超-1/2010審査用チェックリスト
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見たことはある筈だと、松木さんは実演してくれた。 トレーナーから片腕を抜いて懐に入れ、空いた袖口にもう片方の手首を突っ込む。 繋げた腕を上下させ、同時に、服の内側から懐中の手をリズミカルに突き上げる。 この行為、松木さんの学校では「心臓バクバク」と呼ばれ、一時期流行していた。
小学生の頃、松木さんは近所の神社の境内を遊び場にしていた。 その日は岡本君という友人と一緒だった。 おりしも冬の訪れ。ぶかぶかのトレーナーの二人はこぞって心臓バクバクを見せ合ったという。 岡本君のその日のパフォーマンスには、目を見張るものがあった。 普段大人しい彼からは想像もつかぬ、布地を破らんばかりの突き上げっぷり。 そのがむしゃらな動きを指差して、松木さんはスゲースゲーと抱腹絶倒した。 ふと見ると、当の岡本君は、顔面蒼白だった。 「…違う…違う…なあ、俺じゃないんだよ」 そういうと岡本君は震えながら、万歳をしてみせた。 暴力的な突き上げは続いている。 松木さんの笑顔が凍りついた瞬間。 岡本君の伸びきった襟首から、ズルリと腕が飛び出した。 小学生のものではありえない、生白く細長い大人の右腕だった。 絶叫が境内に木霊した。 岡本君を置いて逃げ出した松木さんは、家に帰るなり高熱を出して寝込んでしまった。 数日して登校すると、全く様子の変らない岡本君が笑顔でじゃれついてきた。 あの日と同じ、襟の伸びきったトレーナーを着ていた。 にもかかわらず、彼は神社の一件を、全く覚えていなかったという。
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受信: 00:25, Saturday, Feb 27, 2010
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受信: 00:08, Wednesday, Mar 03, 2010
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受信: 17:21, Tuesday, Mar 16, 2010
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受信: 23:56, Friday, Apr 02, 2010
■講評
文章力 0 稀少度 +1 怖さ 0 衝撃度 +1
「心臓バクバク」の説明がややこしい。だいたい想像はつくのだが曖昧だ。これが尾を引いて、怖さに没頭できなかった。 他人の手が自分の服の中にあるのは怖い。怖かった記憶が消えているというのはお約束だが、子供らの驚き騒ぐ様には臨場感がある。
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名前: つなき ¦ 10:20, Sunday, Feb 21, 2010 ×
他人の腕が自分の服の中に、というのは中々気持ち悪くて良かったです。 ただ、肝心の「心臓バクバク」がどういうものか分かり辛いのが残念。 |
名前: 捨て石 ¦ 13:51, Sunday, Feb 21, 2010 ×
懐かしいですね。あれ、心臓バクバクって言うんですね。 ストライクな世代なのでイメージは出来ますが、この文章ではちょっと解り辛いですね。 確かに言葉にするには難しい動きでありますが、もうちょっと整頓する必要はありそうに思います。 子供の遊びに加わるとはなかなかお茶目なようにも思えて、ちょっと珍しさを感じました。 ただ、手が襟首から出てきた時、向きとかどこまで出たとか、どういう感じで現れたかをもう少し描写が欲しかったところです。動きとしてはインパクトがありそうなのに、ちょっとあっさりと書かれすぎた感がありました。
文章:0 希少性:1
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名前: ていさつUFO ¦ 19:03, Sunday, Feb 21, 2010 ×
この岡本くんと松木くんのやっていることが、大問題であるから。大体、神社で片腕を抜いて懐に入れ、空いた袖口にもう片方の手首を突っ込み、服の内側から懐中の手をリズムカルに突き上げる動作を「心臓パクパク」とは?「神様の前で馬鹿にするのもいいかげんにしなさい!」と言いたいから。おそらく生白く細長い大人の腕は、病人の真似なんかして罰があたったのではないのか?と思ったから。 |
名前: 天国 ¦ 20:35, Sunday, Feb 21, 2010 ×
[心臓バクバク]は 私も最近やったことがあるが (最近て) この説明では解り難いのでは・・と思った。
岡本くんのどちらかの手は その大人の手を触っていたのだろうか。 記憶が無いという以上聞くすべもないけど。
文章は特に破綻もなくすんなり情景が 浮かんだ。 最低限の情報は入っているし ネタの内容と文の長さも丁度いいと思える。
怪:1 文章:1
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名前: RON ¦ 11:03, Tuesday, Feb 23, 2010 ×
腕はどの部分まであったんでしょう。蛇のように飛び出たんでしょうか。 もっと克明に描写が欲しいところです。 |
名前: ぬんた ¦ 13:52, Tuesday, Feb 23, 2010 ×
全く同じ遊びが子供の頃に流行していた。 ただし呼び名は「ど根性ガエル」だったが。
