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淑子と二人でゆりえの家に遊びに行くことになったのは、入社後10年記念として開かれた同期会がきっかけでした。
就職してちょうど1年で寿退社し、現在二人の子供の子育て中のゆりえは、同性の私からみても女性らしい魅力とたくましくさにあふれ、幸せそうに見えました。 ところが話が現在の住居に及ぶと途端に眉間にしわを寄せ、暗い顔になりました。
「私んとこも去年マンション買ったのよ。うん、中古。築浅、駅近、高層階角部屋、セキュリティーもしっかりしてるのに価格は予算内。すごいでしょ? ずっと探してた条件をほとんど満たしてるもんだから一も二もなく飛びついたのよ。なんて運がいいんだろう、って。 でもね。色んな手続きが終わって家具新調したりも終わって落ち着いてきたら、なんか居心地悪いのよ。具体的にここ、って指摘できるわけじゃないし、旦那が心から喜んでるから水を差すのも気が引けるんだけど。」
きっとそのままだとただの自慢話になるから、わざとけちをつけるようなことを言っているんだろうと思った私は軽く聞き流そうとしたのですが、ゆりえのマンションのある場所が思いの外私の家の近所だったので、遊びに行ってもいい?と言いだした淑子と、来て来て、とすがるように言うゆりえとに挟まれる形で座っていた私は、参加しないわけにいかなかったのです。
そのマンションは私の家の路線の5つ隣の駅を最寄りとしており、駅から賑やかな商店街を抜けた閑静な住宅街の中にありました。 13階建のそのマンションは現代的な雰囲気の漂う瀟洒な建物で、グレーと黒のタイル壁は落ち着いた雰囲気を醸し出し、また、周りに高い建物がなくベランダが全て南側を向いているので日当たりは良いに違いなく、ゆりえの言うような気持ちの悪さは全く感じませんでした。 天井の高いエントランスは開放感があり、片隅に設置された芸術的な立体造形とあいまって住む人のある種の欲を満たす役に立っているだろうことは想像に難くありません。 私たちはオートロックでゆりえを呼び出し、自動ドアを開けてもらうと、建物の居住スペースに足を踏み入れました。 エントランスの華やかさとは大きく異なり、なんとなくひんやりと張り詰めた雰囲気が広がっていました。
エレベーターで11階まで昇り、ゆりえの部屋に向かおうとすると、 「なんでおれが死ななきゃなんねえんだよ!!」 後方から突然叫び声が聞こえ、私たちは驚いて立ち竦みました。 恐る恐る振り返ると、共用通路の端に、一人の男性がいるのが見えました。距離にして50メートルもあるでしょうか。 ぼさぼさの髪の毛、血走った目、上下色違いのスウェットはくたびれ、年齢もわかりません。 襲ってきたらどうしようとあせりましたが、彼はそのままぶつぶつとつぶやきながら、ときどき、このやろう!とかばかやろう!とか、 死んでたまるか!などとわめきながら、一番端の部屋の扉を開け、部屋に入っていきました。
これがゆりえの憂鬱の原因か、淑子とわたしは、これはきついわね、などとつぶやきながら、 ゆりえの家のインターホンを鳴らし、笑顔で迎え入れられました。
いまあったことを話し、昔話もあらかた話し終えたかと思われた頃、突然、ゆりえの2歳になったばかりの下の子のが、ゆりえの肩越しに壁の一点を見つめながら、 「ろてあ!」と声を上げました。
「まあ、ロッテリアが好きなの?」などと笑いながら私が話すと、 「たまにこうなるのよ。なんでかわかんないんだけど。」とゆりえの眉間がにわかに曇りだしました。
「ろてあ!」「ろてあ!」「ろてあ!」 やめなさい、というゆりえの声をよそに、ゆりえの子は叫び続けます。
「死ぬかよ!」遠くから、あの男性が怒鳴る声が聞こえます。
淑子もわたしもどうしたらいいのかわからず、あいまいな表情のまま見守っていると、 玄関のほうから、女性の悲鳴が聞こえました。
聞き間違いかと思いながら玄関に向かった私たちが見たものは、 玄関のまん前、通路の壁側につま先を向け、揃えて置かれた女性ものの靴でした。
恐ろしくて下を覗くことができず、私たちはゆりえの部屋に戻りました。
そのとき、私には見えたのです。 ゆりえの子が見つめるその先に、壁から半身を突き出した気持ちの悪い男がにやにやしているのを。
恐怖に包まれ、くらくらしながら淑子の腕をつかみ、いやあ!と叫ぶと、その男は消えてしまいました。
ずっと「ろてあ」と叫んでいたゆりえの子供が気の抜けたようにぽかんとしています。
三人は震えていると、チャイムが鳴り、警察が、いまこの部屋の正面から、人が投身自殺をしたことが告げられました。
とりとめのない話ですが、私の恐ろしい経験です。 その後、ゆりえは、すぐにこの部屋を売りに出し、今は別のもう少し低層階の部屋に住んでいます。
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■講評
あー…。 なんか起こった事とりあえず全部書いた、って感じですね。 話としてまとまりきっていない感があります。 タイトルにもなった「ろてあ」が何だったのか解らないままほっとかれてますし…。 締め切りギリギリで時間なかったんだろうなぁ、というのはなんとなく解りました。
