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転がるもの
十六年程前、沙耶さんが高校を卒業してすぐの夏のこと。

沙耶さんは友人から親友の梨花さんが引っ越しをしたらしいと聞いた。
不思議な事に、引っ越してからずっと友人達の家を泊まり歩いているのだという。

「またか」

沙耶さんは思った。
高校時代から一人暮らしだった梨花さんには困った「癖」があった。
引っ越しをする時、「訳あり」の物件を選んでしまうのである。
誰にも相談をせずに住まいを決める際のその「引き当て」率はほぼ100%であり、沙耶さんに黙って引っ越しをすると必ずと言って良い程厄介な部屋に当たるのだ。

「だから、一人で部屋を見に行って勝手に決めないで、必ず誰かに相談するようにと、口を酸っぱくして言っていたんです」

腹を立ててはいたが、引っ越しを決めた時には既に呼ばれていたのかも知れない。
そう思うと酷く心配になり、沙耶さんは急いで梨花さんに連絡を取った。

「昼間じゃないと部屋には戻りたくない」

そう言う梨花さんに合わせ、待ち合わせを梨花さんの部屋があるマンションまでJRでひと駅の場所にして、日曜日の午前中に落ち合った。
そこで早めのランチを済ませ、部屋へ向かうために電車に乗り込む。
すると発車直後突然その電車がストップし、そのまま駅に足止めされてしまった。
車内放送によれば、病気の方がホームへ倒れ込んだのだという。
救急車を見送っても、一向に動く気配のない電車に業を煮やし、沙耶さん達は降りて歩いて行く事にした。
次の駅までは路線に沿って道があるのだ。

「たかがひと駅、数十分の距離なら迷う筈もないですから」

ところが、何故かいつまで経っても辿り着けない。
普通に行けば数十分の場所にどうしても行けないのである。
そうして散々歩いた後、何とかマンションの近くまで出たのは既に夕方近くなっていた。
途中、近くのスーパーで粗塩を買った。

「二人、押し黙ったまま歩いてたんですけど、道すがら、梨花が『ごめんね』と泣き出しました」

沙耶さんは祖母がくれた御守りを手で触って確認して、そうしてただ黙って梨花さんの手を握った。
幼い頃からそういう体質だったのか、人ならぬモノを見ては怯えて泣く沙耶さんに今は亡き父方の祖母が作ってくれた物である。

「中身は塩と小豆と白米で、どういった謂われがあるのかもわかりませんけど、不思議とこれを持っていると危ない目に遭う事がなかったんです」

漸くマンションに着いたのは夜七時頃だった。
小洒落た茶色い壁の五階建てマンションの三階、西角に梨花さんの部屋がある。

「一階のポストがある場所を見た時、ここはかなりヤバいと思いました」

おそらくは部屋と同じ並びになっているらしいポストの、投函口を仲介業者の『チラシ他お断り』のステッカーで塞がれている「空室」。

「それが見事なまでに、西角と思しき右端だけに貼られてたんです」

これを見てどうして梨花は気づかなかったのか。
やはり呼ばれたのか。
そう思いながら三階に上がると、幾つか並ぶ扉の中で梨花さんの部屋がある一角だけ、異様に汚れていた。
部屋の前のコンクリートの廊下の床にはべたべたと泥で無数の手形や足形が付けられ、大量の髪の毛が落ちて吹き溜まっている。
生臭いような、酸っぱいような匂いが鼻を突いた。
足の裏がちりちりと火に炙られたように痛む。

「梨花が鍵を開ける間、帰りたい気持ちを抑えるのが大変でした」

夏の七時といえばまだ十分明るい。
にも関わらず、開け放たれた扉の向こうは真っ黒に塗り潰したように暗く、そこには妙に重たい質量があるような、そんな気がした。

「アメーバとかゲル状の何かがゆっくりと動いているというか。ねっとりと、でも流動しながら空気を模して部屋を満たしている、という感じで…」

気休めとは思いつつ、沙耶さんは梨花さんに塩を一握り握らせた。

中は洋装の外観に全くそぐわない、畳敷きの和室の2DK。
玄関を入ってすぐ右手に四畳程のキッチンがあり、奥に六畳の和室が二間並んでいる。

「右奥の部屋の押し入れが…変なの」

そう言って沙耶さんを右奥の部屋へと押し出すようにして、梨花さん自身は玄関から一歩も動こうとしない。
玄関扉も開けっ放しだ。
塩の袋を握り直し、沙耶さんはキッチンを抜けた奥の襖を開けた。
その途端。

── ガガン!
── ドーン!

