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抜いてはいけない
 今から十五年ほど前のこと。
兵庫と鳥取の県境に朽ち果てたホテルがあった。
国道から少し外れた山の中にポツンと立つその廃ホテルは、近隣では心霊スポットなどと囁かれ、特に若者の間ではそれなりに有名だった。
 当時大学生だった谷岡さんは九月のある夜、男ばかり四人でそこに肝試しに行くことにした。
そこに行くのは全員初めてだったが、行き方はしっかり調べてある。
 一台の車に乗り合わせ、国道を三時間ばかりひた走る。
途中にある長いトンネルを抜けてすぐ細い道を左に折れ、突き当たったところが目指すホテルだ。
谷岡さん達は迷うこともなく、目的の場所に到着した。
 時刻は夜十一時。
持ってきた懐中電灯で照らすと闇の中、雨風に曝されてどす黒くなった建物が異様な姿を浮かび上がらせる。
雰囲気は抜群だ。
「なんでこんなところにホテルなんか建てたんかな?」
 建物の作りからしてラブホテルの類ではないらしい。
伸び放題の草を掻き分け、四人は早速建物内へと入っていった。
ところが、その探検は実に期待外れなものに終わった。
心霊スポットと呼ばれる場所に行く以上、多少は何か起きて欲しいものだ。
だがそんな出来事は一切無いばかりか、どこもかしこも落書きだらけのむき出しになった壁ばかり、途中で飽きが来てしまった。
「なんか全然大したことなかったな」
 外に出るなり、四人は口々に愚痴を言い始めた。
このままで帰るのはなんだか口惜しい。
誰言うともなくホテルの周辺を各々見て回り始めた。
すぐに建物の右手奥から友人の一人が声を上げた。
「ちょっとこっち来てみろよ」
 行ってみるとその先は崖という程ではないが、ある程度急な斜面になっており、懐中電灯で照らしてもどこまでも生い茂った草が見えるばかりで下に何があるのか分からない。
遠くの方には民家の明かりがぽつりぽつりと見えるので、相当下まで続いていることが想像できる。
だが、友人が呼んだのはそれを見せるためではなかった。
 それは斜面の手前にあった。
木の杭が地面に打ちつけられており、そこに木の板が無造作に釘で留められている。
その板にはペンキでこう書かれていた。
「この下に姿なきモノを葬る。決して…」
その後は文字が擦れて読めない。
「なんやこれ、気持ち悪いな」
 誰かのいたずらであろうとは思いつつも、刺激を求めていた四人にとっては素晴らしい発見だ。
口では怖い、気味悪いと言いつつも、皆どこか嬉しそうである。
四人はその看板に付き合うことにした。
もちろん「決して」の後に続く、やってはいけないことをやってみるということだ。
ただ、肝心な部分が判読できない。
「決して、何なんやろ?」
「この下にってことはその斜面の下ってことか?」
「ええ!?ここ下りんの!?」
「いや、この杭の下ってことじゃない?」
「決して杭を抜くなってことか?」
 その杭を抜いてみることにした。

 まず一人が両手で引き抜こうとしたのだが、杭はびくともしない。
そこでもう一人が手を貸し、二人掛かりで抜きにかかった。
動かない。
もう一度力を込める。
抜けない。
更にもう一度。
「せえの」
 グッと力を込めると
ズルズルズル
漸く杭は少し持ち上がった。
ガサガサガサ
杭が持ち上がると同時に斜面の下の方から何かが草むらを這うような音が聞こえた。
四人はハッとして斜面の方に目を向け、次いでお互いに顔を見合わせる。
音はすぐに止んだ。
谷岡さんが懐中電灯で斜面の下を照らしたが何も見えない。
「猪か何かやろう」
 そういうことで納得し、杭に戻った。
杭は多少持ち上がったものの、完全には抜けていない。
まだしっかりと立っている。
今度は谷岡さんともう一人の友人が杭に手を掛けた。
グッ、グッと力を込めるが動かない。
もう一度グッと力を入れるとズルズルと杭がせり上がった。
ガサガサ!ガサガサガサガサ!
またしても斜面の方から草を掻き分ける音がした。
さっきよりも近い。
四人ははっとそちらに目をやり、じっと斜面を凝視した。
音は今回もすぐに止んだが、何かが斜面を登ってきているのは確かだ。
しかもどうやら複数らしい。
四人で恐る恐る下を確認したが、やはり何も見えない。
「さっきの猪だいぶ近付いてきたな」
 一人がそう呟き、他の三人も「そうだな」などと言って笑ったが、誰一人それが猪だなどとは考えていなかった。
「じゃ今度はまた俺がやるよ」
 先程とは打って変わった重い空気が辺りに満ち始めたのを四人は感じ始めていたのだが、誰もそれを口に出す事はなく、また杭を抜く作業に取り掛かった。
最初の二人が杭を握った。
グッ、グッ、グッ…
ズルズルズルズル!
今度は大きく上にせり上がった。
その瞬間斜面からの草音、そして
「ああううううあああううあああああ…」
 数人の男の呻きとも叫びともつかない声がすぐ近くから上がった。
「うわあああああっ!」
 四人は後ろを振り向く事も無く、一目散に車に戻り、その場を走り去った。
 杭は余程長かったらしい。
結局、完全に抜く事は出来なかった。

