超-1/2010審査用チェックリスト
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佐々木さんが高校時代の話。 その日は模試で、学校が早く終わったので、佐々木さんは友人の高橋君と一緒に帰ることにした。二人は路線が途中まで同じだったので、よく一緒に帰っていた。
真っ昼間だが、妙にがらんとした地下鉄のホームで、高橋君が突然、 「痛いっ痛っ、すいませんすいませんごめんなさいっ」 と、絶叫した。腕がぎりぎりと絞られるように真後ろに持ち上げられ、天井を掴もうとするように指が閉じたり開いたりしていた。 見えない何者かに、プロレスの関節技でも掛けられているようだった。我慢できずに、高橋君の頭が低く低く下がっていく。バランスが崩れて、つんのめるように、一歩また一歩と、前に進んで行く。 「いたたたたたたっ! いつっいつつっっ!」 痛みで声になっていない。高橋君の目に涙が溜まっていた。
佐々木さんは余りのことに声がかけられなかった。だが、このままでは高橋君がホームから転落してしまう。 「高橋!大丈夫か!」 声をかけると、背後から、別の友人の声で、 「佐々木…お前邪魔」 と聞こえた。低く、思い詰めたような声だった。 「前野?」 振り返るが誰もいなかった。 高橋君がホームの端に歩いて行くのを止めないと、と佐々木さんは横からタックルをかけた。ホームに二人して転がった。 「ちっ」 舌打ちの音がした。 気がつくと、ホームに列車が入って来るところで、先ほどまで誰もいなかったホームには、人が何人も立っていた。停車してドアが開く。降車した客は、まだホームに尻餅をついている高校生二人を、おかしなものを見る目で見て通り過ぎて行った。
「…なあ、前野と何かあった?」 佐々木さんは、地下鉄の車内で尋ねたが、高橋さんは、 「うん。まぁ、色々とね」 と答えるだけだった。 「さっきはありがとう、また明日」 別れ際には高橋君は、そう言った。しかし、佐々木さんはそれ以来、高橋君に会えていない。家に電話を入れたが、高橋君のお母さんに、 「ちょっと体調が悪くて、今療養中なの」 と言われてしまい、それ以来音信不通となった。 また翌日から前野君も学校に来なくなり、そのまま高校卒業まで姿を現すことはなかった。 ただ一度、大学時代に、前野君と親しい友人から、 「前野死んだってよ」 と言われて、「ふーん」と思った切りだという。
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受信: 12:28, Monday, Mar 08, 2010
■講評
高橋君前野君の二人の間に何があったんでしょうかね。 佐々木さんは前野君とは余り親しく無かったのかな? 最後の「ふーん」は、高校生が大学生になるとそんなもんなのかなぁ。うーん。 もう少し人間関係の濃度が反映されていれば良かったのかも。 |
名前: 捨て石 ¦ 09:03, Tuesday, Feb 09, 2010 ×
これもなかなか興味深い話ですね。 人物背景が非常に気になるところですが、この辺はやはり解らず仕舞いだったのでしょうか? 前野君の名前の登場があまりに唐突な点と、佐々木君の前野君に対する無関心さも違和感があるので、せめて佐々木君が前野君をどう思っているかを軽く触れておくのも良かったかもしれませんね。
文章全体としてはさして大きな問題は見られないものの、状況描写やセリフ周りの繋がりに少々幼さを覚えました。 日記とか感想文とか、なんだかそういったものを読んでいるような感じで、どこか遠くから視ているような感覚でした。
文章:0 希少性:1
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名前: ていさつUFO ¦ 18:46, Tuesday, Feb 09, 2010 ×
これは情報があまりにも不足している。 提示された情報からは、相当に深刻な状況が発生していることが伺えるのだが、どういうわけか投稿者も話者もそこへ踏み入らない。 投稿者がそうなるのはわかるが、呪われた側・呪った側の双方の友人であるはずの話者が、まるで興味を示さないどころか心配すらしていないのが引っかかる。 本能から来る自己防衛なのかもしれないが。 また、呪われた側と呪った側がどういう人物なのかを話者は知っているはずなのだが、それらの情報すら書かれていない、ただホームでの出来事だけが書かれているというのも不自然に感じる。