襖に何かが激しく当たる音がした。
一メートル五十センチはあっただろうか。
右側の押し入れの襖を突き破るように転がり出た黒い塊が、立ち竦む沙耶さんの前を横切って勢い良く左の壁にぶち当たった。

── プシャンッ

まるで水の入った風船が割れるような音を立てて潰れ、弾け飛び、消えた。
生臭い匂いと酸っぱい匂い、硫黄のような匂いが混ざって充満する。
胃液が上がってきた。

「うぃえぇっ」

口を押さえて俯き、沙耶さんは嘔吐いた。
それを嘲笑うかのように、目の前を黒い塊が横切っていく。

── ガガン!
── ドーン!

大きな音と共に転がったそれは再び壁に激突した。
潰れては千々に飛び散る。
畳縦に二枚分くらいの距離を、十秒程のスピードで何度も繰り返し黒い塊は転がった。
顔を上げると、塊の中にギラギラと光る目が見えた。

「見た、というには語弊があるかも知れません。結構なスピードで転がっていましたから、黒い塊にしか見えなかった筈なんです」

だが、沙耶さんの頭の中に浮かんだ状況は、猫・犬・ネズミのような生き物が押し固められた、文字通り『肉団子』という状態の物の中心に目がギラついていた、というもの。
黒く透け、様々な生き物の体の一部がぐちゃぐちゃに絡まって丸く固まっている。
目は人間。
瞼も、睫毛もなく瞬きもしなかったが、どういう訳かその目だけは人間だと確信があった。

「視線が合った時、笑ったんです。目だけなのに、そう見えた」

吐き気を堪えて、沙耶さんは袋から塩を掴むと左の壁に投げつけた。

── ドーォン…

壁にぶつかった塊は今度は弾けずにじんわりと消えた。
沙耶さんは改めて押し入れを開ける気にはなれず、その襖の前に盛塩をすると黙って梨花さんの腕を掴み、そのまま自分の家へ連れて帰った。

「翌朝出社する梨花を見送り、私はその足で彼女のマンションへ向かいました」

明るい日差しの中だというのに、部屋の中はモヤが掛かっているようだった。
意を決して押し入れを開ける。
中は空だった。
どうしてなのか、梨花さんは一つも荷物を押し入れには入れなかったようだ。

「怖かったのですが、日中は大丈夫、と自分に言い聞かせました」

戸板を二枚とも取り外し、中に盛塩をするために沙耶さんが押し入れを覗き込むと、上下二段に分かれた下の段の右奥の隅に横十センチ×幅五センチ×高さ五センチ程の小さな木製の箱があった。
見てはいけない、本能がそう言っている。
だが、手垢で黒光りした、上蓋をスライドしてはめ込む形のその箱が原因だと思わない方がおかしい。
暫く悩んだ末、沙耶さんは箱を開けた。
立ち上る生臭い匂いと古い紙の匂いにも似た香り。
一〜二ンチの小さな骨と、綺麗に丸めて紙縒で纏めた髪の毛が箱の底に張り付いていた。
硬く黒く乾いた、元は液体だったであろうモノが三〜四ミリの厚みで骨と髪を浸食している。

コレ、……血?