文章:-2 怪異:0
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名前: PM ¦ 20:04, Friday, Apr 03, 2009 ×
“玄関のまん前、通路の壁側につま先を向け、揃えて置かれた女性ものの靴でした。 恐ろしくて下を覗くことができず、私たちはゆりえの部屋に戻りました。 そのとき、私には見えたのです。 ゆりえの子が見つめるその先に、壁から半身を突き出した気持ちの悪い男がにやにやしているのを” この部分がよくわからない。 通路の向こうは外、なのでしょうか? また、男性はどこの壁から半身を突き出していたのでしょうか? 叫んでいた男性とはまた別の男性でしょうか? “ろてあ” という言葉も最後までわからず、他もどういった事なのかよくわからないままで、つかみどころのない雑談を聞かされた気分です。
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名前: ひぐらし ¦ 22:16, Friday, Apr 03, 2009 ×
文章 −1 怪異 1 怖さ 0 衝撃 0
あれもこれも盛りだくさんすぎ。まさに「とりとめ」がないです。 壁から半身を出している気味の悪い男が主題だと思うのに、そこに来るまでに情報をあれこれ書きすぎて大元の怪異の印象が薄くなっている。 で、「ろてあ」って何を言おうとしていたのでしょうか。
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名前: くりちゃん ¦ 23:11, Friday, Apr 03, 2009 ×
投稿者さんの恐怖はよく伝わってきました。 締め切り直前で多分書き上げたと思うので、文章を推敲する時間が無かったのかなと勝手に解釈してます。 それにしても「ろてあ」って一体なんでしょうね? 全部分かってからもう一度書いて欲しいと思いました。 |
名前: ゑな ¦ 00:01, Saturday, Apr 04, 2009 ×
| これはゆりえさんという人が、いくら条件を満たしているからといって、ろくすっぽ調べもしないで中古のマンションを買ったから、遭遇した事件といっても過言ではないから。 |
名前: ジャック ¦ 01:57, Saturday, Apr 04, 2009 ×
男の様子をもっと書いて欲しかったような。 だって、怒鳴っていた男の描写はしているのに、 肝の部分に当たる男の描写が、 壁から上半身だけだして、ニヤニヤしていた、 だけでは…。 ギリギリ締め切りに 間に合わなかったのでしょうか? 「ろてあ」も謎ですが、 小さい子供がもっとも、そう言う影響を受けやすいと、 思うのですが、上のお子さんはどうなんでしょうね? 気になる話ですが、 未消化の感じは否めません。
文章1 |
名前: ほおづき ¦ 10:49, Saturday, Apr 04, 2009 ×
もう少し早くから取り掛かれば良かったのになぁ。締め切り間際に取材できたとしたら仕方ないけど。とにかくありったけの情報を詰め込んでしまった感が否めません。 肝心の『ろてあ』に関しても投げっぱなし。 これは欲求不満が残ります。シャイニングで『REDRUM』の謎がそのままだったら、皆、本を投げ出します。 文章・-1 構成・-1 ネタ・0 恐怖・0 |
名前: 暗沌子 ¦ 12:33, Sunday, Apr 05, 2009 ×
この作品で評価したいのは「起こった出来事が何であるか分からないが故の怖さ」かと思います。
わめきちらしていたヤバそうな男の正体も、ろてあも、起こった出来事の因果関係が全て明らかになっていないのですが、しかしそれらは、語り手の私やゆりえがいたすぐ近くで最後ショッキングな事件が起きてしまい、一気に今までの不可解な出来事が関連をもって収束する構成です。 揃えて置かれた女性ものの靴、壁から半身を突き出した気持ちの悪い男が、それぞれどこにあったことを示しているのかなど、部分部分で分かりにくい書き方も見受けられますが、粗いながらも気味悪さを感じさせる展開であると思いました。 ですが、この話は人から聞いて書いたのではなく、ご自身で体験されたのですから、やはりもっと詳しく当時の様子を描けたようにも感じ(ゆりえの子供が叫ぶときの表情や、壁から半身男の様子なども)、そこはとても残念でありました。 特に、淑子とわたしが憂鬱の原因を見て、それをゆりえにも話しているはずなのに、それについてのゆりえの反応が全く文中に出てこないのは、この作品に於いてかなりのヒント不足だと思います。
