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仏の道
 今年で39歳になる藤岡さんは高校を卒業するまで、海沿いの、とある町で暮らしていた。

「僕がまだ20歳になったばかりの頃だと思うのですが…」
 その年、記録的な大地震が原因で、近くの島の住民が波にさらわれ、多くの犠牲者を出すという悲しい出来事が起こった。
津波によって海へと流されたたくさんの遺体は、潮の流れの影響で藤岡さんの町にまで流れ着いた。
地元の状況が心配だった藤岡さんは、実家からそう遠くない場所で働いていた為、休みの日や暇を見つけてはマメに実家に顔を出していたという。
小さな町は大混乱に陥っていた。
遺体の身元確認に時間が掛かるのは必至だったからだ。
「それだけ被害者の数が多かったんです」
悲痛な面持ちで藤岡さんは話を続けた。


 季節は初夏になりかけの頃だった。
遺体の身元確認が取れ、身内の方が引き取りに来るまでの間にも、どんどんと身体は腐敗が進み異臭を放ってくる。
そんな最中にも次々と水死体は発見され、その為遺体の安置所を確保するのに役場の職員は町中を駆けずり回った。
そんな時に声を上げたのがAというお寺だった。
「この町に流されてきたのも何かの縁です。身元の確認が取れるまでに経を上げること位は出来ます。私の所で出来るだけの人を安置致しましょう」
そう言って、遺体の殆んどをA寺で安置する事となった。
A寺はご近所中に遺体を引き取る旨を説明し、臭いがすると迷惑をかけるからと消臭剤や芳香剤を配って回った。
それでもたくさんの遺体は腐臭を放ち、A寺の周囲は息をするのも辛いほどの臭いに包まれたが、事情を知っている近所の住民は誰一人として文句を言う人はいなかった。

「朝、夕とお坊さんの読経が聞こえていました」
 藤岡さんは幼い頃からそこの住職と親しくしていた為、震災後も色々な話を聞いていた。
真っ暗で重々しい雰囲気に包まれた本堂は夜中にもなると、一層その闇を濃くする。そこに安置されたたくさんの遺体。その傍に人が何人も立っている。声をかけようとするとスーッと消えていく。
昼夜問わず誰もいない場所から悲しげな泣き声が聞こえたり、青白い火の玉がふらふらと揺れている事は既に日常茶飯事のようだったという。
その度に住職は悲しく思い、お経を上げていたそうである。
そして段々と日を追う毎に、人影のようなものはお辞儀をする人が増えてきた。
時にはお経を上げた後に「ありがとうございます」と感謝の言葉を言ってから消えていく事もあったそうだ。
運ばれてきた遺体は綺麗な形ばかりではない。水を吸い、ガスが溜まり、あちこち傷だらけになった遺体もたくさんあった。
 しかし、住職に見えていた人影は、皆普通の人と何ら変わりは無かったらしい。

 A寺には既に入りきらない程の遺体が安置されていたが、近隣の町が引き取りを拒否した為、他の町で発見された遺体までもが毎日の様にA寺に運び込まれた。
その結果、本堂に入りきれなくなった遺体は、敷地内に大型のテントを設置し、ブルーシートに包まれて安置される事となった。


「実はもう一つ、近くに別なお寺があったんです」
 宗派こそ違うものの、A寺から少し離れた場所にはBというお寺があった。
A寺を始め、役場の職員や他の住民たちもB寺に協力してくれるように頼んだのだが、
「何で縁もゆかりもないやつらをうちで引き取らなければいけないんだ。臭いもするし、迷惑だ」と言って全く取り合ってくれなかった。