そう思うと沙耶さんは居ても立ってもいられなくなった。
急いで箱の中に塩を詰め込むと、早く閉めようと蓋を手に取り、何気にその裏側を見て全身の毛が逆立った。
そこには凝固した血液特有の赤黒さを持った文字が、幾重にも重なって読めない程書き殴ってあった。
「殺」「呪」という文字に混ざって「○田」と、人の名前らしき物が読み取れたが、その他は何が書いてあるのか全くわからなかった。

手が震えて上手く閉じられない蓋を何とか閉じ、その箱を持って建物から出ると、マンションの目の前にある川に投げ捨てた。
結構な距離を歩いた筈なのだが、箱を持って部屋を出て川に投げ捨てるまでの間の記憶が曖昧でよく覚えていないという。

「救急車! 誰か救急車呼んでやって! 」

気が付くと、犬の散歩で通り掛かったおじさんがそう叫んでいるのを、沙耶さんは四つん這いで見上げていた。
荒い息で目線を下に落とすと、地面についた手と手の間に自分で吐いたらしい血溜まりが見えた。
部屋にいたのは午前中だった筈が、何故か夕日が沈むような時刻にまで時間は過ぎており、生まれて初めて沙耶さんは救急車に乗った。
検査の結果、どこにも異常はなかった。

「私にはあの黒い塊が様々な生き物を適当にブチブチ千切って掻き混ぜて丸めた、『色んな物の集まり』に見えたのですが、梨花には違うものに見えていたようです」

病院から自宅に戻った沙耶さんが、梨花さんに聞いたところによると「二メートルくらいの大きな人がきっちり体育座りをするみたいに膝を抱えて前転していた」らしい。
引っ越し初日から、陽が落ちて薄暗くなる頃に現れて、明け方明るくなるまで一定リズムで転がるのだ、という。
それは隣の寝室に居ても、部屋が揺れるくらい大きな音だった、と。

「何故、梨花と私で見えた物が違ったかは不明ですが」

その後梨花さんは早々にマンションを引き払い、友人数人と共に見に行ったマンションへ引っ越した。
念のため、沙耶さんは梨花さんに祖母の御守りを渡した。

「でも、話はそこで終わらなかったんです」

御守りを渡したその日の夜、沙耶さんが仕事から帰って自室に入ると、入り口に二センチ×三センチで薄さ約五ミリの木の板が落ちていた。
使い込まれて角が丸くなり、手垢で黒っぽく汚れた木片はあの箱を彷彿とさせた。
恐る恐る拾い上げたそれには、直線だけで構成された幾何学模様が彫り込まれていた。

_____
\/\/\  
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「大体こんな感じの…実際はもう少し複雑でしたけど」

部屋の入り口で固まっている沙耶さんの背後から、ぬぅっと伸びてきた手が沙耶さんから木札を取り上げた。

「わあっ!」

驚いて振り向くと、自室で寝ていた筈の沙耶さんの父が気配もなく立っている。
父は取り上げた木札を親指と人差し指で挟み、ビールの王冠を二つ折りに曲げるように事も無げにパキンと割ってしまった。
そのまま何も言わず、自身の部屋へ戻り、横になると同時に有り得ない程大きな鼾をかき始めたのである。
それからも数回、同じように木札は落ちていたが、その度に父が割っては捨てた。

そうして迎えた翌年の元旦、寝ていた沙耶さんの父が突然叫んだ。

「ばあさんの御守り、作り直して持て! 」

沙耶さんはすぐに父を起こしてどういう事か訊いた。

「そしたら、本人はきょとんとして『そんな事は言ってない』と言うんです。どうやら木札を割った時も同じだったらしくて、その事自体をまるで覚えていませんでした」

すぐに見よう見まねで作り直した御守りを、沙耶さんは今でも大事に持っている。
以降、木札は現れていないという。






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■講評

後半の木札とお守りのところでペースダウンしたなと感じましたが,後は怪談という何にふさわしい出来の話。描写の分配も申し分ない。ローリングする『黒い塊』の描写も勢いがあり,なかなか素晴らしいという感想。
いや,勉強になりました。

名前: 捨て石 ¦ 15:53, Tuesday, Feb 02, 2010 ×


うん、なかなか面白かったです。
なんだか嫌〜な因果がありそうな、不気味な話ですね。
素直に怖いと思います。

ですが、気になった点が2つ。

まず、沙耶さんは、何か霊媒師的な力をお持ちの方なんですかね?
親友のためとは言え、得体の知れないものに対して妙に勇ましかったり、手際が良すぎたりと、その行動のルーツがよく解らないので、どういう立場で読めば良いのか、判断に苦しみました。

次に、ちょっと細かい点になりますが、1m50cm程の塊が、結構なスピードで勢い良く転がっていた、という割りに、畳縦に2枚分、つまり大体3〜4mの距離を、10秒程のスピードで転がった、とありますが、これって結構遅くないですかね?
ここで引っかかってずっと考え込んでしまったのですが、私、何か勘違いしていますかね?

