遺伝記/2008
遺伝記/2008 ランキング総評・戦績表

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神断 
 「これから、どうなるんじゃろう」
「わしはだから、反対してたんだ」
「反対したところで、何もかわらん。非国民として処罰されただけじゃ」

 ご神木が、切り倒されて五年が過ぎた。
年々、作物の採れる量は減り続け、村が滅びるのはすぐ目の前に迫っていた。村の半数の人間は餓死し、最近では村を捨てて出て行くものまで出始めた。

神様の怒りを鎮めるためには…日夜、村人はそのことに頭を悩ませていた。暫らくして一つの案が出された。

 『ご神木の切り株を掘り起こし、鎮守神として本宮にお祀りするのだ』
氏子もどんどん居なくなっている手前もあり、本宮もその案を素直に受け入れざるを得なかった。

 三日後、村中の人々が鍬を手に集まり、切り株を取り囲んだ。
神主の「これより鎮守の儀を執り行う」の声で切り株にお神酒がささげられた。祝詞が読み上げられる中、一斉に切り株を掘り起こしていく。あと少しという所で事件は起きた。
一人の若者の鍬を持つ手がすべり、切り株の中心部に深く突き刺さったのだ。慌てて抜こうとするが、上手く抜けない。と、その時切り株が大きく揺れた。まわりの全ての者が青ざめていると、のた打ち回るように動き出した。
 「いかん、神様が痛がっとる」
動き回る切り株から、なんとか三人がかりで鍬を引き抜くと、そこには大きな穴が開いてしまった。
まずいことになった…それぞれがそう思っている時、異変は続いた。

大きな穴から大量の黒蛇(カラス蛇)が這いずり出てきた。数にして四、五十匹。
悠々と本宮と正反対の方向に列を成して這って行く。

 「もうだめだ」と神主と年配の人達はうなだれている。

ほどなく、村人は村を捨てた。
「黒蛇は神様の使い。神様はここを見放しはったんじゃ」

06:04, Wednesday, Jul 16, 2008 ¦ 固定リンク ¦ 講評(19) ¦ 講評を書く ¦ トラックバック(5) ¦ 携帯


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» 【+1】神断 [せんべい猫のユグドラジルから] ×
何もしなくても村は滅んだのでしょうね。そこには、穴の空いた切り株だけが残っている、と。話の骨組みは面白いのですが、味付けがとても�... ... 続きを読む

受信: 20:52, Wednesday, Jul 16, 2008

» 【0】神断 [遺伝記澱奇から] ×
神が蛇に具現化、というのは神の使命を帯びて使いとして、というのならわかるが、神そのものが複数の蛇に姿を変えて、というのはなんとも矮小化されてしまったものだ。私の好みの話ではない。【発想】0、【描写】0、【構成】0、【恐怖】0遺伝.... ... 続きを読む

受信: 00:54, Monday, Jul 21, 2008

» 【+2】神断 [薩摩乃塩ぶろぐ/2008から] ×
白蛇ではなく、黒蛇を使う辺りが何か意味有り気で良い。白蛇が神の化身なら黒蛇は祟り神か、などと勝手に想像したり。何も神が化身するものが白くなければならないという必要もないのだなぁ、と今更ながら感心しきり。話の流れにも不自然さは感じられない。これはこれで良 ... 続きを読む

受信: 17:19, Tuesday, Jul 22, 2008

» 【+2】神断 [I'd like to tell you something about ...から] ×
 切り株から何十匹もの黒蛇(カラス蛇)が出てきた、と言うところはゾクリと来た。 家の地方では白ヘビが神様の使いなんですが、黒ヘビも... ... 続きを読む

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» 【+0】神断 [恐怖の脳みそから] ×
切り株から黒い蛇が出現する描写はえぐいが、どうも小説というより「あらすじ」を読んでいるような印象が拭えなかった。他作品との繋がりが強くて、この作品だけでは説得力が弱いのも残念。 神断 アイデア +0 描写力  +0 構成力  +0 恐怖度  +0 怪談度 .. ... 続きを読む

