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夢、あるいは……
「飛ぶ夢をしばらく見ないという話をしたら、その夜久しぶりに飛ぶ夢を見たのです」
 どこかで聞いた詩の一節のような言葉を呟く見知らぬ女に、いきなり左腕を掴まれた。
 時刻は夜の十一時過ぎ、場所はそこそこ大きなターミナル駅である。
 券売機の前で料金表とにらめっこしていた美保さんは、ただただ呆気に取られてしまった。
 女はパッと見、少女のような可愛らしい格好をしていたが実際の年齢はよく分からない。
 酷くやつれていて、妙にリアルな赤ん坊の人形をか細い腕で抱き締めている。
 美保さんが狼狽したままその場で固まっていると、女は続きを話し始めた。
「いつものように、近所を飛んでお稲荷さんの鳥居の前で宙返りをしたのです。そうしたら……」
 無表情で抑揚もない話を続ける、能面のような女にからまれて、美保さんは身の危険を感じた。
「ちょ、ちょっと!」
 精一杯振り払おうとしたが、女の手は意外に強く、掴まれた腕は自由にならない。
「勘弁してよ、もう……」
 そんな状況でも、気持ちにどこか余裕があったのは確かであった。
 夜遅い時間帯とはいえ周囲にはそれなりに人通りもあったし、大声を出せば駅員も飛んでくるだろうと思ったからである。
 あえて、大声を上げて周囲に助けを求める気にはなれなかった。
 この時点では。
「ヨシオカさんの奥さんが犬を連れて通りかかりました。犬は私を見て吠えました。あの犬は私を見るといつも吠えるのです」 
 能面女の曇った瞳は、美保さんを見ていなかった。
 どこか遠くに視線を預けたまま、ぼそぼそと語りかける。
 美保さんも本能に従って、女の顔に視線を向けなかった。
 ふと目に入ってきた能面女の手首には、蚯蚓腫れのような赤い傷跡が幾筋も並んでいる。
「それから工場の裏手に飛んで私は見たのです。イズミちゃんが一人で生んだエイジを黒い男達が埋めているところを。エイジはたくさんたくさん血を流していたから、多分死んでいたのだと思います。私は驚いてただそれを見ていました。男達は急に揃えたように私の方を振り返りました。私はびっくりしたせいで、落ちて膝をすりむきました」
 思わず、美保さんは女の膝小僧を凝視した。
 数日前に擦り剥いて放置していたらしく、化膿してしまったらしい傷が確かに女の膝にはあった。
 唐突に能面女が美保さんの耳元に口を寄せる。
 まるで、重要な秘密を打ち明けるのだと言わんばかりに。
 今まで嗅いだことも無い悪臭が、美保さんの鼻腔を責め立てる。
「……それ以来、私は目が醒めないのです」
 その瞬間、女が凄い勢いで引き離された。
 一瞬、誰かが助けてくれたのかもしれないと思い、目線を上げた美保さんの全身が一気に粟立った。
 自分を救ってくれたのは、黒服を身に纏った二人組の男性だった。
 一人は堂々たる恰幅をした長髪の男で、もう一人は刈り込んだ短髪で中肉中背の男。
 えっ、黒い男、たち?
 女の戯言なんて信じていなかったし、ちゃんと聞いてもいなかった。
 何て言ってただろうか、殺した、じゃなくて埋めた?
 確かに、そう言っていた。
 頭の中が混乱していく一方で、美保さんはこうも思っていた。
 どこかの施設の職員が、あの女の人を連れ戻しに来たのだろう、と。
 ああ、助かった。
 だが、その考えも一瞬で崩れ落ちてしまった。
 女を殴り始めたのである。
 二人組の黒い男達が、力一杯能面女を殴っている。
 美保さんは、酔っぱらいが誰かを殴っている所は見た経験があった。
 だが、酔っぱらいのそれとは違う。整然とし過ぎている。二人の男の動きには、感情という物が全く感じられない。
 拳でこっぴどく殴られている女が、怪鳥を思わせる叫び声を上げ続けている。
 耐えきれなくなった美保さんは、両耳を手で塞いだ。
 しかし、目を閉じることは出来なかった。
 大声を上げることも、出来なかった。
 男達が拳を振り上げる度に、血飛沫とブヨブヨとした物体が辺り一面に飛び散っていく。
 それらは美保さんの服にも舞い降りて、赤黒い染みを幾つも付ける。
 こんな惨状にも関わらず、誰一人助けには来てくれない。
……あんなにたくさん血が流れているのに。
……あんなに凄い悲鳴を上げているのに。
 まるで何も見えていないかのように、たくさんの人々が傍を通り過ぎる。
 ブランドものの淡いスーツを着た若い女。
 そんな高級そうな服を血で汚されても、何事も無かったかのように改札口へ吸い込まれていく。
 くたびれたスーツを身に纏った、眼鏡をかけた中年のサラリーマン。
 眼鏡が能面女の血で塗れても、気付かずに家路を急いでいる。
 美保さんは何が何だか分からなくなってしまった。
 随分長い時間が過ぎたように思えた頃、黒い男達が揃ったように美保さんを振り返った。
 冷酷かつ無慈悲な四の瞳が、美保さんを射抜く。
 能面女は男達の足下で倒れ伏して、痙攣のように身体が小刻みに顫動している。
 蛇蝎が這いずり回るような感覚が襲いかかり、それが固まりとなって美保さんの背中を押し遣った。
 弾かれたように、彼女は走り出した。
 本能の赴くまま、駅とは反対方向へ必死に逃げていく。
 事態が全く飲み込めないが、とにかく逃げるしかない。
 走る。ただひたすら、走る。
 怖くて後ろを振り返られない。
 途中ヒールが折れて転んだが、怯みもせずに前だけを見続けた。
 結局、一度も振り返ることは出来なかった。
 走りに走って、隣駅の電車に駆け込む。
 美保さんが車内に駆け込むとほとんど同時に、電車は大儀そうに動き出した。