投稿者はこれらの情報の欠落について、何の疑問も抱かなかったのだろうか。 あるいはいくつかの情報を伏せざるを得ない事情があったとしても、このような形になるくらいであれば投稿を見送るべきだったのではないだろうか。 |
名前: amorphous ¦ 19:20, Tuesday, Feb 09, 2010 ×
この事件は、文章の構成がまずいのか、非常にわかりすらいし、誰が、いつ、どうやって、どのようにされた起承転結の部分がよくわからないから。 でも犯人は、前野の生き霊だと思う。 |
名前: 天国 ¦ 22:55, Tuesday, Feb 09, 2010 ×
私がこの霊だったら、さっさと線路に突き落としますが…。 落とす前に痛めつけておきたいくらい憎かったのかな。
声だけで「前野?」と感付いていることから、それなりの付き合いがあったのだろうと思っていたので、亡くなったと聞いても「ふーん」で済ませてしまうことに違和感が。 声の主が前野君だと判断できる要素が他にあるのなら記しておいてほしかった。 何かと説明不足で、怪異であろう部分も偶然なのではないかと思えてしまいます。 日頃は人の出入りがどれくらいある駅なのかがわからず、いつの間にか人が増えていたと言われても、電車の来る時間に合わせて乗客が集まってきただけでは?と思えてしまったり。(いや、言いたいことはわかるんですが、そういった意地悪な見方もできてしまうということで) 二人が学校に来なくなった理由も、関連しているのかわかりません。
わからないから面白い、という系統のお話ではないので、悪い意味でわからずじまいになってしまっています。(-1) |
名前: 雨四光 ¦ 22:56, Tuesday, Feb 09, 2010 ×
文章0 内容0 怖さ0 ネタ0
なぜ高橋さんは「声」の主を前野君だと思ったのだろうか。怪異といえる怪異がそこのみのため、高橋君が音信不通になったこと、前野君が亡くなったことがあまり衝撃的でない。 |
名前: ぬんた ¦ 15:32, Wednesday, Feb 10, 2010 ×
一言で言うと情報不足です。台詞だけで三者の関係を言い表すなら、もう少し表現に工夫が必要かと思います。起こった現象自体はなかなかのものだと思いますが、独りよがりな文章がそれを伝え切れなかったのではないでしょうか。 ネタ・0 構成・−1 文章・−1 恐怖・0 |
名前: 一反木綿豆腐 ¦ 18:40, Wednesday, Feb 10, 2010 ×
文章力 0 稀少度 0 怖さ +1 衝撃度 0
音信不通になったり、「死んだってよ」といわれて「ふーん」と思ったきりというのは不自然な気がする。 「邪魔」と言われてすぐに声の主がわかったんでしょ? 一緒に帰るような友人がそれ以降突然音信不通になったんでしょ? もっと心配しない?それともホームでの怪奇現象が恐ろしくて、縁切り上等だったのかな。
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名前: つなき ¦ 11:34, Thursday, Feb 11, 2010 ×
この人たちの人間模様が気になりました。佐々木さんの「死んだってよ」「ふーん」というのが、ちょっと不自然に思えるのですが、ホームの一件からそんなことになりはしないかと予想していたからだとも考えられますね。…高橋さんの現状を想像するのが憚られます。
実際に見えない力によって、腕がねじあげられたりする現象はとても怖いです。相当の恨みとパワーを感じさせるます。生霊の念ということが読みとれますが、納得です。
・臨場感0 ・没入度0 ・表現0 ・恐怖+1
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名前: ダイタイダイダイ ¦ 23:40, Monday, Feb 15, 2010 ×
目に見えない忌まわしいモノからあんなに攻撃されたのに、 助かったあとは別段怯える風もなく多くを語らず 「さっきはありがとう、また明日」と言って去って行った高橋くん。
声のことや目の前で起こった怪異をすっ飛ばしていきなり 「なあ、前野と何かあった?」と聞く佐々木さん。
家ぐらい訪ねられるだろうに 学校に来なくなった友達の高橋くんとそのまま音信不通。
すべての原因であろう前野君にもそれについて 聞いたのか聞いてないのかそのまま卒業まで会わず・・
そして、その前野君が亡くなったと聞いての佐々木さんの 「ふーん」・・だ。 ふーん。。ってあんた!?
一体何なのだ?君たちは?? 何故そこまでドライなのだ。一体何があって 何を隠しているのだ?