受信: 22:04, Saturday, Sep 20, 2008

■講評

3
ご神木の切り株の裂け目から黒蛇がにょろにょろ出てくる所は、想像すると気味が悪いですね。ほどなく、村人は村を捨てた。というのもいきなり壮大なスケールのあきらめ方ですね(笑)ただ、ご神木シリーズはこれでジ・エンドにしてしまってもよさそうな良く出来たラストでした。
【アイデア】1 【描写力】1 【構成力】0 【恐怖度】1

名前: 如来 ¦ 14:48, Wednesday, Jul 16, 2008 ×


2
白蛇ではなく、黒蛇を使ったところに厭らしさが現れています。
神木シリーズ、ここから膨らませるのは難しいだろうな。

発想・1 文章・1 構成・0 恐怖・0

名前: 暗沌子 ¦ 18:48, Wednesday, Jul 16, 2008 ×


4
面白いです。敢えて白蛇ではなく、カラス蛇の登場とは。エンディングロールが見えそうな終わり方でした。

【アイデア】+1、【描写力】+1、【構成力】+1、【恐怖度】+1

名前: 茶毛 ¦ 19:29, Wednesday, Jul 16, 2008 ×


3
おっと、ご神木シリーズの BAD END ですね。
ネタ的にも面白かったと思います。
さすがに蛇 4,50匹は気持ち悪いです…。
蛇は逃げたのか、どこかへ移住したのか、また祟りにでも行ったのか…。
この大会、パラレルはアリですよね?
このようなBADがあったら、真逆のGOODも欲しい気します。

【アイデア】+1 【描写力】+1 【構成力】 0 【恐怖度】+1

名前: PM ¦ 20:06, Wednesday, Jul 16, 2008 ×


3
面白かったです。
綺麗にまとまっていてしっかり結末もみえたのですっきり。

【アイデア】+1【描写力】+1【構成力】+1【恐怖度】0

名前: ぼりす ¦ 12:27, Thursday, Jul 17, 2008 ×


2
鍬を持つ手がすべるというアクシデントの発生で話を転がすやり方が巧妙で、短いながらも手堅くまとめられている。

【アイデア】1、【描写力】1、【構成力】0、【恐怖度】0

名前: 廻転寿司 ¦ 18:49, Thursday, Jul 17, 2008 ×


2
シンプルですが、状況がしっかり思い浮かぶお話です。
うごめく切り株から這い出る黒蛇とは、ビジュアルも良いですね。
それを目の当たりにした村人の心中察するに、村を捨てるラストにも違和感ありません。
鍬で穴が開くという部分だけ想像し難く、少し引っかかりました。
【アイデア】0 【描写力】+1 【構成力】0 【恐怖度】+1

名前: しろ ¦ 21:38, Thursday, Jul 17, 2008 ×


1
これ単体で「話」として成立しているか疑問。遺伝元の作品を読んでいないとわからない部分が多い。せめて、神木が切り倒された経緯くらいはこの作品内で説明すべきだと思う。
オチはなかなかよかっただけに残念。

名前: ナルミ ¦ 23:08, Thursday, Jul 17, 2008 ×


-1
神様系は難しいですよね。専門家が読むと、怒り出すような事もありますし。

【アイデア】−1 【描写力】0 【構成力】0 【恐怖度】0

名前: 尚休 ¦ 18:35, Friday, Jul 18, 2008 ×


4
短い話なのに前後のドラマを想像させてくれる。奇をてらわなくてもこれくらい良いものができるということで良い見本かと思います。

名前: hirosi ¦ 12:13, Saturday, Jul 19, 2008 ×


4
アイデア +1
描写力 +1
構成力 +1
恐怖度 +1

短いながら神罰の恐ろしさがよく描かれている。
白蛇はよく神様のお使いや化身と言われるが、本作の黒蛇というのは禍々しい。有無を言わせず祟るところが流石、神。

名前: くりちゃん ¦ 22:29, Saturday, Jul 19, 2008 ×


2
 なんで掘り出してるんだよ、ってのはあるんですが、そこから「神様が痛がってる」ってつながりがなんとも不気味でよかったです。
 実のところ、集団になった時の人間の愚かさが一番怖かったのかもしれない。