「恥ずかしい事に、うちはそのB寺の方の檀家だったんですよ」
 B寺は昔から「金に汚い」ことと「よそ者に冷たい」ことで有名だった。
「うちのカミさんも、僕の祖父の葬儀に初めて参列した時の説法で、故人も偲ばず終始お金の話をしていたその坊さんにあきれ返ったくらいです。それにカミさんもよそ者という事で、他の人と同じようにしているにもかかわらず、数珠の持ち方やらお参りの仕方が悪いと皆の前で坊さんに指摘を受ける程だったんです」

 結局、B寺は遺体を一人たりとも自分の敷地内には入れる事はしなかった。
その後発見された遺体は、町では安置する場所を確保することが困難な状況に陥り、その状況を打破する為に町長が近隣の町を訪れ、人道的な意味合いを含めた話し合いを行う。
その結果、A寺での行為を知っている近隣の町もそれ以上拒むことは出来なくなり、止むを得ず遺体を引き取る事を了承する形となった。

 A寺の方にお辞儀をする霊が増えてきた頃、B寺の方にも異変が起きた。
たまたま用事があって、B寺の前を通り過ぎた藤岡さんは奇妙なものを見た。
「真っ黒い人影がB寺を囲むようにたくさん立っていたんです」
どう見ても生きている人ではないことは藤岡さんにも分かった。
その人影は「黒い煙が固まって人の形を取っていた」ように見え、性別こそ判らなかったが、大人や子供、少し腰の曲がったような老人など、様々な大きさの形だったという。
「そんなもの見るのは初めてだったんですけど、A寺のお坊さんから色々聞いていた事もあって、『あぁ、きっと津波で亡くなった人達なんだ』と自分でも驚くほど冷静に見ていました」
A寺の中は遺体でいっぱいだったが、そんな黒い影など今まで一度も見た事は無かった。
しかしB寺の所にいる真っ黒な影の集団は見ていて何とも禍々しく、嫌な気持ちになる感覚だった。
B寺の住職は何も気付いていないらしく、その中を縫うようにして歩いていた。
「坊さんは移動の時は車を使っていたんですが、その車の中にも真っ黒い影がひしめき合っていたんです」
黒い影を乗せたまま、その住職は走り出して行った。
「それ以降もB寺の前を通る度に、黒い影はどんどん増えていっていました」

 何となく近付き難くなった藤岡さんは、なるべくB寺の前を通らないようになっていった。
そして時間を見つけてA寺に行き、B寺で見たことを住職に伝えると、A寺の住職は少し困ったような顔をし、「そっかぁ…」と悲しげに呟いた。
ただ、「死んだら皆同じなんだから、むやみに怖がるようなことではないんだよ」とやさしく諭してくれたという。


「その後はだいぶ落ち着いてきて、水死体も流れ着く事はなくなったし、僕も仕事が忙しくなって、そうそう帰れなくなったので…」

 久しぶりに帰れたのはお盆の時だった。
「B寺の前を通ると、黒い人影はいなくなっていたんですが、今度は寺全体が真っ黒な靄に包まれているように見えたんです」
…嫌な予感が藤岡さんの脳裏をかすめた。

 そんな中、事件は起きた。
日中から暗雲が立ちこめ、激しい雨が降り注いでいた日だった。
夜中に激しい雷鳴と共に稲光がB寺を直撃したのだ。
幸いにも屋根と外壁の一部を焦がしただけで、火災には至らなかったが、家電製品は全て使い物にならなくなった。
「焼けたのは本堂ではなく、住居部分の方だったんですが、それは檀家から『本堂修繕費』として集めた寄付金で建てられたものでした。勿論、買い揃えたばかりの家電製品も寄付金から得たものでした」

 新築された住居部分と、新しくなった家電製品のみ稲妻が直撃した形である。
町の人達は皆檀家も含めて、「仏に仕えるものが災害で亡くなった人達を無下にするから…。大切な本堂すら修理もせずに自分の為の金集めばかりしていたから…。仏罰が落ちても仕方が無いよ」等と暫くの間、噂になった。

