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攻撃開始
小泉さんは、幼い頃に父親を亡くして以来、母方の祖父に助けられてきた。治五郎という些か時代掛かった名前の祖父は、経済面で助けるばかりか、授業参観や運動会などにも出席し、本当の父親のように小泉さんを見守ってくれたのである。
そんな祖父を小泉さんは心底慕っていた。何よりも頼もしく思ったのは、祖父の特異な能力であった。小泉さんは時折、街角や踏み切りに佇む黒い靄のような物を見ることがあったが、祖父にも同じ物が見えていた。
祖父は、たまらなく優しい眼差しで黒い靄を見つめると、手のひらを向け、口中で何事か呟くのだ。短ければ数瞬、長くても二十分程度で靄は掻き消えたという。
けれど祖父は、その能力を誇るでもなく淡々と毎日を生きていた。小泉さんが、中学高校を通じてグレることなく真っ当に育ってきたのも、偏にこの祖父のおかげだと言っても良い。
小泉さんが社会人になって二年目の冬のことである。融資の担保物件を見に行くからと、先輩社員の町村に同行した先は、大きな邸宅であった。担保としては申し分の無い物件である。

「俺はどうもこの家が気にいらん」
そう言い放ち、町村先輩は家を見上げた。小泉さんは同意するべきか迷いながら、次の言葉を待った。実を言うと到着した時点で、既に何か妙な気配を感じていたのだ。
「馬鹿げてるとは思うけど、ここ、何かあるわ」
ああやはり、と小泉さんは安心して同意した。
「町村さん、そういうの判る人なんですか」
「ま、瑕疵物件とは聞いてないしな。ローンに困って売りに出したらしい」
ずかずかと玄関を目指す町村先輩を慌てて追いかけながら、小泉さんは何気なく二階を見上げた。誰もいない筈なのに、窓際に人影が見えた。女と子供のようだ。
「町村さん、誰かいますよ」
「ああ? 気のせいだろ」
言われてもう一度見上げた。いない。小泉さんは腑に落ちぬまま、後に続こうとした。その途端、携帯が鳴った。見ると、祖父からだ。
ちょっとすいません、と小泉さんは携帯に出た。
「もしもし、じいちゃん? 久し振り、元気? 」
祖父は珍しく慌てていた。
「康弘。おまえ、今どこだ? 何か、物凄く嫌な予感がする。今いる所から離れた方がええぞ」
いきなりの忠告に何と答えたら良いのか判らず、黙り込む小泉さんを怪訝な顔で見ながら、町村先輩は言った。
「どした? 行くぞ」
嫌な予感に襲われながらも、小泉さんは祖父の呼び掛けを無視することに決めた。
「じいちゃん、ごめん。今、仕事中なんだよ。あとからまた掛ける」
強引に電話を切ると、小泉さんは家の中へ一歩踏み込んだ。途端に、凄まじい重量が肩に圧し掛かった気がして立ち止まった。
何故か町村先輩は、そんな小泉さんを無視して奥に進んで行く。なんとか気力を振り絞ると、小泉さんは後に続いた。
「内装もまずまずだな」
町村先輩に応える事もできない。先ほど感じた肩の重みに加えて、激しい痛みが小泉さんのこめかみを襲う。
油汗を流す小泉さんを気遣うことも無く、町村先輩は尚も奥に向かう。
「おまえ、そっちの部屋調べてくれや」
辛うじて頷き、小泉さんはドアを開けた。寝室である。ベッドサイドにある大きな鏡に映った己の姿を見て、小泉さんは言葉にならない悲鳴をあげた。
女が肩に跨っていたという。ぼさぼさの長い髪、吊り上った目、真っ赤な唇がキュッとV字型に上がっている。上半身には赤いシャツを着ていた。下半身は判らないが、素足であるのは見てとれた。細い腕を小泉さんのこめかみに伸ばしている。指先が小泉さんの頭に入り込んでいた。痛みがある丁度その辺りだ。