 一週間程して、谷岡さんはあの時の友人の一人と一緒にあの杭を見に行くことにした。
あの時、斜面を這い上がってきたのが何だったのか、あの杭は一体何のために立てられていたのか、それがどうしても気になったのである。
もちろん今度は昼間に行った。
 杭は元の状態に戻っていた。
謎の文章が書かれた板が釘で打ち付けられているのもそのままだ。
根元をよく見たが一週間前に四人が引き抜いたような形跡はどこにも認めることは出来なかった。
 次に二人は斜面の下を見た。
そして同時に「ああ」と吐息を漏らした。
その下には全く手入れをされていない墓場が広がっていたのだ。




04:10, Monday, Apr 05, 2010 ¦ 固定リンク ¦ 講評(17) ¦ 講評を書く ¦ トラックバック(4) ¦ 携帯


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■講評

霊も怖いけど、猪の群れも相当怖いですよ。呑気に猪だろう、なんて言ってる場合ではありません。それはともかく、このホテルは本当に何故そんな所に建てられたんでしょうねぇ。眼下に墓地が広がるホテル。売り文句にはならないと思います。しかし、杭を抜くだけでそんな怖い目に遭えるなら、一度試してみたい気もします。
ネタ・0 構成・0 文章・0 恐怖・0

名前: 一反木綿豆腐 ¦ 15:36, Monday, Apr 05, 2010 ×


引き抜かれて叫び声をあげるマンドラゴラ草を思い出しました
墓場の住人の断末魔の叫び、気持ち悪いですね
後日談も最後スムーズに付加されていると思います

名前: ゼリコ ¦ 22:35, Monday, Apr 05, 2010 ×


なんだか現代版ドラキュラを読んでいる錯覚に陥るのは、私だけかしら?

名前: 天国 ¦ 01:29, Tuesday, Apr 06, 2010 ×


やはり封印ってやつなのでしょうか。
なんかゾンビっぽいものが居そうですね。
猪じゃないと解っていても、尚その杭を抜こうとしているところを見ると、この時ちょっと憑かれてるような感じになっていたのでしょうかね?
抜ききっていたら…と思うと、ちょっとゾッとしました。

文章の方ですが、杭を抜いている時の状況にはなかなか臨場感があり、ハラハラしながら読ませて頂きました。
しかしながら、怪異のキーにもなっているこの杭の描写が殆どなく、イメージし辛かったという点もあります。
太さや大きさ、触った感じ、その重み、引っこ抜く時の手ごたえなど、この辺の細かいところが書かれていると、より迫力のある場面を演出出来ると思うので、ここらはもうちょっと詳しく取材して頂きたかったなぁと思います。

文章:0
希少性:1

名前: ていさつUFO ¦ 22:25, Tuesday, Apr 06, 2010 ×


何をそんながむしゃらに杭を抜こうとしたのか
この4人は(笑) 
霊スポットの廃ホテルと、その下に広がる荒れた
墓地とはすごい組み合わせである。
場所に心当たりのある方もいるのではないだろうか。
「この下に姿なきモノを葬る。決して…」との謎の文は
一体どういう意味だろうと考えさせられ、何か謎ときの
ような面白さもあった。