この辺が解り易く整頓されていれば、この話は満点を付けていたかもしれません。


文章:0
希少性:2

名前: ていさつUFO ¦ 19:32, Tuesday, Feb 02, 2010 ×


 かなり濃密でまとわりつく体験談。
 転がる塊の見え方の違い、押し入れの中に仕込まれた禍物、矛先を変えて憑きまとう怪。
 これは唯々圧倒される。

 惜しいのは擬音、及び体験者語りの多用。
 これらを話の腰を折らない程度で留めること、及び文章の整理と研磨を行うことで、よりその禍々しさがストレートに伝わる形に出来ると思われる。
 全体的な文書量もまだ削れる余地が見られる。

名前: amorphous ¦ 22:13, Tuesday, Feb 02, 2010 ×


序盤にこれだけの大ネタを読めて幸せです。展開の勢い、凄まじい怪異、後半の嫌な余韻、すべて私好みなので今大会最初の4点を付けます。文章もよく整理されており、引っかかる所はありませんでした。 しかし嫌な話だなぁ…
ネタ・1 構成・1 文章・1 恐怖・1

名前: 一反木綿豆腐 ¦ 11:49, Wednesday, Feb 03, 2010 ×


一人暮らしの女の子が、高校生の頃から何度も引っ越し?
障りがあるたびに引っ越すから仕方ないのか。親御さんが裕福なのか?…って、それはおいといて。
沙耶さんもまた、呼ばれてしまう人のようですね。梨花さんのトラブルに巻き込まれたのも、必然なのかもしれません。

部屋を転がっていたのは、箱を拵えた主なのか、恨まれていた(と思われる)○田さんなのか。
川に放られた箱はこれからどうなるのか。(私の地元付近でないことを祈ります)
沙耶さんの家に現れた板は、そもそも何なのか。
沙耶さん、梨花さんはこれで一安心かもしれませんが、水の濁りを除去できたわけではなく、底は澱んだままといった印象が残ります。
うーんスッキリしない。でもそこが良い。(+4)

ここ一番というところでスムーズに読めないのが惜しいところです。
沙耶さんの目の前で左右に往復して転がっている、というシンプルな図なのに、やけにわかりづらい。(-1)

板が現れたのは、梨花さんの件とは別モノなのでは?
お守りを手放した原因が梨花さん絡みなので無関係とは言い切れないけれど、お父さんの様子からして、彼女自身か家系にまつわる何か?
もし沙耶さんから他のお話も伺っているのなら、そちらで読みたかったです。
詰め込みすぎているように感じました。贅沢ですけど。(±0)

名前: 雨四光 ¦ 14:20, Thursday, Feb 04, 2010 ×


文章力  +1
稀少度  +1
怖さ    +1
衝撃度  +1

これは怖い、おぞましい。
梨花さんの関わっていたモノが、乗りかえるように、沙耶さんにじわじわ迫ってくるところが恐ろしい。
一件落着に見せかけて「まだだ、まだ終わらんよ…」という所が大変執念深い。
誰かの呪詛に使われた生き物たちの生への執着や恨みが、向かうところを失って暴走しているような感じがする。
文章的には、大変読みやすく書かれていると思います。

名前: つなき ¦ 22:31, Thursday, Feb 04, 2010 ×


文章1 内容0 怖さ1 ネタ1

文章:わかりやすく、うまい。不気味な転がるものの描写が大変気味が悪く気持ち悪かった。箱が怪異の原因だと思わないほうがおかしい、という部分、沙耶さんの心情をもっと書いてほしかった。