 公共の車内では、血飛沫で汚れた彼女の服を気にする者は誰一人としていなかった。
 家に帰っても家族ですら、何事も言及してくれなかった。
「ホント不思議なんだけど、誰にも見えてなかったのかもしれないわよね」
 美保さんの左手首には、火傷のような痕が残っている。
 誰かが掴んでいたかのような、掌のような形状をした痕が痛々しい。

 それから間もなく、美保さんからのメールを受け取った。
 黒い男達が家の周りを見張っているので外に出るのが怖い、といった内容である。
 文章の最後には、こう記してあった。
「夢の中の出来事だとは思えないんです。だって、夢だとしたら、私の夢はあれ以来醒めていないわけでしょう!」

 あのメールから数日後、彼女はふらりと家を出て、それ以来戻っていない。




03:44, Sunday, Apr 04, 2010 ¦ 固定リンク ¦ 講評(17) ¦ 講評を書く ¦ トラックバック(4) ¦ 携帯


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■講評

読んでいて夢とうつつの区別がつきにくかったです

名前: ゼリコ ¦ 21:21, Sunday, Apr 04, 2010 ×


美保さん!残念だけどそれは悪い夢を見てたとしか言いようがないし、高級そうなブランド服に身を包んだ淡い色のスーツを着た能面女を黒い二人組の男が拳で力一杯殴られている様は、異様な光景だし、そんな映像をたとえ夢だとしても見たら、そいつらがおそいかかるんではないかと邪推し、消息不明になるのも理解できるから。

名前: 天国 ¦ 00:09, Monday, Apr 05, 2010 ×


明らかに現われた怪異としては、手首の残った火傷のような痕だけではないでしょうか。それ以外は、現実にあっても不思議ではないような気がします。危ない人をもっと危ない人たちが暴行したということならば、怪異ではなく『事件』の範疇に入るのでは。
ネタ・−1 構成・−1 文章・−1 恐怖・−1