そしてそんな不可解な2人の言動を これまたドライな目で綴る著者。 何を意図してその「ふーん」を最後に入れたのか。 それも疑問。
前野くんの生霊が引き起こしたと思われるすさまじい怨念は そのドライな文の印象のほうが勝ってしまい なにか薄れてしまった感がありました。
その怪異な関係が一番怖い(+1)
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名前: RON ¦ 18:20, Tuesday, Feb 16, 2010 ×
佐々木さんの無関心な態度が一番恐ろしかったです。 高橋さんと前野さんの失踪した関係について、何か思うところはなかったのでしょうか。襲撃直後の高橋さんの様子も気になります。 文章は読みやすいのですが、肝心なところが不明瞭だと感じました。
文章+1 構成-1
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名前: ランプ ¦ 23:44, Wednesday, Feb 24, 2010 ×
文章−1 恐怖1 希少0 魅力0
ふーん、で締められ「あ、そうなの?ふーん」と思ってしまった。 文中で、突然前野という名前が登場したので少し混乱しました。 体を張って助けた友達が学校に来なくなってそのまま放置しちゃったんですか。 本人と親しい友人が「死んだってよ」なんて冷たい言い方をする? 怪異自体より、色々と気持ちが悪い人間関係だなぁという印象の方が強いです。
人が亡くなってる、そして消息不明になっているのにここまで淡々とした文章で描かれている、という点が恐怖でした。 |
名前: 幻灯花 ¦ 14:40, Friday, Feb 26, 2010 ×
最初に読んでいて、怪異があった時にすぐ高橋君が「痛いっ痛っ、すいませんすいませんごめんなさいっ」と謝っていたのも、もしかしたら今までにも何らかの現象が起こっていたのかなぁ、と感じました。
だからこそ前野君のことを尋ねた時も、妙に冷静だったのかな、と。
ただ文章の書き方と、あまりの佐々木さん冷静さに共感しにくくなってしまい、そこをしっかり書かれていたらまだ違っていたのに、と勿体無い印象を受けました。
起きた怪異ももっと掘り下げて聞いてみたら、まだもっと違った感じになったと思うと残念です。 |
名前: 鶴斗 密喜 ¦ 22:32, Monday, Mar 01, 2010 ×
構成はうまくないけど起承転結はちゃんと出来てるし、怖いのは薄情な佐々木さんだから。 |
名前: 極楽 ¦ 16:48, Wednesday, Mar 03, 2010 ×
佐々木さん、「ふーん」ですか! たったそれだけなんですか!!!!
まあ人の死なんてそんなもんかも知れませんね。という佐々木さんなら同じ目にあっているかも。
話は、シンプルですが、とても怖いです。
文章=0 怪異=+2 心情=−1 合計=+1
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名前: 鏡餅 ¦ 10:58, Tuesday, Mar 09, 2010 ×
呪い系の話、でしょうか。 いきなり出てくる前野君、がよくわからず何度か読み直してしまいました。 また、最後の「ふーん」と思ったきり、というところは不要かと。 友人(?)が亡くなったのに「ふーん」で済ます体験者さんの人間性にも嫌な印象がついてしまいますね。
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名前: どくだみ茶 ¦ 21:28, Wednesday, Apr 07, 2010 ×
前半興味深かったのですが最後はなんとなく尻切れトンボな感じがしてしまいました |
名前: ゼリコ ¦ 22:13, Thursday, Apr 08, 2010 ×
怪談点…1 文章点…-1
見えない何者かには明らかに殺意があったようですね。 電車が入ってくる寸前にホームから落とされそうになるという状況は怖いなどというレベルではないでしょう。 ところが文章がそれを伝えていない。 妙にのんびりとしていて緊迫感がないのです。 前野くんという友人の呪いの所為のように匂わせるに留めている点は良いのですが、それもなんだか他人ごとのようで怖さが伝わってきません。 ホームでの一件のところなどは特に佐々木さんがどう感じたのかをしっかりと描写すれば全く変わったものになったでしょう。 全体的に厚さが足りないと思いました。 |
名前: C班 山田 ¦ 03:07, Monday, Apr 12, 2010 ×
生霊に関節技をかけられる(正確にはそれに近しい行為)というのは珍しく感じたが、あとは典型的な生霊話。結末部分、前野君の死に対してリアクションが小さいという佐々木さんの反応が一番興味深かった。 |
名前: 丸野都 ¦ 01:37, Monday, Apr 26, 2010 ×
ネタ・恐怖度:-1 文章・構成 :0
前野・高橋の両者に浅からぬ因縁が見え隠れするが、前野という名前の登場の唐突さに面食らった。明らかに怪異の中心にいると思われるこの前野なる人物が何者なのかが書かれておらず、ただ訃報が届いただけに留まっているので、もやもやした感覚が残る。 最終的に自らの命が枯渇する(と思われる)ほどの呪念だったにもかかわらず、それがどんな人物から発せられたかが判らない。中途半端な印象を受ける。
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名前: オーヴィル ¦ 23:27, Thursday, Apr 29, 2010 ×
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