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コロコロ
 のどかな東北のある村での春、4歳の美由紀さんは庭に面した廊下に座ってひなたぼっこをしていた。
 母と祖母が朝食の後片付けをするカチャカチャという音をBGMにうとうとしていると、目の前を何かが横切った気がした。
 見ると美由紀さんのすぐ右横で、何かがスッと消えていくところだった。
 何かが消えた空間を眺めていると、また何かが転がってきて見えない壁でもあるかのように同じ場所でスッと消えた。
 今度は左を見てみると、やはり何も無い空間から大きな白いボタンが現れて転がってきた。
 
 丸く巻かれたロープの束。
 レコードディスク 。
 ガムテープ。 
 ドアノブ。
 と、様々な直径50cmほどの丸いものが廊下の上を3秒ほどかけて、突然現れてはころころ回りながら目の前を横切って消えていく。
 あらゆる丸い物が通り過ぎるのをぽかんと見守っていると、今までと違う物が転がってきた。
 白く丸い皿に、5対5の見事な比率で盛られたカレーライス。
 全くこぼれないので、ルーもごはんも固まっているのだろうかと不思議に思い、思わず右手をルーに向けて突っ込んだ。
 べちゃっ
 カレーライスがビクッと跳ねた気がした。
 しかしそれどころではない。とても熱い。
 びっくりした美由紀さんは大声で身をよじって泣き叫んでいた。
 駆けつけたお母さんは美由紀さんの右手を見て悲鳴をあげた。
「あんた、手泥まみれじゃないの!」
 畳を汚さないようにとお母さんは美由紀さんを抱えあげ流しに連れて行くと、怒りながらその手をごしごしと洗った。
 廊下についた汚れを落としてきた祖母が雑巾の匂いを嗅ぎながら「なんだかなぁ、カレーの匂いがすっだども…」とぼやいていたが、美由紀さん自身今見た光景がよくわからずにひたすら俯いていたそうだ。

「ちょっと味見しとけば良かったと思います。美味しかったかもしれないし」
 丸い物の行進を見たのは一度きりだそうである。




07:58, Saturday, Apr 03, 2010 ¦ 固定リンク ¦ 講評(19) ¦ 講評を書く ¦ トラックバック(4) ¦ 携帯


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これはなかなか面白い光景を目撃されたようです。しかも、熱さや匂いまである。その点は希少だと。直径50cmのガムテープやドアノブで一瞬違和感を感じるが、恐らく狐や狸の仕業かと思うと、合点がいく。味のある怪異だと判断する。〔文章〕+1、〔希少〕+1 ... 続きを読む

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幼い子どもが体験した怪異であるが、実に希少でなおかつほのぼのとした印象が強く、まさに“現代民話”と言ってもあながちおかしくないような話である。 出てきたものが“直径50cm”の丸い形をした品物ばかり、それがコロコロと目の前を通り過ぎるだけの怪異であるか .. ... 続きを読む

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文章+1 怪異+1文章が過不足なく書かれ、さらに怪異の状況もとてもイメージしやすいです。怪異に対しての体験者の反応もとてもよく譖... ... 続きを読む

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■講評

シュールでなかなかの投げっぱなし感ですね。
しかも、転がるものが50cm程というのも興味深いです。
いや、カレーも不思議なのですが、それよりも気になるのが、いくらなんでもでかすぎるでしょう。50cmのドアノブ。
これは狸か何かが擬態してるんでしょうかね?
どこかのどかな印象のある、不思議な話でした。

文章の方、ノスタルジックなタッチの割りに「BGM」という表現が用いられている点に違和感を覚えましたが、全体的には雰囲気があって解り易さ、読み易さ共にあったように思えます。

文章:1
希少性:1

名前: ていさつUFO ¦ 22:24, Saturday, Apr 03, 2010 ×


美由紀さんの見た光景は、泥をカレーライスに変身させる魔法のコロコロ?何だか都合良いから。

名前: 天国 ¦ 23:11, Saturday, Apr 03, 2010 ×


狐、狸などに化かされたような話ですね
しかし何故カレーだったのでしょう
不思議

名前: ゼリコ ¦ 23:59, Saturday, Apr 03, 2010 ×


4歳の子供が視るのに見合った怪とでも
言いますか、可愛らしい現象で良かったです。

穿った見方で言うと、4歳の子供が5対5の見事な比率
を見てとれたり3秒の時間感覚が測れるだろうかと
思ってしまいましたが。
遠い記憶を手繰り寄せた体験者の記憶力勝ちか。