名前: 一反木綿豆腐 ¦ 16:16, Monday, Apr 05, 2010 ×


怪異か…と言われると、ちょっと微妙な感がありますね。
こんな事言うとアレなんですが、最初から美保さんの幻覚だったという可能性も捨てきれません。
いや、人から人へ伝染する幻覚…と考えると、怖くはなりますが……。

文章の方は読み易く、なかなか描写される状況にも迫力がありました。
その文章力で、この話の怪異らしさをより引き出せてると良かったかなぁと思います。

文章:1
希少性:0

名前: ていさつUFO ¦ 21:38, Monday, Apr 05, 2010 ×


これはかなり困った。困ったというのはタイトル通り
夢とも何ともつかないからである。
何せ体験者自身が失踪してしまった。
メールも、もう通じないのだろうか。

物理的な証拠の左手首の火傷のような痣も本人が
それについて何とも言ってない故に女に掴まれた
痕とも限らない。

夢の話をされていたはずなのに、嬰児を埋めていた
黒い男達が実際に現れた。しかし他の誰にも見えて
いない様子。
ならばそれは全部体験者自身の夢だったのか。。
男達が自分のところにも来たと言っているのも。
現実をしめすものが何もないが為に判断しようが無い。

美保さんも夢から醒めない夢を誰かに語っているの
だろうか。そして話された者もまた黒い男達に怯え
失踪して・・
いつ自分のところにやってきてもおかしくないと言う
この話は都市伝説の類であればかなりの怖さである
と思う。
しかし、この実話怪談と言う名目においてはやはり
実話であるということを提示するものが無ければ
都市伝説と疑われてしまう。

文章は読み手を引き込む筆力のある著者だと感じた(+1)

名前: RON ¦ 10:55, Tuesday, Apr 06, 2010 ×


文章力  +1
稀少度   0
怖さ     0
衝撃度   0

不気味な雰囲気はかうが、これは怪談というよりも不条理系もしくはサイコスリラーの系統に入れたい。
メン・イン・ブラックが出てくるところや、暴行のシーン、子供を埋める云々、ちょっと普通の怪談とは毛色が違う。幻覚?妄想?
確かに手首には傷跡が残っていたそうで、その理由付けは上手くできないが、どうも素直に「お化けの話」とは受け取れないのだ。

名前: つなき ¦ 23:59, Thursday, Apr 08, 2010 ×


 これを実話怪談と捉えるのはかなり厳しい。
 本編となる話者が体験したエピソードであるが、その中に怪が見当たらない。
 女が街を飛ぶ(幽体離脱?)というのは女自身の主張のみであり、様々な目撃談が出てくるがそれを裏付けるものはなにもない。
 さらに女を襲撃した黒い男の凶行と通行人の反応だが、これも現実としてあり得る事である。
 割って入って女を助けようとするヒーローは、残念ながらそうそういるものではない。
 黒い男については、女の発言と関連があるかどうかもわからず、他の関連性と凶行の理由があった可能性もある。
 血痕についても、それが目立たぬ程度であれば気づかれず、かなり目立つようであれば逆に触れるべきでないと判断することもあり得る。

 そして結末である。
 見張られていたというのが事実なのかどうか。
 申し訳ないが、被害妄想ではないかと疑ってしまう。
 そしてその疑念は街でのエピソードへと向いてしまう。
 そうなると、信ずるべき要素がなくなってしまう。

 一見意味不明なメールの内容は、話者が女とシンクロしていることを示唆しているのかもしれないが、それも被害妄想の末であり、もしかしたら全てが彼女の中で生まれた虚構なのではと思えてしまう。
 そのせいか、失踪という出来事ですら現実味を感じない。