 お話が良くできすぎていて、最後の締めに苦労されたのかなってのが感じられますね。
 後日談を乗せるとかもうひとつつけるのか、すっぱり終わらせるのか。
 悩む所かな。

【アイデア】+1 【描写力】+1 【構成力】0 【恐怖度】0

名前: ユージーン ¦ 00:32, Wednesday, Jul 23, 2008 ×


3
怒らせた上に、見放されたんじゃ・・・と思うと怖いです。
文章も読みやすく、長さもちょうどいいかもしれませんね。
「神木シリーズ」ですか^^

【アイデア】+1 【描写力】+1 【構成力】0 【恐怖度】+1

名前: 華鹿 ¦ 14:42, Thursday, Jul 24, 2008 ×


1
村人が村を捨てた理由が少し弱いような気がしました。四・五十匹の黒蛇は気持ち悪いと思いますが、後一つ何か欲しかった。

名前: うさるちゃん ¦ 20:12, Sunday, Jul 27, 2008 ×


2
興味深いです。黒蛇がすでに邪悪で、それを神さまとして崇めていた村人たちがそもそも間違っていたのではと思わせて。
ただ、これあからさまに前の続きですよね。ルールに抵触しないのかな、いいのかな。

【アイデア】1【描写力】1【構成力】−1【恐怖度】1

名前: ひ ¦ 20:45, Sunday, Jul 27, 2008 ×


3
祟ったものもお祭りすればみんな神、
と言う日本ならではの感覚って、
すばらしいなと思います。
おかげで怖い話にありつける
事もあるわけですし(^^;)
淡々とした文も、マッチしていて良かったです。
でも、どうしても、書かれていない
「つづく」
が見える気がして気になります。
続きを書いてくれる人に配慮したのかも
知れませんが…。

名前: ちゅん ¦ 12:01, Wednesday, Aug 06, 2008 ×


-2
アー1 描ー1 講0 恐0
展開に意外性が無い。
断定的なセリフが多いが、疑問点を誤魔化しているようにも思える。
作物の量が減ったのは神の怒りであるというのは何故? 気候や土地、その他農業的に問題がないのに作物の量が減ったというのであればわかるが。
本宮に祀るのがなぜ最善なのだろう。神木であるからもともと祀ってあったのではないのだろうか。
蛇が出てきただけで皆が故郷を捨てるだろうか。
うまく中心部に刺さるというのも出来過ぎである。
リンク元を含めて考えると戦後間もない頃であり、村人たちが貧しさから強迫観念に駆られてこのような行動をとるというのは考えられないことではないが、いかんせん説明不足である。
創作なのでそのあたりは多少つじつまが合わなくても良いと思うが、矛盾に目を瞑る程の怖さ、面白さに欠ける。

名前: 戯作三昧 ¦ 12:13, Saturday, Aug 09, 2008 ×


2
シリーズの一遍としてはまとまっていたと思う。ただ、単品として見ると切り株から蛇が出ただけでは弱いかな。


【アイデア】+1 【描写力】 +1 【構成力】 0 【恐怖度】 0

名前: 猫塚イスマ ¦ 09:31, Tuesday, Sep 16, 2008 ×


1
無理を承知で何とか神様に頼み込もうとする愚かさがよく出ていたと思います。とはいうものの、何かすっきりしない。この前後がすっぱり抜けているような中途半端さがあったからではないかと思う。

【アイデア】0【描写力】1【構成力】±0【恐怖度】0

名前: 蓮 ¦ 01:17, Monday, Sep 29, 2008 ×


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