小泉さんは必死でお経を唱えたのだが、女はニヤニヤと笑い、一向に離れようとしない。
「町村さんっ! 」
小泉さんは必死で叫んだ。返事が無い。もう一度叫ぶ。ようやく、のそのそと廊下を歩いてくる足音が近づいて来た。
「どうしたぁぁ」
良かった、とにかくここから出してもらおう。藁にも縋る思いで町村先輩を見た小泉さんは、絶望に打ちひしがれた。
町村先輩の肩にも乗っている。小学生ぐらいの男の子だ。同じようにこめかみに手を伸ばしているのだが、小泉さんと違い、手首までズボッと頭に埋まっていた。焦点の合わない目で、町村先輩はぼんやりと突っ立っている。
こめかみの痛みが激しさを増し、小泉さんは座り込んでしまった。それでも女は降りようとしない。
「じいちゃん、助けてじいちゃん」
最早、そういうしか無かった。その途端、携帯が鳴った。小泉さんは、直感で祖父からだと判ったらしい。震える手で携帯を開いた途端、祖父の怒鳴り声が聞こえてきた。
『わしの大切な孫に何をしとるかっ! 今すぐ離れろっ! 』
(うるさい爺さんだこと)
女の意識が小泉さんの脳に直接流れ込んできたという。ふっとコメカミが楽になり、続いて肩の重みも消えた。恐る恐る顔を上げると、女の姿は消えていた。町村先輩の肩に乗っていた子供の姿も無い。未だに呆然とする町村先輩を引きずるようにして、小泉さんは家の外に出た。
助かった、そう判った瞬間、小泉さんは声をあげて泣いてしまったという。
それ以来、件の家は何の障害も無く調査が進んだ。町村先輩は二週間ほど寝込んだだけで無事に回復したが、家に行った事すら覚えていなかった。
ようやく仕事が一段落し、小泉さんは帰省を決めた。祖父に会って礼を言わねばならない。お土産に好物の羊羹も買った。いそいそと駅の改札を抜け、懐かしい家を目指す。
「ただいま」
しん、と静まり返った家の奥から母が顔を覗かせた。何とも言えない顔付きである。
「どうしたの、母さん」
母は、意を決したように口を開いた。
「おじいちゃんがね…」
祖父は入院中だというのだ。
「あんたが心配するといけないから、絶対に言うなって」
祖父は、小泉さんが助けを求めたその日、激しい頭痛を訴えて緊急入院したのだという。ろれつの回らない口調で、必ず治すから康弘には言うなと言い残したらしい。
病院に駆けつけた小泉さんは、祖父のあまりの変わり様に言葉を失い、立ちすくんだ。痩せ衰え、ぽっかりと開いた口から涎を垂らし、焦点の合わない目で天井を見ている。大好きな孫にも気づかない様子だ。
これがあのじいちゃんか。
あの、力に満ちたじいちゃんなのか。
俺を助ける為に全ての力を使ってしまったんじゃないのか。そう思うと、涙が溢れて仕方なかったという。
「康弘。こちらね、随分とお世話になったの。うちの近所に引っ越されるんですって」
母が、一人の女性を紹介した。
深々と頭を下げるその女性は、たまたま下見に来た時に、何くれとなく手伝ってくれたらしい。
「ありがとうございました。本当に何と御礼を言ったら良いのか」
顔を上げたその女性は、にんまりと微笑んだ。真っ赤な唇がV字型にキュッとあがる。
「うげぇっ」
小泉さんは異様な悲鳴をあげてへたり込んだ。目の前に居たのは、あの時の女であった。
「なによぅ、変な子ねぇ」
とがめる母に軽く一礼すると、女は病室を出て行った。間違いなく生きている人間だったという。