 そして今現在はというと、B寺は寂れてしまい、せっかくの後継ぎだった一人息子も何処へ行ったか分からなくなっている。
「この寺は怖いから継がない」とだけ言い残して…。
普段は自慢話ばかりしている住職も、息子の話になると口をつぐんでしまうようになった。

 A寺の方は檀家も増え、相変わらず町の皆から慕われているそうである。
そして今でもお盆の時期になると、あの震災で被害に遭った方達の為に、遺体を安置していた場所で供養の為のお経を上げている。
「お辞儀をしながら消えていったり、お礼を言ったりする霊も未だにいるそうです」


「あの黒い影の正体も、靄の正体も分かりません。ただやったことはたとえ坊さんでもしっかりと返ってくるのかな、って思いました」

 今でも藤岡さんはA寺の住職とは連絡を取り合っている。
「ただ田舎のしがらみで菩提寺はB寺のままなんですけどね」と、複雑そうな顔で藤岡さんは苦笑した。




06:09, Friday, Feb 05, 2010 ¦ 固定リンク ¦ 講評(21) ¦ 講評を書く ¦ トラックバック(6) ¦ 携帯


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■講評

見事な勧善懲悪です。勧善懲悪の怪談は、やはり読むと安心できるのかもしれません。
因果応報、政治や凶悪犯罪に発動して欲しいものです。
ネタ・1 構成・0 文章・0 恐怖・0

名前: 一反木綿豆腐 ¦ 13:39, Friday, Feb 05, 2010 ×


まるで“にほん昔話”のような話ですね。
実際にこういう事も起こるんだなぁと、改めて驚かされます。
その点においては、逆に珍しさを感じました。

さて、文章の方ですが、細かいところで言い回しのくどい部分が目に付き、全体的にちょっと長いようにも感じました。
特に後半に至るまでの部分は、もっとスッキリまとめても良いんじゃないかなぁと思います。

文章:0
希少性:1

名前: ていさつUFO ¦ 19:18, Friday, Feb 05, 2010 ×


 二つの寺が選んだ道とそれに対する報いが見事なまでの対比となっており、読み通りの展開であることが却って清々しいくらいである。
 多少の諄さはあるが許容範囲であり、顛末を崩さず書こうとしているようにも感じた。
 最後の檀家のくだりに複雑な思いは残るが、それも含めて土地柄と人柄を感じさせる話だった。

名前: amorphous ¦ 22:41, Friday, Feb 05, 2010 ×


ううむ。これは今昔物語とかの「説話もの」の世界ですね。
これが実際にあったとすると,Bの寺は宗派の上の方からずいぶんと叱られているのではないでしょうかねぇ。
勧善懲悪は気持ち良かったですが,余り怖いかどうかと言われるとちょっとどうかな,という気も。

名前: 捨て石 ¦ 23:05, Friday, Feb 05, 2010 ×


文章0 内容0 怖さ1 ネタ1

文章:全体的に分かりやすく描写も適当だと思う。ただ一点、B寺の描写は黒い〜という描写が続き、少しくどく感じた。

内容:長い内容をよくまとめているとは思うが、B寺の不徳は簡潔に説明するくらいでいいのではないかと思う。仏罰に至るまでの経緯はしっかり描写されていて、落雷を受ける場面は納得のいく気がする。個人的にはもっと手痛く仏罰が下ってもいいんじゃないかと思うところではある。

怖さ:藤岡さんとA寺住職だけが理解できる話になっている。他の住人の人も目撃していれば、さらに信ぴょう性が増したかもと思う。それにしても、B寺を包み込んでしまった黒い靄とは一体何なのだろう。非常に怖い気がする。