内容:1にしたかったが、最後の沙耶さん個人に降りかかった怪異が、話の全体のスピード感を逸した感がある。また、梨花さんの引当率100%の最初のくだりはもっと短くていいかと思う。

怖さ:肉団子のつぶれる描写が個人的に気持ち悪くて好きだ。箱を始末するまでの長い時間の空白や、その後の怪異など、怖さ敵には十分な量だと思う。

ネタ:呪詛の話は不十分な表現だと陳腐になるが、箱の中身の描写やそこに至る経緯などがよく書き込まれていて、リアル感があった。沙耶さんが箱をマンションの前の川に捨ててしまったのが残念だと不謹慎なことを思ってしまった。申し訳ないです。

名前: ぬんた ¦ 18:16, Friday, Feb 05, 2010 ×


文章−1 恐怖1 希少1 魅力1

読み始めてからすぐに気持ちが悪くなり、なかなか読み終わらなかったんですが。
かなり禍々しい強烈なお話をどうもありがとうございます。

しかし沙耶さん、友人を思うあまりとは言え、素人(なんですよね?)が無茶をしたり、大切なお守りを梨花さんにあげてしまったりして良かったのでしょうか。

文章ですが、詳しく書かれていても身振りを加えて漸く理解出来るような表現方法が多々見受けられます。
読んでいて気分が悪くなってしまい私の読解力も低下していたのでしょうが、何度も読み直すことが多くいまいち入り込めません。
読ませる文章としては磨ききれていない感がありますが、ネタとしては申し分無いと思います。

何となくですが、亡くなられたおばあさんが沙耶さんを守っていてくれてるから沙耶さんはこの程度で済んだ……今も命があるのだと思いました。

名前: 幻灯花 ¦ 04:18, Tuesday, Feb 09, 2010 ×


これだけの怪異譚にめぐり合えたことがうらやましいです。
住人のみならず客人にも障りがあるなんて、凶悪ですね。
表現が過剰で逆に分かりにくくなっているところが結構ありました。
沙那さんのコメントはもう少し減らしても良かったかと思います。
とはいえ、この禍々しさには魅力を感じます。
ぜひ後日談も取材していただきたいところです。

文章-1 構成+1 希少性+1 恐怖+1

名前: ランプ ¦ 11:37, Tuesday, Feb 09, 2010 ×


その後の梨花さんは平穏無事にすごせているのなら、それがいわくのない部屋のおかげなのか、お守りのおかげなのか、その相乗効果なのか。まともな物件を避けるようにしていた梨花さんが、無事にそこに住み続けていられるのはお守りがあってこそなのか…。謎が残り、また新たな後日談を呼びそうな予感さえします。
梨花さんにお守りを渡したことが、後に沙耶さんに振りかかる怪異のフラグだったのでしょうか。
「中身は塩と小豆と白米」というお守りを、沙耶さんが見よう見まねで作っても効能があったところから、この材料と彼女の「血脈」が合わさって初めて力を発揮するような感じなんですよね。梨花さんの手元にあるお守り、充電が切れるように力が枯渇するんじゃないかと、読後、そればかり考えてしまいます。

・臨場感+1 ・没入度0 ・表現+1 ・恐怖+1

名前: ダイタイダイダイ ¦ 00:14, Thursday, Feb 11, 2010 ×


読み手を拒むような単語が、いくつも見受けられるし、読んでて読みずらいから。反対に沙耶さんが、訳ありの物件を選ぶのが、いけないのであるから。

名前: 天国 ¦ 00:07, Friday, Feb 12, 2010 ×


長い話なのに、中だるみもせず
たたみかけるように次々と襲いかかる怪異を
分かりやすく書かれていてゾクゾクしました。
それに御本人が直接書いたのではと思うほど
細かい描写もされていて
よく取材したなーと感心しました。(+3)

捨てても捨てても来るだろうな・・その箱。

木札の模様は、現時点では無理だけど
実際に絵にしてもっと細かく色付きで見たかったです!
もしかしたらその模様に心当たりがある人がいるかも!(+1)







名前: RON ¦ 18:24, Friday, Feb 12, 2010 ×


けっこうなレベルの怪異なのだという気はします。
ただ状況描写がこなれていないせいか読みにくい印象があり、そこに減点を付けさせていただきました。
がんばってください。