結局、祖父は一度も孫と話す事無く、一週間後にこの世を去った。いつの間にか女も姿を消した。
今のところ、小泉さんには何も起こっていない。祖父の形見である小刀を持っているおかげだと思う、小泉さんは己を励ますようにそう言った。
「ただ、一つだけ気になることが…」
町村先輩が三日前から無断欠勤しているのだという。




10:17, Sunday, Feb 07, 2010 ¦ 固定リンク ¦ 講評(21) ¦ 講評を書く ¦ トラックバック(5) ¦ 携帯


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JUGEMテーマ:実話怪談コンテスト お爺さんの力とか話の全体から思うに、災いを拾ったというより因縁を感じてしまった。 下見に行った先で既に相手方の罠にはまったというか。 お爺さんの忠告のタイミングも悪かったし。 その後の展開から生霊と錯覚しそうだが、母 .. ... 続きを読む

受信: 10:06, Wednesday, Feb 24, 2010

■講評

物件ものプラス生霊もの? という感じですが,女がなぜ関わって来たのかの理由も分からず,通り物っぽくもある,という複雑な感じです。ですが最後の町村先輩の件は既に明らかになっていて然るべきでしょうから,蛇足だったかなとも思いました。
楽しませてもらいました。

名前: 捨て石 ¦ 17:03, Sunday, Feb 07, 2010 ×


怪異はなかなか興味深いのですが、全体的に描写不足で、文章に粗が目立ちます。
家の前に来た時、何故、その能力を認め心底慕っている祖父の忠告をすんなり無視出来たのかが疑問に思えます。
また、女の姿が鏡に映った時も、「下半身は判らないが、素足であるのは見てとれた。」という表現で、どういう状態に見えているのかが解らず、状況がイメージできませんでした。
女の姿を見た時、何故逃げようとせずに先輩に助けてもらおうと思ったのかも不明瞭ですね。
「それ以来、件の家は何の障害も無く調査が進んだ。」も、調査に行ったのが小泉さんなのか他の人なのかで印象が変わります。
そして、母に紹介された女性は、何の下見でどういう経緯があったのか、というところももう少し明確にして欲しいところです。
締めの先輩が無断欠勤するくだりも、なんだかややこしくなってしまうので、今のまとめ方なら不要かと思います。

そしてもう一つ。
このタイトルの「攻撃開始」はどういう意味でしょうか?
女の立場から小泉さん、またはお爺さんに対しての意味ならば、少々不謹慎にも思えました。

内容自体はなかなか怖い話なので、もう少しまとめ方を整理し、臨場感を出す事が出来れば、もっと良くなったんじゃないかと思います。


文章:-1
希少性:1

名前: ていさつUFO ¦ 21:59, Sunday, Feb 07, 2010 ×


 文章は決して長くはない。
 しかし、この密度と疲労は何だ。
 発生している、そしてし続けているかもしれない怪の禍々しさが尋常ではない。
 構成も核を定めた配分も良く、情景描写も人物像もわかるように描かれている。
 先輩のその後が気になるところだが、祖父に習って関わりを避けるべきであろう。読む側としてもこれ以上の無理強いは出来ないレベルを既に読ませて戴いている。

 只一点、「うげえっ」は辞めた方がいい。

名前: amorphous ¦ 23:29, Sunday, Feb 07, 2010 ×


これは…ヤバいとしか言えません。筆者も出来る限り関わり合いにならない方が良いのでは?訪れた者を拒否するのか、取り込もうとするのかは不明ですが、邪魔な存在は出張してでも片付ける姿勢が怖い。文章も読みやすく、構成もなかなかですが、少し饒舌かも。
ネタ・1 構成・1 文章・0 恐怖・1

名前: 一反木綿豆腐 ¦ 20:20, Monday, Feb 08, 2010 ×


この文章は長すぎるし、小泉さんの祖父治五郎さんは、誰にでも持っている
第六感で、目に入れても痛くない孫を
守った事は、祖父であれば極自然の事だから。

名前: 天国 ¦ 01:35, Tuesday, Feb 09, 2010 ×


うあー。終わってないんですね。後日談も知りたい。
お祖父さんの忠告を聞き入れなかったことがとにかく悔やまれます。
自分が「見える人」であることすら、町村先輩に言えなかったんだろうなあ。
「町村さん、そういうの判る人なんですか」ととぼけていたり、「誰かいますよ」と何気なく気付かせようとしているのが悲しい。

病室で会った女性の生き霊、ですかね。
近所に越してくるのなら、そのうち生身の子供にも遭遇するんじゃないでしょうか。
なぜ三人に憑いたんだろう。まだ家に未練があったのかな。
その辺はわからないけれど、敵の存在に気付いた途端にそちらに乗り移る、祓う力のあるお祖父さんも抗えないって、恐ろしい存在です。
おそらく町村さんも…と、どうしても思ってしまう。(+2)

素直にそう思えたのは、頭痛、憑かれた者の表情、女の特徴など、偶然だとは思えない共通点をしっかりと提示してあるからです。それらに気付くたびにぞくぞくしました。
上にも感想を書きましたが、日頃から慕っているお祖父さんの忠告に逆らってしまう矛盾も、小泉さんの言動を記すことでカバーできています。(+2)

担保物件の中下見をするくだりで、一行ごとにほぼ毎回「小泉さん」「町村先輩」と名前が出てきてしつこいので、そこをスッキリさせれば完璧な仕上がりだと思います。(-1)