ネタ:一連の事柄を追って始まりから終わりが語られているのは興味深い。黒い靄に覆われたB寺の話はいまもまだ終わってないのではないか。とても気になる。

名前: ぬんた ¦ 15:10, Saturday, Feb 06, 2010 ×


B寺が遺体の安置を断ったのは冷たいかもしれないけれど、津波で亡くなった方々に恨まれるほどの事ではないような。
地元の方々に嫌われているイメージの方が強く、本堂の修繕費用を募って家を建てたり家電を買ったりはさすがにNGなので、それらに対する仏罰を蒙ったんじゃないかな?
黒い人影の集団と靄の正体も、地元の方々の不満の現れなのかなと。

ということで、ふたつの寺のエピソードは全くの別モノのような気もするのですが、それぞれ丁寧にまとめてあって、立ち止まることなく最後まで読めます。説明が細部にまで及んでいても無駄はなく、しつこさを感じません。(+1)
ネタそのものについてはA寺、B寺ともに「おおっ!」と食い付く要素がなかったので、(±0)で。

名前: 雨四光 ¦ 16:48, Saturday, Feb 06, 2010 ×


文章力  +1
稀少度   0
怖さ     0
衝撃度   0

すらすらと読み進めていけるのだが、時々重複する表現があって気になる。
典型的な因果応報譚である。至極法則に則っているのである。
昨今ワルい奴らはのうのうと枕を高くしている例が多いので、この様にきちんと?罰が当たる話は安心して読める。
安心感を得られるが、恐怖感は無い。たたずむ影達にも恐怖よりも憐憫の情を感じる。

名前: つなき ¦ 21:29, Sunday, Feb 07, 2010 ×


これ位の霊能力は、誰にでもあるし、してもらった行為は、してかえされるのがむしろ当然だから。

名前: 天国 ¦ 01:55, Tuesday, Feb 09, 2010 ×


文章1 恐怖0 希少0 魅力1

長いながらも起承転結が無理なくまとまっていて、スラスラ読めました。
王道と言えば王道なのかもしれませんが、ここまで気持ち良いくらいに対象的な怪異が起こっているのは逆に珍しいのではないでしょうか。

亡くなった方々は、やはり思いや感情によって見せる姿を変えるのだなと改めて思いました。

名前: 幻灯花 ¦ 02:55, Thursday, Feb 11, 2010 ×


>B寺の住職は何も気付いていないらしく
ここで噴きました。徹頭徹尾生臭坊主で、逆に清々しいくらいですね。もっとも何か気配でも感じることができたのなら、こんなお坊さんにはならなかったんでしょうが。息子さんのことは気の毒ですが、お寺がダメになるのは自明の理。むしろお寺が存続しなさそうでホッとしました。藤岡さんも、この先、A寺にご縁があることをお祈り申し上げます。

判りやすい文章で、スッと情景が頭に入ってきて読みやすかったです。「死んだらみな同じ、むやみに怖がることはない」というお言葉が、胸に響きました。このお坊さんから見れば間違いなくそうであるし、この信念を抱いてお寺をやってきたんだなと。このお話のキモのセリフだと思います。

・臨場感+1 ・没入度+1 ・表現0 ・恐怖0

名前: ダイタイダイダイ ¦ 00:35, Sunday, Feb 14, 2010 ×


お坊さん版[いい爺さんと悪い爺さん]みたいで
単純に怖くて勧善懲悪が爽快でした。
実際に起こった悲惨な災害が背景にあるので
よりリアルな話として読めました。
長い文でバラバラになりそうなところを段落の区切りや
藤岡さんの言葉で上手くまとめていて分かりやすかったです。
また、怪異のほうも
B寺の周りを取り囲むように黙したまま立っている
真黒なモノ達や黒い霞が容易に想像出来て怖かったです。
B寺の異変を聞いたA寺のお坊さんも奢ることなく
むしろ悲しげだったという。
そんなA寺のお坊さんの仏の道を極めた人徳も然り
藤岡さんの言動を通して著者の方の優しさや哀しみも
充分伝わってきてとても好きな話です。

文章:2
感動度:2





名前: RON ¦ 17:27, Sunday, Feb 14, 2010 ×


B寺の住職は気づいていないのに、縫うようにして歩くというのは、無意識によけてるのではなく、ホントは気付いてたんじゃないですかね?