決して・・の後が読めなかったところからこの怪が
始まる。[この杭を抜いてはいけない]ということじゃ
ないかと・・。その木の杭はどのようなものだったのか
いたずらにしても真新しかったのか朽ちているような
古さだったのか。 その描写も欲しかったが。

真下に墓場が広がっていたならば、その杭はそれらに
対して何かの警告だったともとれる。
[足を踏み入れてはならない]などと書かれてあったかも。
もし、その木の杭がまるで何かの封印をしているようにも
見えない程普通のものだったら、この杭を抜こうとは
思わなかっただろう。
しかし、その時には真下の墓が見えなかった故に
その杭を抜いてしまった。 ただの杭と思われるものを。
しかし抜くにつれて、不気味な何かが這ってくる気配。
そして杭が大きく上に上がったことと呼応するかの
ような数人のうめき声。
やはり杭は何かを封印していたのか?と、
妙な怖さがあった。

実際に何がいたのかを見て欲しかったが、それは
実話ならではの無理な話で。 
最後まで板の続きに何が書いてあったのかが解らな
いから、この話も生きるのかも知れない。

期待させる構成力:1

名前: RON ¦ 19:36, Wednesday, Apr 07, 2010 ×


文章力  +1
稀少度  +1
怖さ    +1
衝撃度  +1

面白い。
文章がすらすら読める。場面に停滞感がない。
廃墟探訪が夜だったために回りの気色が見えなかったのだが、まさに知らぬが仏の状態だったわけだ。
杭の文言も「この下に姿なきモノを葬る。決して…」と気味の悪いことが書かれているのに、集団心理とかでノッてしまったのだろうか。
「おおきなかぶ」のようによいしょよいしょと引っ張るのはちょっとユーモラスだが、草音と呻き声にはゾッとする。

名前: つなき ¦ 22:07, Friday, Apr 09, 2010 ×


 これが何の謂われもない山奥なり洞窟なりであれば、そこそこ薄気味悪い話である。

 しかし、現場がそれなりに有名な心霊スポットという事がどうしても引っかかってしまう。
 いかにもな場所に立てられたいかにもな看板、いかにも意味ありげに読み取れない文面。
 そして禁忌を破ることで発生する現象。

 同種の物好きに担がれたのではないだろうか。
 その疑念が拭いきれない。

 現象としては斜面を登ってくる音と奇声であるが、現象の発生時に「猪か?」と言っている事から、崖のような切り立った急斜面ではなく、何かが這い上がってこれる程度の斜面であることが伺える。
 奇声に関しても同様で、どちらの現象にも物理的解釈が成立する弱いものである。
 勿論そうでない可能性もあるが、決定打に欠ける。

 話者たちは怖い思いをしたのであろうが、読む側としてはもっと踏み込んで貰いたかったというのが本音である。

名前: amorphous ¦ 20:34, Saturday, Apr 10, 2010 ×


ここまでやって後戻りが出来なかったらどうするつもりだったのでしょう。
ずいぶん暢気な話です。
別段怪異の話ではなく、猪であったとしても相当なもんですよ。
まぁ、無事で良かったです。

中々面白く読ませて頂いたのですが、杭を引き抜いている最中よりも、再訪したときの「元の状態に戻っていた」が一番気持ち悪いですね。

しかし、誰が打ち付けたのでしょう。「この下に姿なきモノを葬る」と書かれていて、しかしそこには荒れ果てた墓場。その墓場は「姿なきモノ」のための墓場なのでしょうか。色々と考えてしまうと、これはやはり「誰かのいたずらであろう」ということを考えざるを得なくなってしまいます。