内容に見合った長さで、腕の妖艶さも伝わってくる。 ただ、話者の熱については怪との関係が薄い(興奮状態による発熱は子供にはよくあること)なので、削っても良かったように思う。 また、肝心の「心臓バクバク」のやり方が多少わかりづらい。 実践すればある程度は把握できるように書かれてはいるが、そこをやらずとも想起できるよう描けていれば更に良くなったと思われる。 |
名前: amorphous ¦ 20:27, Tuesday, Feb 23, 2010 ×
あっ、これ! 友達は映画を真似て、「エイリアン誕生!」って言いながらやってました。
名パフォーマンスの描写が冷静だけど馬鹿馬鹿しくて(誉め言葉です)、声を出して笑ってしまった。お陰ですっかり、その場にいるような気分に。 松木さんと共に、サーッと素に戻り、腕が現れた途端に逃げ出しました。岡本君ごめん。(+1)
神社でふざけてて罰が当たった?そんなに不謹慎でもないか。それに、やった本人が覚えてないんじゃ意味がない。 松木さんだけを狙ってからかったのかなあ。心臓バクバクに絡んではいるけれど、真の目的がわからないところが面白いです。(+1) |
名前: 雨四光 ¦ 02:59, Wednesday, Feb 24, 2010 ×
なんでしょうね? 狐狸妖怪の類の悪ふざけのような気もします。その場に居るような気にさせてくれる文章は、なかなかのものだと思いました。 ネタ・0 構成・0 文章・1 恐怖・0 |
名前: 一反木綿豆腐 ¦ 12:04, Wednesday, Feb 24, 2010 ×
これは怖い! ツボを突かれました! 状況がその場にいるかのようにありありと浮かぶ文章と描写…おそらく事実が過不足なく描かれている結果だと思われます。友人を置いて逃げだし高熱を出して寝込む松木さんと、何も覚えていない岡本君。その数日間(もしくは逃げ出した直後)に、いったい何があったのかが恐ろしい。襟の伸びきったトレーナーというアイテムが、「何があったのか」を想像するのをはばかられるほどに気持ち悪いです。
>ズルリと腕が飛び出した >生白く細長い大人の右腕 という描写が、なんというかすごいエロティシズムを感じさせるんですよね。
・臨場感+1 ・没入度+1 ・表現+1 ・恐怖+1 |
名前: ダイタイダイダイ ¦ 00:18, Thursday, Mar 04, 2010 ×
自分の服の中に他人の手があると考えるだけですごく怖いから。 |
名前: 極楽 ¦ 15:31, Tuesday, Mar 09, 2010 ×
文章0 恐怖1 希少1 魅力1
臨場感があって面白かったです。 怪に気付かずはしゃぐ松木少年と、有り得ない事態が自分の胸元で起きている岡本少年、そのギャップというか、温度差って怖いなぁ。 右腕はきっと、混ざりたかったんですよ、うん。 三つの視点を楽しめる、怖くて面白い二度美味しい作品ですね。ごちそうさまでした。
心臓バクバクの説明は、私は知っていたのですんなり入っていけましたが何も知らない方が読んですんなりイメージ出来るのかどうか? こういうのって本当に文章に起こす時、困りますよね……。 ちなみに私達の間でのその遊びの掛け声は「エイリアーーーン!!」でした。 |
名前: 幻灯花 ¦ 11:26, Thursday, Mar 18, 2010 ×
何とも不思議としか言いようがないですね。
でも岡本君は忘れられて良かったのかも。 当事者だけに、トレーナーを見るたび、思い出してしまうのも辛いような。 しっかりと見てしまい、覚えている松木さんはお気の毒ですが…。
岡本君は熱を出さなかったのかな?
文章は読みやすかったです。 |
名前: 鶴斗 密喜 ¦ 19:55, Saturday, Mar 20, 2010 ×
類話はよく聞くけれど、こういうシチュエーションは珍しいですね 岡本君の焦りっぷりが目に浮びます 怖かったです |
名前: ゼリコ ¦ 18:18, Sunday, Apr 04, 2010 ×
今から思えばどうしてそんな事が面白かったのだろう、と思う子供の頃の遊びや悪ふざけがありますが。 これは子供の頃の思い出に焼き付いてしまった厭な話ですね。 何かよからぬ存在が子供たちを驚かせた、というところなのでしょうか。
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名前: どくだみ茶 ¦ 22:04, Thursday, Apr 08, 2010 ×
怪談点・・・1 文章点・・・1
シンプルかつ解りやすい怪異。 まるで話自体が悪ふざけのようです。 またその語り口も勢いがあり、内容と合っています。 「心臓バクバク」というふざけたような題名もこの話にはピッタリ。 そして最後の一文も効果満点でした。 |
名前: C班 山田 ¦ 02:30, Monday, Apr 19, 2010 ×
この遊びをしたことが無かったので、すんなり入れなかったです。ローカルの遊びなのかな? うーむ。 |
名前: 丸野都 ¦ 23:41, Monday, Apr 26, 2010 ×
ネタ・恐怖度:1 文章・構成 :0
冒頭の箇所で「ああ、小さい頃やったやった」と手を打ってしまった。懐かしい。もっとも、遊びに名前はつけていなかったが。 この遊びを知っている者にとってはすんなり状況を思い浮かべることができるので話に入り込めるだろうが、知らない者にとってはどうなのだろうと一抹の不安を覚えた。 脈打つのみならず、襟元からずるりと出てこられてはたまらない。記憶をなくしたのはむしろ幸いだったのでは。
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名前: オーヴィル ¦ 21:22, Thursday, Apr 29, 2010 ×
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