地震、津波と大変な災害の中、生きている人も、死んでいる人も助け合えるかどうかが大事だなあと思いました。

文章=0  怪異=1 心情=1 合計=+2

名前: 鏡餅 ¦ 18:32, Monday, Feb 15, 2010 ×


このような話が本当にあるのですね。
長期にわたる事の顛末を、最後まで記録されたことに敬服しました。
分かりやすく、抵抗なく読めたこともポイントが高いです。
B寺、および周辺の黒い人の説明がやや冗長に感じました。

文章+1 構成+1 描写-1

名前: ランプ ¦ 12:56, Friday, Feb 19, 2010 ×


見事なくらい正反対なお寺さんの行動ですね。

長い文章だったけれども、それを感じさせないくらいすらすらと読み進めることが出来ました。

亡くなられた方への考え方、接し方が如実に現れた作品だったと思います。
B寺の方もそのくらいで済んで良かったというべきか…。
息子さんのことといい、まだまだ何か隠されているような気さえしてしまいました。
A寺のご住職さんの対応が素晴らしいです。

亡くなられた方の見え方にも、それぞれ違っていて、普通の人と同じだったり、黒い人影だったり、まったく気付かなかったり…。

色々考えさせられた作品でした。

名前: 鶴斗 密喜 ¦ 18:42, Saturday, Feb 27, 2010 ×


やったことがかえってくるのはこの坊さんに限ったことではないし、あなたもわたしもそうだから。

名前: 極楽 ¦ 13:52, Wednesday, Mar 03, 2010 ×


因果応報な話はいいですね

文章+1 希少+1

名前: 205 ¦ 23:25, Friday, Apr 02, 2010 ×


“良いお寺”と“悪いお寺”。
なんだか日本昔話の様な話ですね。
類話もある様に思えますが、面白い(亡くなった方々すいません)と思います。

にしても“黒い姿”にうじゃうじゃ取り囲まれているのに、住職さんでもわからないものなのでしょうか。
そんな人に仏事でお経をあげてもらっても、ちっともありがたくないですね。


名前: どくだみ茶 ¦ 16:26, Wednesday, Apr 07, 2010 ×


怪談点…0
文章点…-1

A寺とB寺の対比が際立つ程に話としては説得力を増してきます。
しかしいくらB寺がヒール役に徹しているからと言って、ここまであからさまでジュブナイルな書き方をされると主観が入りすぎているように感じられ、どこまで真に受けていいものやら、読み手としては退いてしまいます。
これは実話怪談としての信憑性にも関わってきます。
著者が感情的になればなるほど、読み手は冷めてしまうものなのです。

名前: C班 山田 ¦ 18:46, Saturday, Apr 10, 2010 ×


私利私欲に走ると恐ろしい
B寺の住職は自分で黒い霊を祓ったりできなかったんでしょうか

名前: ゼリコ ¦ 22:48, Saturday, Apr 10, 2010 ×


霊をやたらと怖がるものじゃない、まことに至言だな、と思います。
点数が低いのは「超」怖いかどうかという基準での判断ですが、本当はA寺の住職に特別賞(何を言っているんだ?)でもあったら差し上げたいような、考えさせられるお話でした。

名前: 丸野都 ¦ 21:42, Sunday, Apr 25, 2010 ×


ネタ・恐怖度:0
文章・構成 :0 

訓戒をこめた民話を読んだ気分になった。時代背景を変えて「まんが日本昔ばなし」に収録されても違和感は無いように思う。
文章がやや迂遠気味に思える。もっと短くまとめることも可能だったろうが、敢えて引き伸ばしたような印象すら受けた。

名前: オーヴィル ¦ 00:22, Friday, Apr 30, 2010 ×


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