 明確に怪だと言い切れる核がないために、著しく現実味を欠いている。
 実話なのかもしれないが、そう感じ取ることが出来なかった。

名前: amorphous ¦ 23:39, Saturday, Apr 10, 2010 ×


弱りました。

体験者から語られた話を信じない訳ではないのですが、ただ、物理的な証拠がその「火傷のような痕」だけだと、怪異としては弱いかと思います。

「美保さん」が全て作り話をしているという訳では無いのですが、本人が失踪してしまっている以上、追加で情報を得ることも不可能。さて弱りました。

文章は良かったのですが、怪異かどうか悩ましい所なのでこの点数で。

名前: 捨て石 ¦ 08:40, Monday, Apr 12, 2010 ×


実話怪談というより怪奇小説の様です。
特に最後の一行が。


名前: どくだみ茶 ¦ 16:25, Wednesday, Apr 14, 2010 ×


困った…。
美保さんは確かにそのような目に遭ったかもしれない。
ただ美保さんの性格や、普段の日常の記述が一切見られない為、どこまでが現実でどこまでが幻覚などに入ってしまうか判別しにくいのです。

普段からまったく霊現象の類など信じていない美保さん、などということなどが書いてあったらまだ印象は違ったと思われます。

そして悲しいことに、現実に女の人が襲われていても颯爽と現れて助ける、などはかなり難しい世の中になってしまっており、見てみぬふりも多々あるでしょう。
服に付着した血飛沫も、その服の色によって気付かなかったり、そのような模様と思われた可能性もあります。

そして実際に最後の文章で「見張られている」ということは口外しないか確かめている、とも取れるので、それは怪異ではなく現実の問題になってしまいます。

かなり悩んだのですが、この点数で。
美保さんが無事に戻って来るのを願うと同時に、早く警察なりに届けを出した方が…と心配になってしまいました。

名前: 鶴斗 密喜 ¦ 18:32, Sunday, Apr 18, 2010 ×


何だかややこしいな…。記憶と夢と霊体験のリレー?
駅で会った女とイズミちゃんに共通しているのは「赤ん坊」、美保さんにも共通点しているのは「黒い男達」ですね。
まずはイズミちゃんが、黒い男達に子供を奪われ、やがて亡くなる。
その記憶をイズミちゃんから引き継いだ女は、赤ん坊の人形を抱くようになり、空を飛ぶ夢の中で経緯を覗き、男達に追われる羽目に。そして手首を切って亡くなる。
それを美保さんに引き継ごうとしている最中に男達が現れてしまい、美保さんも追われる立場に。しかし全てが夢の中なのかさえも区別できなくなってしまった。
…ということ?我ながら強引すぎてイヤになってきました…。

耳を傾ける気もない美保さんが、脈絡のない女の話をここまで覚えてられるかなあ。
記憶を植えつけられたのだろうと思う反面、夢や妄想ならいくらでも…と思ってしまいました。
駅で会った女は、ちょっと精神面に問題があるように見えるのです(霊体の精神状態がどうのというのもおかしいけれど)。
美保さんに何と何が引き継がれているのか、夢と現実の区別がつく状態を維持できているのかが判別しがたく、お手上げです。(-1)

美保さんが無事でありますように。確実に言えることはそれだけです。

名前: 雨四光 ¦ 01:27, Tuesday, Apr 27, 2010 ×


ネタ・恐怖度:1
文章・構成 :0 

個人的に好きな話なんだけど……判断に困るなあコレは。
能面女の夢が具現化したところまではいい。けど、美保さんの最後の文で評価がひっくり返る。錯乱した精神が現実の出来事を夢の出来事に摩り替えてしまった、とも読み取れてしまうから。 実話怪談として、いやそもそも怪談として受け取っていいものなのだろうか。話としては好きなんだけどなあ、うーん……。

名前: オーヴィル ¦ 03:34, Wednesday, Apr 28, 2010 ×


「伝染性」のモノなのでしょうか? 美保さんはどうなってしまったのでしょうか。とても気がかりです。能面女の末路から、美保さんの行く末を連想してしまう失礼をお許しください。

