたちは飽きてしまい、ロビーと式場をつなぐ階段で、子どもたち同士遊んでいた。
壁一面のガラスが、何かに遮られた感じがして、わたしは窓の方へと目をやった。 そこに『それ』は厳かに佇んでいた。 畳一帖分ほどの大きな顔をしたお坊さんだった。 身体は普通サイズなのに、顔だけが恐ろしく大きかった。
大きな顔のお坊さんが、ゆっくりと窓の外を移動する光景が、ただただ不思議で目が離せなかった。 お坊さんの姿が見えなくなったとき、初めて変なものを目撃したと気づき、泣き出したのを鮮明に覚えている。
その日をきっかけに、お坊さんは度々わたしの前に姿を現した。 授業参観、卒業式、友人の引っ越し祝いなどの節目はもちろん、何もない普通の雨の日曜日など、ときも場所も選ばなかった。
しかし、姿を現したからといって、そのとき結婚した夫婦が離婚したとか事故死したとか、引っ越し先で良くないことがあったとか、後日談というものがなにもない。 まして危害を加えるどころか、わたしに全く目をくれることもなく、ただ優雅に窓の外を通り過ぎ、そして消えるだけ。
友人の家で昼間から飲んでいた雨の日曜日を最後に、『それ』はいっさい姿を現すことはなくなった。 あれからもう15年も経つ。 あの巨顏のお坊さんは何だったのか、いまだに全てが謎のままだ。
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■講評
ときも場所も選ばない、と書かれている割に、雨の日曜日が強調されているのは何か理由があるのでしょうか? また、昼間から飲んでいた事も、見なくなった事に関係あるのでしょうか? 所々で思わせぶりな表現が気になります。 文章はまとまっていて、雰囲気もちゃんと出ているのですが、このお坊さんの描写が少なく、全体的に漠然としていて状況をイメージし難かったように思います。
文章:0 怪異:0
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名前: PM ¦ 19:28, Tuesday, Mar 31, 2009 ×
面白い話だとは思うのですが… “巨顏のお坊さん” がどういった存在なのか、文面からはよくわかりませんでした。
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名前: ひぐらし ¦ 20:15, Tuesday, Mar 31, 2009 ×
| 私にも、巨顔の御坊さんが一体何なのか皆目見当がつかないし、どうして決まってしとしとと雨が濡らすどんよりとした空模様なのか?友人の家で酒を飲んでいた雨の日曜日を境にして姿を現さなかったわからないのであるから。 |
名前: ジャック ¦ 22:13, Tuesday, Mar 31, 2009 ×
静かに静かに進んでいく書き方がとても丁寧で、投げっぱなしになりそうな怪異が 雰囲気のあるお話に落ち着いた気がします。 しかし一体なんだったんでしょうね? |
名前: ゑな ¦ 00:41, Wednesday, Apr 01, 2009 ×
文章 1 怪異 0 怖さ 0 衝撃 0
静かな怪談でした。 お坊さんの姿が今ひとつイメージできません。体の大きさは普通なのに、顔だけ畳一帖というのがわからない。
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名前: くりちゃん ¦ 08:03, Wednesday, Apr 01, 2009 ×
坊さんが「はんなり」って…? オカマ…? オカマの大顔坊主?? 最初のこの表現で笑ってしまって、 怖くなかったです…ごめんなさい…(^^;)
文章1 |
名前: ほおづき ¦ 15:06, Wednesday, Apr 01, 2009 ×
静かな怪異である。ぬらりひょんが頭に浮かんだ。身の毛がよだつ怪異ばかりでなく、こういった日常に忍び込む怪異もたまには良い。 文章・0 構成・0 ネタ・1 恐怖・0 |
名前: 暗沌子 ¦ 09:36, Sunday, Apr 05, 2009 ×
怪奇1 文章0 不幸の前触れと言うか知らせる化身みたいなものでしょうか? 不思議ですね。 |
名前: じゅりんだ ¦ 23:52, Sunday, Apr 12, 2009 ×
文章、言葉の選び方がとっても綺麗です。 うっとりと引きつけられて読みました。 そこに登場する不思議なお坊様。 しかも畳一帖の頭?縦に長いのか横に長いのか書いてないのでどう想像すればよいのでしょうか。 なんとなくぬらりひょん系の妖怪を想像してしまいました。 脈絡もなく出でくるのは不思議ですね。 でも、雨の日限定なんですね。 映像にしてみたくなるような体験談です。 こういう意味の解らないものって大好きです。 |
名前: 桜子 ¦ 18:19, Tuesday, Apr 14, 2009 ×
そのお坊さんの姿を想像するとなんか笑えた。いい意味で。 雨の日を選んで出ているところが妖怪っぽい印象です。 全てが謎のままだが、もう終わった話のような感じがするので、そういう意味では解決しているのかもしれないと思った。 |
名前: 黒蜜椿 ¦ 06:47, Friday, Apr 17, 2009 ×
| 『優雅』という言葉が似合うけど、『それ』呼ばわりなんですね。巨顏だから?お気の毒なお坊さん。 |
名前: 悪夢狂乱丸 ¦ 16:28, Sunday, Apr 19, 2009 ×
妖怪、のようですね。 雨の中をそれがゆっくり通り過ぎるのを想像すると楽しいです。 ちなみに、その最後の日の筆者の年齢はおいくつだったのでしょうか。
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名前: ひ ¦ 17:53, Sunday, Apr 26, 2009 ×
文章・・・0 希少度・・・1
でか頭のお坊さんというと、なんとなくぬらりひょんを想像してしまいました。 どんな顔だったんでしょう? 表情や目鼻口の形なども描写してもらいたいところです。 |
名前: 鹿太郎 ¦ 01:06, Wednesday, Apr 29, 2009 ×
| 「それ」の描写をもう少し詳しく書いて欲しかったところです。 |
名前: SPダイスケ ¦ 15:20, Wednesday, Apr 29, 2009 ×
心理描写、状況表現がとても滑らかでスラスラと心に思い浮かべることが出来ました。 お坊さんの表情などについても書かれていたら良いかなと思いますが、柔らかい布でソッと心を拭いてもらったような不思議な読後感です。 |
名前: 緋咲 ¦ 03:35, Thursday, Apr 30, 2009 ×
すみません。 もう締め切られた後で配点が反映されないのは承知の上ですが、やはり私の中ではどうしてもこの作品は4点だ、とずっともやもやしたままになってしまったので、もう一度こちらに書き込ませていただきます。 言い訳のようになってしまいますが、時間に追われてあまり冷静でなかったこと、他の講評者の方の意見に大きく左右されてしまったことなども合わせ、恥ずかしながら当時は素直に4点がつけられませんでした。 ですがその自分の行動にどうしても納得がいかなかったため、このように気持ちを表したいと思いました。 勝手な事を致しまして誠に申し訳ございません。 |
名前: 緋咲 ¦ 15:59, Friday, May 15, 2009 ×
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