タヌキや妖怪だろうか。しかし触った感触があったり
実際にこぼれていたと言うのは面白い。

のどかな情景に溶け込んだようなのどかな怪です。


希少:1

名前: RON ¦ 18:33, Sunday, Apr 04, 2010 ×


文章力  +1
稀少度  +1
怖さ     0
衝撃度   0

単に物品が通り過ぎていっただけならば幼い子供の幻想と思えるが、触ったものがリアルに熱くて泣いちゃった、というのは尋常ではない。しかもカレー臭気は残っていたという。
怖い話というよりも不思議譚というべきだが、なんだかほのぼのとした怪談だった。

   

名前: つなき ¦ 23:30, Wednesday, Apr 07, 2010 ×


四歳の頃の記憶が、これほど鮮明に残っているとは、よほど印象深かったのでしょう。個人的には、ルーと御飯の比率は7対3が好みです。
ネタ・0 構成・0 文章・0 恐怖・0

名前: 一反木綿豆腐 ¦ 12:04, Saturday, Apr 10, 2010 ×


 相当に珍しく、かつ何が何だかさっぱりわからない、まさに怪(あやし)そのものである。
 転がるものの共通点は丸いものだというのみで、その大きさや材質、厚みに至るまでバラバラである。
 しかもアツアツのカレーライスを載せたままの皿まで直立して転がり、触れたというのは凄い。

 不条理怪談として最上の部類であり、類話など出てきそうにないほど希有な体験である。
 文章にも過不足なく読みやすく、そして状況が掴みやすく丁寧である。

 余談だが、話者は味見をしなくて正解だと思われる。
 これが狐狸妖怪の仕業であるならば、その素材は決まって牛馬の糞だからだ。

名前: amorphous ¦ 19:41, Monday, Apr 12, 2010 ×


面白いお話だと思います。
が、四歳の頃の事をどれくらい鮮明に覚えているのかな、とも思いました。
みなさんは四歳頃の事をどれだけはっきりと覚えてらっしゃいますか?
とはいっても十歳の時に四歳頃の事を思い出すのと、八十歳になってから四歳頃の事を思い出すのは内容に開きがあるとは思いますが。
また、幼稚園にもあがらない幼児には、その時自分がいくつだ、という自覚もほとんど無いと思うので、当時四歳だった、というのは後からご家族にでも教えてもらったのでしょうか?



名前: どくだみ茶 ¦ 15:03, Wednesday, Apr 14, 2010 ×


何とも不思議なものを見たのですね。

幼い頃の美由紀さんは退屈しない毎日を送っていたんだろうな、と思わず微笑ましく思ってしまいました。

怖さは無いけれど、余りにも突拍子の無い話で、それがまた印象に残る作品で、個人的にこのお話は好きですね。

名前: 鶴斗 密喜 ¦ 02:32, Sunday, Apr 18, 2010 ×


きたー、美由紀さん。
今回も面白いものを見てますね。こういう体験なら羨ましいですよ。
本人は怖かったんだろうけど、なぜだかいつも笑えるのです。

みんな直径50センチなんですか?でかいなあ。
皿が垂直に立って転がるカレーライス。再現のしようがないだけに気になる。
そして、またというか、やっぱりというか、手を出してしまったんですね美由紀さんは。熱かったのに残っているのは匂いだけだなんて。
お母さんとお祖母さんにはどのように見えていたんだろう。カレーのような泥ですかね。
化かされたんでしょうけども、子供が大好きなカレーライスで釣るあたり、クオリティが高い。

筆者さんの表現が、これまたいちいち面白いんですよ。「5対5の見事な比率」とか。テンポも良いので、余計なことに気を取られずに楽しめます。
あー。美由紀さんシリーズもっと読みたい。丸一冊分くらい取材してきてください。そんな希望も含めて満点で。(+4)

名前: 雨四光 ¦ 00:29, Saturday, Apr 24, 2010 ×


あっはっは。何ともかわいらしい。
これ、見る人によってはカレーライスではないものが見えたのかもしれませんね。
狐や狸の仕業でしょうか。妖怪というよりは、狐狸の類いの悪戯のように見えます。
大変ほのぼのさせて頂きました。
いいなあ。