美保さんのお身内の方が捜索願等出されていないのかとか、お節介を考えてしまいますが、なかなか他人がそれを知る術もないですよね。

読み始めは、いわゆる「サイコさん系」のお話かなと思いましたが、散った血が他の人には見えないということで「怪異」なんだと判断しました。その血を認識してしまったことで、美保さんは巻き込まれたのでしょうか。それとも掌の形の火傷のような痕が、なんらかの印になってしまったのでしょうか。もしかすると、能面女がなんらかの理由で美保さんに狙いを定めてしまったのかもしれません。次々と不謹慎な想像ばかり、申し訳ありません。

書き出しからお話に引き込まれました。文章がとても判り易く、情景がありありと浮かんできました。

・臨場感0 ・没入度0 ・表現+1 ・恐怖+1

名前: ダイタイダイダイ ¦ 00:22, Thursday, Apr 29, 2010 ×


文章−1 恐怖1 希少0 魅力0

男が二人がかりで女性をぼこぼこにしているにも関わらず、助けない人は大勢いますが見えていないかのように通り過ぎてしまう人はまずいないでしょう。
万が一そうであったとしてもそんな悲鳴をあげているなら駅員は気付きます。
駅員がそれに気付けば傍観などまずありえません。
現実的に有り得るかもしれないと言ってしまえば、ほとんど全てが無理矢理なこじつけで有り得てしまうことです。
考えれば考えられないこともないという理由で埋もれさせてしまうには、あまりにも強烈な内容であると考えます。
ですがそれら全てが美保さんの夢か妄想かと言うとまた別の話で、タイトルや文中で夢、夢と強調してしまったのは宜しくないでしょう。
美保さんがその女に遭遇したこと、それが周囲の人には見えていなかったことは現実と判断、だけどそれを夢だと強調する文体は失敗として、プラマイ0となりました。

名前: 幻灯花 ¦ 03:09, Thursday, Apr 29, 2010 ×


読んですぐに思い浮かんだのは、さたなきあさんの怪談です。怪談を語るアヤカシの話……しかし後半で、いわゆるメン・イン・ブラックらしきものが現れて、最後には伝染する怪異であることが仄めかされて終わる。幻覚と判断されかねない話ですが、私は楽しめたので、この点数です。

名前: 丸野都 ¦ 00:56, Friday, Apr 30, 2010 ×


夢か現か、幻想小説を見ているような気分になりました。
面白かったです。

名前: 極楽 ¦ 16:35, Friday, Apr 30, 2010 ×


怪談点…1
文章点…2

全体に霞がかかったようで、まるで夢の中にいるかのような感覚に陥りました。
それは体験者の夢なのか、それともその奇妙な女の夢なのか。
道行く人達にはその女は見えていないようですが、ひょっとしたら体験者のことも見えていないのでは。
とても不安定な気持ちになります。

実話怪談は記録としての側面も持ち合わせます。
しかしそれが全てではないと思います。
まず実際に会った怪異体験を取材し、それを書き手が様々な手立てを講じて効果的に文章に綴っていく、それが実話怪談です。
文章化にあたり、どういった構成を取り、どんな表現を用いて取材した体験談を作品へと変えていくかは全て書き手の腕にゆだねられます。

この作品の場合、話全体が夢か現実か判然としません。
それは書き手が実話怪談の記録的側面を完全に放棄し、意図的にそういう作品に仕立てたためであり、読み手がそこにいかなる怪異があったのかを読み解くことはできません。
しかしそれは問題ではありません。
記録的な側面が皆無という作品もあって良いはずですし、この作品はまさにそんな形を取った上である程度完成された作品だと感じられました。

とはいえ他の実話怪談作品とは趣きを異にしており、実話怪談ならではの面白さはあまりないかもしれません。
この作品に限ってはこんな怪異が起こった、これが怪異だ、などといった見方は野暮というものです。
作品全体を味わい、そこに漂う怪異の匂いに身を委ねるのがこの作品の正しい楽しみ方だと思います。

名前: C班 山田 ¦ 19:54, Friday, Apr 30, 2010 ×


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