名前: b ¦ 15:49, Saturday, Feb 13, 2010 ×


謎の押入れの箱
2人には別のものに見えた転がるもの。
幾何学模様が描かれた木の板とそれの対処を無意識にする父。

謎だらけですが、冒険スペクタクルですね。
川に箱を捨ててはいけませんと言っては見ても、記憶も曖昧でそんな状況ではそうさせる何かがあったのでしょう。
状況描写が丁寧だったのですが、ちょっと読みづらかったです。

文章=−1  怪異=+2 心情=+1 合計=+2

名前: 鏡餅 ¦ 15:27, Monday, Feb 15, 2010 ×


とても禍々しいものを感じさせる内容で、無事だったのが本当に何よりです。

畳み掛けるような怪異の連続だったのですが、如何せん文章が読みづらかった点と擬音をそこまで入れなくてはいけなかっただろうか…という点。
そこで一旦、恐怖が薄らいでしまった、というのが正直な感想でした。
そして10秒で…というのも頭の中で何度かイメージしたのですがどうしても引っ掛かってしまい、考えながら読んでしまいました。

起こった怪異が怪異だっただけに自分的にそこが勿体無いな、と思いました。

名前: 鶴斗 密喜 ¦ 18:39, Thursday, Feb 25, 2010 ×


言葉は難しくても怖いものは怖いから。

名前: 極楽 ¦ 11:19, Wednesday, Mar 03, 2010 ×


凄い話だとは思います。
が、凄すぎてなんだか心霊ドラマの様な…
すいません。


名前: どくだみ茶 ¦ 16:53, Wednesday, Mar 03, 2010 ×


沙耶さんの効くお守り・・・欲しいです。普段の生活でこれだけの怪異を体験している沙耶さんの側にいられるなんて怖いけど羨ましい。

名前: 梅子 ¦ 00:02, Wednesday, Mar 10, 2010 ×


気味の悪さが伝わってきました

文章−1 希少+2

名前: 205 ¦ 00:51, Thursday, Apr 01, 2010 ×


怪談点…1
文章点…1

目新しさは無いものの、怪談として起こるべきことは全て起こっており、体裁は完璧に整っています。
文章も澱みなく読め、話はすんなりと頭に入ってきました。
木の板の幾何学模様をまるでAAのように書いたのはご愛嬌。
できればそこも文章で説明して欲しいところではあったのですが。

その木の板、不思議ですね。
物として現実にそこに存在しているのに、どこから現れたものやら分からない。
しかし次々と現れ続ける。
こういう怪異に遭遇してみたいものです。

名前: C班 山田 ¦ 03:45, Tuesday, Apr 06, 2010 ×


物件モノ怪談の中でもこれはかなりぞっとする話だと思います。
肉団子の描写が不気味。ここにまで匂ってきそうです★

名前: ゼリコ ¦ 23:33, Monday, Apr 12, 2010 ×


二人で全く異なるアヤカシが見えていた点、そしてそのアヤカシが両方とも異なる嫌悪感を我々聞き手に与えるものであったことに恐怖しました。
格安物件、誰かの行っていた呪い、と話としてはよくあるものですが、やはり実話の「怪異」は想像を超えた形で迫ってくるものなのですね。
後半の下りが、実際にあったことなので仕方ないとはいえ、前半ほどの迫力と説得力が無かったのでこのような点数となりました。

名前: 丸野都 ¦ 04:11, Monday, Apr 19, 2010 ×


ネタ・恐怖度:1
文章・構成 :0 

怪異のごった煮といった印象である。これでもか、これでもかと繰り広げられる怪異の数々に、おなかが一杯になった。
そこに重い文章が乗るわけだが、読むのに途中から疲れてくる。そのくせ、怪異と対峙する段ではオノマトペを連発した安っぽい表現になるのだから、掴みどころが無い。
話の軸を定めずに書き起こしたのかな、と思ってしまった。

名前: オーヴィル ¦ 01:42, Friday, Apr 30, 2010 ×


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