名前: 捨て石 ¦ 01:22, Tuesday, Apr 27, 2010 ×


「丸いもの」というのが、怪異なのにちょっと可愛らしい印象ですね。カレーの匂いを、おばあさまは感じられたようですが、お母さまには判らなかったのでしょうか。泥で汚れた娘さんを見て、それどころではなかったのかもしれませんが、気になりました。

美由紀さん、火傷とかはされていなかったようでよかったですね。 熱いという感覚も実際は幻で、何モノかが「美由紀さんの脳に直接」働きかけで味あわせた感覚なのかなと思いました。味見はされてない方が良かったかなと思いましたが、術中にはまっていらした最中でしたら、至高の美味を感じられていたかもしれんせんね。

情景が止まることなく、目の前に浮かんでくる文章でした。

・臨場感+1 ・没入度+1 ・表現+1 ・恐怖0

名前: ダイタイダイダイ ¦ 19:34, Tuesday, Apr 27, 2010 ×


ネタ・恐怖度:1
文章・構成 :0 

度胸あるなあ美由紀さん。手を突っ込んでみただけで飽き足らず、味見しなかったことを後悔するとは。 百鬼夜行にも似た、なんとも幻想的な話である(転がっていた物そのものは幻想的とは言い難いが)。

名前: オーヴィル ¦ 17:38, Wednesday, Apr 28, 2010 ×


直径50センチのドアノブとガムテ…大きすぎ?とおもったが、ひょっとしたら美由紀さんにアピールする為に大きくなった?って感じでしょうか。(だって流石にそのサイズの白いボタンって何に使うのかしら。)
極めつけのカレー、明らかに子供の好きそうな物、子供に分かりやすい様な物のオンパレードですし。
ただ、何の為に転がっていたのかは不明ですが、遊んであげたのか、気を引きたかったのか。
不思議で怖くは無い、逆にカレーに手を出した美由紀さんが怖い(子供は怖い物知らずだ)
カレーどんな味がしたのか気になる。

状況を想像すると楽しい +1
可愛い話 +1

名前: ume ¦ 23:10, Wednesday, Apr 28, 2010 ×


一見して楽しいお話です。
しかしお母さんには泥に見えて、その間にも美由紀さんにはカレーに見えてたのでしょうか?
あるいはカレーだと思ったものが泥になって、匂いだけ化けた残滓として残った?

書かれた方も分からないのでぼかしたか、書きながらご自分で気付かなかったかだと思うのですが、どうにもそこが気になります。
「とても熱かった」という点にひそかな害意を感じ取れるからかもしれません。
カレーを転がしてびっくりさせただけなのか、あるいは泥を食わせようとしていたのか。
このどちらかで話は全く別物になってしまいますから。
でも四歳の頃の記憶じゃあ、そこまで思いだすのは難しいでしょうね。

名前: キャザリー ¦ 00:41, Thursday, Apr 29, 2010 ×


文章1 恐怖0 希少1 魅力1(なんだか可愛い)

ロープの束なんかは良いとして、50cmのドアノブとかボタンって……でかっ。
本当に何だったんだ。
遊ばれたのか遊んでもらったのかわからないが、これはビックリするよなぁ。
ちなみに私は2歳の時の記憶が鮮明にあります。
幼少の頃の記憶が残ってることってそんなに珍しいのかな?

名前: 幻灯花 ¦ 00:53, Thursday, Apr 29, 2010 ×


丸いもの大盤振る舞い、といった印象ですね。「不思議だなぁ」以上のものを感じなかったので一点です。

名前: 丸野都 ¦ 23:43, Thursday, Apr 29, 2010 ×


怪談点…1
文章点…1

カレーライスですか…。
カレー好きには堪らん怪異、というわけでもありませんが、見るからに楽しげな怪異です。
そんな光景をぽかんと見つめ、最後には手まで出してしまうのは小さい子供ならではの反応でしょう。
しかもそれを触ると手に泥が付いたということですので、狸や狐の類の仕業ではないかとも思えます。
味見していたら多分泥の味しかしなかったでしょうね。

突拍子の無い不条理な出来事であり、希少であると思います。

名前: C班 山田 ¦ 01:48, Friday, Apr 30, 2010 ×


カレー、味見してたらどうなってたでしょうね。
これはきっと美由紀さんの気を引こうとした狐狸の類だったんじゃないかと思います。


名前: 極楽 ¦ 15:40, Friday, Apr 30, 2010 ×


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