うーん。しかし、四人は何を抜こうとしていたんでしょうね。

名前: 捨て石 ¦ 16:44, Sunday, Apr 11, 2010 ×


うーん。
なかなか怖そう…だったのに。
これでは途中で終わってしまったというか。
もったいないですね。
でも抜いたらどうなったのやら。

名前: どくだみ茶 ¦ 21:38, Wednesday, Apr 14, 2010 ×


しっかりと後で見に行った所がまた 笑
いや、笑い事ではないのですが…。

文章は長めの割にすんなりと読み進めることが出来ました。
まるでサスペンスホラーのような感じです。

真下が墓場なんて…ホテルが建つ前からあったとは思うのですが、それじゃあホテルも潰れちゃうよな、なんて思ってしまいました。

実は斜面から落ちた人たちが声を出しながら上がってきた…とかとも思ってしまいました。
でもその場にいたらやっぱり悲鳴をあげて逃げちゃいますよね。

名前: 鶴斗 密喜 ¦ 20:56, Sunday, Apr 18, 2010 ×


ネタ・恐怖度:1
文章・構成 :0 

「猪か何かやろう」って、暢気だなおい。 看板に書かれた文言の不明瞭さと、音・声だけという怪異の不透明さが重なっていて不気味。荒廃した墓地と併せて、禁忌に触れてしまったようなヤバさを感じさせる。 文体が少々軽めでネタに微妙にマッチしていないのが悔やまれるところ。

名前: オーヴィル ¦ 03:26, Wednesday, Apr 28, 2010 ×


猪に遭遇するよりは良かったんじゃないでしょうか。
奴らのパワーは凄まじいですよ。怪談的にではなくリアルに。

とはいえ、斜面を登ってきた、麓の墓地の方々(だと思う)もわりとイヤ。杭の下に葬られた「姿なきモノ」を守ってるのかなあ。
逆に、杭の下にいるモノが、死者達を封じている可能性もあるのか。
何が埋まってたのか気になります。(+2)

「墓場でした」とポイ投げする終わり方、良いですねー。杭との関係を考える余地があって。好みの構成です。(+1)

名前: 雨四光 ¦ 23:15, Wednesday, Apr 28, 2010 ×


文章1 恐怖1 希少0 魅力0

杭が長くて良かったじゃないですか。
想像していたようなものとは違いましたが、しかし臨場感があってなかなか楽しめました。
後日確認に行っているあたりも作品としてなかなか良いです。
暗闇の中のガサガサ音は結構怖いですよね。

名前: 幻灯花 ¦ 04:49, Thursday, Apr 29, 2010 ×


実に臨場感に溢れた文章で、とてもイメージしやすく、また読みやすかったです。

>口では怖い、気味悪いと言いつつも、皆どこか嬉しそうである。
この一文のみならず、他の描写からもこういう感じが伝わってきます。猪だと思いこもうとされてる無理矢理な部分も、いつもなら「いや、これはもうひょっとして操られている段階では」などと深読みするのですが、このお話に限っては「こういうときって、なんか意地になるよね」と、その場に一緒にいたら感じるだろう感覚を共有しておりました。

かなり危険が迫っていたようですが、無事に逃れられてよかったです。ただ、みなさんがその場を離れられた後のことを想像すると、厭な考えになりますね。その「数人の男」たちは、それからどうしたのでしょうか…。
杭を抜こうとした跡はなかったということですが、一週間のうちに何者かが修復したのか、それともあのとき抜こうとした杭は「異空間」関係のものだったのか、最後の最後に大きな謎が残りました。

・臨場感+1 ・没入度+1 ・表現+1 ・恐怖+1

名前: ダイタイダイダイ ¦ 19:53, Thursday, Apr 29, 2010 ×


看板の文章はワクワクした(?)んですが、後半の怪異が音だけだったので小粒な印象ですね。

名前: 丸野都 ¦ 01:28, Friday, Apr 30, 2010 ×


一体何が封印されているのでしょう。
杭を引き抜こうとした跡さえ、翌日はなかったことになっているところがゾクリとしました。

名前: 極楽 ¦ 20:05, Friday, Apr 30, 2010 ×


怪談点…1.5
文章点…1.5

「この杭抜くべからず」
一休さんならどう解いたでしょう。

冗談はさておき、その杭、というか看板が不気味です。
抜いても抜いてもずるずると延びるばかりで引き抜けない。
しかも次に行ってみると元通りになっているばかりか、抜こうとした痕跡まで消されている。
これってどういう怪異なんでしょう。

闇夜にそんな廃虚の横で一生懸命意味も無く杭を引き抜こうとする若者という構図が、考えれば考えるほど可笑しい。
しかも結局お化けに脅されて逃げ出すという体たらく。
怖くもあり、後から考えてみるとじんわり可笑しさが漂ってくる好編でした。

名前: C班 山田 ¦ 22:04, Friday, Apr 30, 2010 ×


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