名前: 雨四光 ¦ 14:32, Tuesday, Feb 09, 2010 ×


文章1 内容0 怖さ1 ネタ1

非常に面白い。しかし、小説的な気がしないでもない。赤い唇の女が死霊なのか、生霊なのか。担保物件としてかかわったその家でなにがあったのか。いろいろと気になってくる。小泉さんを守るために命を犠牲にしたお爺さんには気の毒だが、非常に面白い話だ。町村先輩のその後だが、三日前というのは蛇足かもしれない。

名前: ぬんた ¦ 20:00, Tuesday, Feb 09, 2010 ×


文章力 +1
稀少度 +1
怖さ   +1
衝撃度 +1

(うるさい爺さんだこと)と言って、小泉さんからそのお祖父さんへと乗りかえたという事ですよね。
折よくお祖父さんの緊急時にその近所に下見に来ていたり、折よく小泉さんのお見舞いの時に病室に来合わせたり、かなり粘着質なモノだと思う。
でも病室で見た女は実体があった=人間であった、ということでますます謎が深まってくる。邸宅つながりの女だということは推察できるが、わけのわからないところが不気味で怖い。

名前: つなき ¦ 21:14, Tuesday, Feb 09, 2010 ×


むぅ……厭な話すぎる。
個人的には救いがなさすぎて厭な話でしかないが、間違いなく怖い話ではある。
うーん……。

名前: b ¦ 00:42, Sunday, Feb 14, 2010 ×


…現在進行中なんですね。お話に何らかの発展があったのかが、真っ先に気になってしまいました。ラスト一文に、真正面から己の性癖を突き付けられましたね。不意打ちでした。

おじいさまほどの方でも、この女には叶わなかった…それほど強烈な力の持ち主…ということで、やはり物件に現れたほうは「生霊」なんでしょうか。普通、死霊より生霊の方が力が強いと聞きますので。それか、この女(おじいさまの病室にいた生身の方)は死霊に憑かれて、身体を使われている犠牲者なのか?男の子は何者なのか? 因果が不明なのが、恐怖に拍車をかけますね。 

長めのお話ですが、文章が読みやすくまた判りやすいので、スムーズに読めました。

・臨場感+1 ・没入度+1 ・表現+1 ・恐怖+1

名前: ダイタイダイダイ ¦ 00:27, Monday, Feb 15, 2010 ×


うわあああ!怖い!!
描写も、臨場感が伝わってきて、例えば仕事中だけど電話で「元気?」とか、いやな予感がしつつも惰性で行ってしまうとか。

怖くて凄いんですが、実話なだけに手放しで喜べないのがもどかしい。
町村先輩も心配ですが、小泉さんも心配な話ですね。

文章=+1  怪異=+2 心情=+1 合計=+4

名前: 鏡餅 ¦ 19:50, Monday, Feb 15, 2010 ×


私は、この超ー1での実話怪談においては
怪の内容、文章力などはもちろんですが
体験者に実際に起こった悲しい[死]に対しては
著者と体験者との心のズレがあってはならない。
と思っています。
身を呈して自分を守ったおじいさまをもつ小泉さんは
この[攻撃開始]というタイトルをつけることに
同意したのでしょうか。または、知らないのであれば
どう思うでしょうか。
著者と小泉さんがどういう関係なのかは解りませんが
[攻撃]を開始したのがおじいさまではなく
生霊のほうだと思われるタイトルに小泉さんが
(いいねぇ)などと思うわけがないのでは。。
と思うのは私の思い込みでしょうか。

[怪]として読むのであれば、充分な怖さもあるし
文章や引き込まれる展開の持っていき方も上手く
肩に跨っている女の描写の細かさなどは
よく聞きとっているな。。と思いました。
そこまでの採話力を持っているのだから
体験者の[心]も汲み取って欲しかったです。
たかがタイトルかも知れませんが、やはりそれが
怪話の内容を凝縮したものである以上
もっと慎重に選ぶべきだと思います。

文章力:+4
タイトル:-2











名前: RON ¦ 22:56, Monday, Feb 15, 2010 ×


演出がやや過剰な気がします。
畳み掛けるように襲ってくる恐怖をこれでもかと書いた結果、かえってリアルさが薄れてしまったようです。肩にのしかかる異常な重さ、流れ込んでくる女の意識、お爺様の突然の電話など、さらりと流されている異常事態が多過ぎて、いまひとつ入り込んで読めませんでした。
執念深く追ってくる恐怖はなかなかに凄まじく、体験したくないなと心から思いました。

恐怖+1 構成-1 文章+1

名前: ランプ ¦ 01:30, Tuesday, Feb 23, 2010 ×


文章0 恐怖1 希少1 魅力0

ああ、もう、康弘さん!もう!
おじいさん可哀想。
冒頭の話で「ええ話やなぁ」と思ってしまっただけに…。
どうしてそんな素晴らしい方がそんな亡くなり方をしなきゃならないのか…。
もう、ホントに康弘さん!