また、意図されたのかどうか分かりませんが、この作品の文章の語り方は2時間もののテレビ特番でよくあるタイプの体験談方式です。あのイメージで体験の映像があり、そこへこの作品の語り方のようなナレーションがかぶさると、実にそれらしくなります。 そのように読んでいくとこの作品が最後にヤバい結末になるであろう事は想像に難くなく、果たして結末もその通りとなるのですが、この語りの良い面としてはヤバい結末フラグを強く前面にちらつかせながら嫌な感じを醸し出すこと、あまり良くない面としては一種パターン化された体験談の語り方によって、やや陳腐な感じがしないでもないこと、その両面があると思います。
作品全体としては場面構成によって、怪談らしい嫌な感じを出せていると思います。 その一方では書き方でところどころにやや難があり、それが勿体なかったです。 |
名前: たかくらぶんた ¦ 17:13, Sunday, Apr 05, 2009 ×
本当に取り留めのない話。家を訪れるところは不必要な詳細な描写が続くわりにいざ、というところが断片的で端折られてしまっている。 さらに言えばここでの怪異は「半身出ている男」位で、それ以外はたまたま重なっただけ、としか感じられない。 しかもゆりえさんが同じマンション内で引っ越していると聞かされては、それ程たいした怪異でもなかったのでは、と一層拍子抜けしてしまう。 |
名前: ときの ¦ 17:44, Wednesday, Apr 08, 2009 ×
怪奇0 文章0 余分な説明が多かったようなのでもう少し文章を削られたほうがよいかと思います。結局、ろてあの意味がわからないのですべて謎のままですね。 |
名前: じゅりんだ ¦ 15:29, Friday, Apr 17, 2009 ×
投身自殺とは、貴重な(と言ってはいけませんが)恐ろしい体験をしましたね。ろてあは、怖いです。わからない物は怖いです。 文章:−1 体験:2 |
名前: もめん ¦ 04:48, Sunday, Apr 19, 2009 ×
ほんとにとりとめのないお話でした。 頭の中がうまく整理できません。 リアルタイム投身自殺と壁男とスエットの電波男と「ろてあ」。 う〜ん、盛り沢山ですごいんだかなんなんだか。 お書きになった体験者さんのおびえようは充分伝わってきました。 が、もう少し落ち着いて整理して書かれたら良かったと思います。 これ、マンションを訪れた一日に起こった出来事ですよね。 ものすごく稀な体験で濃い一日でしたね。 お疲れ様でした。 |
名前: 桜子 ¦ 17:42, Tuesday, Apr 21, 2009 ×
今大会を見送る勇気も必要かと。 来年までに推敲を重ね、初期に発表すれば化けたかも知れません。 |
名前: 悪夢狂乱丸 ¦ 18:26, Saturday, Apr 25, 2009 ×
文章・・・-1 希少度・・・0
怪異に至るまでの経過はこれでもかというくらいの文章量で書き綴られているにも関わらず、肝心の怪異は実にさらっと書かれております。 そのため怪異がまるで霞がかかったように見えてきません。 特にもったいないのが投身自殺の現場を見るところ。 人が落ちるところを直接目撃した訳ではないとは言え、ここは衝撃的なところです。 それが全く伝わってきません。 文章の配分を誤ったとしか思えませんでした。 文章力のある方だと思います。 もう一度推敲されてみてはいかがでしょう? |
名前: 鹿太郎 ¦ 23:43, Tuesday, Apr 28, 2009 ×
「ろてあ」の意味がわからないのは仕方がないと思います。 必ずしも原因がわかるとはかぎりませんから・・・ ただこの怪異と結びつくのかどうか、そのへんが気になりました。 子供ですからいろいろ言いますし。 現実的な気味悪さはありますが、怖い話としてはもう少しな感じがします。 全体的に投身自殺の件など衝撃的な内容ですが、一つ一つの出来事が上手く絡み合っていないように思います。
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名前: 黒蜜椿 ¦ 14:35, Wednesday, Apr 29, 2009 ×
壁から・・・男が覗いていたのですか、実体が無くすり抜けていたのですか? 恐ろしかったことは伝わってくるのですが、状況がうまく思い浮かばず、これが怪談なのかどうか判断が出来ませんでした。 全部関係あるようで、関係無いような? で、結局同じマンション内に引っ越したゆりえさんは凄いと思います。 |
名前: 緋咲 ¦ 08:14, Thursday, Apr 30, 2009 ×
内容的には盛りだくさんなのですが、的が絞りきれていない気がしました。
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名前: SPダイスケ ¦ 11:03, Thursday, Apr 30, 2009 ×
ああ、これも女性の手記のような宇能鴻一郎風味の文体だ… 怪異はどこからなのでしょうか。ちょっとわかりづらいですね。
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名前: ひ ¦ 23:02, Thursday, Apr 30, 2009 ×
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