肝心の女ですが……やっぱり生霊と考える方が自然でしょうか。
そして実際に病室で会った女が本体?
本体なら、生霊として活動してる時の記憶もありそうだし。
だとしたらただ者じゃなさそうですよね。

なんでしょう、読んでて頭がチリチリします。
読後の疲労感も酷いものです。

お母さん、その女の連絡先とか名前とか聞いてないんでしょうか。
調査してた家の住人だったかもしれないし、康弘さんには是非とも調べて反撃開始してほしいです。

それからその後例の家の調査をしたのは誰なのか、例の女が何でそこに来てたのか、欲を言えばもう少し詳しく書いてほしかったです。
書けない事情や、書きすぎるとマイナス評価になることもあるし、そこは難しいんですけどね。

おじいさん、死後もその女に囚われることなく、どうか安らかでありますように。

名前: 幻灯花 ¦ 23:37, Tuesday, Feb 23, 2010 ×


うわ、凄い話ですね。
ぐいぐいと惹き込むような内容で、畳み掛けるように襲ってくる出来事。

ただ、どうしても演出過剰な描写が気になってしまい、小説を読んでいる気分になってしまった、という印象です。
敢えてこのような書き方をされたのかな、とも思ったのですが…。
どこか客観的に読んでしまった、という感じでした。

女の下半身の何が分からなかったのかなぁ、とか病室での女を見たときの母親の態度やセリフの不自然さも何だか違和感が残りました。
この時点で既にお母さんも何か影響を受けていたのかなぁ、とか思ったり。

内容でも希少度も高く、取材もしっかりされているので、そこが残念に思いました。

名前: 鶴斗 密喜 ¦ 22:53, Sunday, Feb 28, 2010 ×


文章は長くても読みやすいし、女がしつこくて怖いから。

名前: 極楽 ¦ 15:49, Wednesday, Mar 03, 2010 ×


おじいちゃんに+1。合掌。

それで先輩はどうなったのでしょうか?
終わりかたとしては思わせぶりすぎて良くないと思います−1。

名前: どくだみ茶 ¦ 17:43, Wednesday, Apr 07, 2010 ×


かなり強い力をもったその女の正体は一体
霊感の強いものの前に現れるのでしょうか
最後も読み手にいろいろ想像させる感じが上手いと思います

名前: ゼリコ ¦ 00:37, Saturday, Apr 10, 2010 ×


怪談点…2
文章点…2

文章がいい!
体験者とその祖父の関係や、祖父の孫への思いがとても良く表れており、引き込まれてしまった。
そのため、彼らに襲い掛かった存在の身勝手さに怒りさえ覚えてしまう。
実話怪談も文芸であるべきと常々思っている自分にとって、こういった体験者の思いが描けている作品にはとても惹かれてしまう。

ただ、敢えて点には反映させなかったが、題名はもっと別のものにした方が良いのではないかということと、締めの一文は狙いすぎだと思った。

名前: C班 山田 ¦ 16:47, Sunday, Apr 11, 2010 ×


良い話かと思わせておいて、悪意が愛情を圧倒して終わる後味の悪さ。この女は何かの呪術でも使っているのか? 「〜だこと」と、女性が喋るという、攻撃開始の原因となる肝心な台詞にリアリティを感じなかったので(あくまで個人的な受け捉え方だが)この点数。

名前: 丸野都 ¦ 01:10, Monday, Apr 26, 2010 ×


ネタ・恐怖度:0
文章・構成 :1 

何だろう、この読み終えた後の落ち着かなさは。来年あたり「攻撃開始 第2章 〜堕ちた町村先輩〜」に続くとでもいうのか。
命を賭して孫を救おうという祖父の姿に感銘を受ける一方で、怪異から滲み出る並々ならぬ執着をひしひしと感じる。
ただ、現在進行形の不気味さよりも、まだ話が終わっていない収まりの悪さのほうが大きい。思わせぶりな結び方にしてしまったことがこの印象につながっているように思われる。



名前: オーヴィル ¦ 00:08, Friday, Apr 30, 2010 ×


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