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カリカリカリーッ ドーン! 稲光と大音声に急かされる様に、坂道を駆け下りる。 大岩の陰に飛び込んだ途端、先が見えない程の叩きつけるような雨が降り出した。 ひとしきり続いた雨が上がると、霞のような靄が掛かり始めた。 軽いハイキングのつもりで、少しなめていた所もあったのだろう。手ぶらである。 携帯は圏外で電池も1目盛りになっている。 さっき走ったのが効いたのか、腹も減ってきた。 山中とはいえ一本道である、迷う事もないだろう。体力のあるうちに下山しようと歩き始める。 甘い香りに、ふと目を上げると、見事な桃が生っている。その香りについ誘われて一つもぎりかぶりつく。 後で痒くなるんだよな、等と思いながらもきれいに平らげてしまった。流石に種を割って中身までとは行かなかったが。
一時の甘味で空腹を抑え歩き続ける。 暫く進むと竹に覆われ始め、竹林の中、道を辿るように歩いて行く。 何も考えず、唯歩くうちに喉の渇きが襲ってきた。 空腹とか言うより飢餓っぽいな、さっきの桃、幾つか採っておくんだったな。 などと考えているうちに竹林に絡む蔦が道に覆いかぶさりトンネルの様になってきている。 昼尚暗いなどと言うが、もうじき日も暮れる頃だ。 空を見ようと見上げると、何やらぶら下がっている。山葡萄である。 蔦と見えたのは葡萄の蔓だったようだ。 房ごともぎりむしゃぶりつく。 種と皮を吹き出し、歩いてはもぎり、口に入れては吹き出す。 一心地ついた頃に出口が見えてきた。 と、其の先にチラチラと何かが動いている。 人か?嬉しくなって出口に向かって走りだし、トンネルを抜けると妙に明るい。 山の中腹にぽっかりと開いた穴から覗いているような感じで、眼下に広がる長閑な風景の中、さっきの人々が連なって歩いていく。 見ていると、修験の行者の様な格好をした一行は、不思議な格好をした家に入っていく。 八角形をした其の家は、広くは思えないのに、一行は可也の大人数であったが、入ったきり出てこない。 アレ?とは思いながらも、取敢えず人が居た事に安堵して、其の家を目指し、後を追うように中に入っていった。 又も襲ってきた飢餓状態に、何か食い物があるだろうという浅ましい気持ちに支配され、不思議を不思議とも思わなくなっていた。 当然、道に迷っているつもりも無く、感覚も麻痺してしまったようだ。
中は、板張りの廊下が延々と続き両側に部屋が続いている。 一番手前の、戸が開いている部屋を覗くと、畳敷きの真ん中に壷があり、そこから大入道が出てきた・・・かのように感じた。 眼が合うと、諭すような口調で、 「此処は人の立ち入る所ではない。何処から参った。」 さっきまでの飢餓感も忘れ、唯呆然と立ち尽くして居る自分の心を読むように、 「熊野で道に迷うたか。黄泉返るつもりならば、振り返らず戻るが良い。」 そう言うと、戸を開け放った。
キラキラと輝く湖と、天高くそびえる神殿が目の前に広がっていた。 思わず、一歩踏み出し、此処は何処?と声を掛けながら振り返ると。其処には・・・
蛆が湧き、どろどろに腐って骨を覗かせ胸に見覚えのある携帯を乗せて、横たわる男の姿があった。
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» 【0】熊野山中一人旅 [せんべい猫のユグドラジルから] × ラストの展開があまりにもベタで、あまりにもあっさりと振り向かせすぎです。桃も葡萄も飢餓感も話の大筋には関わってこず、行者の一行も関... ... 続きを読む
受信: 20:32, Thursday, Aug 28, 2008
» 【0】熊野山中一人旅 [遺伝記澱奇から] × コアな読者向けな作品。黄泉の話自体は知っていたが、葡萄や桃などの小道具は知らなかった。オチが、ど直球。でも、この手の話はわかっていても怖い。実際の山歩きを思い出すだけで。【発想】0、【描写】0、【構成】0、【恐怖】0■人気ブ.... ... 続きを読む
受信: 23:49, Sunday, Aug 31, 2008
» 【+2】熊野山中一人旅 [I'd like to tell you something about ...から] × 黄泉のものを口にしちゃったらだめでしょう、というお話でしたか。 嵐にあった時、遭難して亡くなっていたんですね。 もし桃を我慢し�... ... 続きを読む
受信: 16:25, Sunday, Sep 21, 2008
» 【−1】熊野山中一人旅 [薩摩乃塩ぶろぐ/2008から] × 臨死体験から生還した人の実話なら評価はかなり高いと思うが、創作でこれはどうなんだろう。淡々と語られているのだが、展開があまりにベタな感じがする。オチがストレート過ぎるので、唐突に終わってしまった感がある。最後にもう一捻りあると良かったかも。重箱の隅的 ... 続きを読む
受信: 22:42, Monday, Sep 22, 2008
» 熊野山中一人旅 [恐怖の脳みそ(改)から] × タイトルを少し捻りすぎたかなあ、という感じがする。熊野と限定せずに「どこかの山中」で良かったかも。落ち着いた描写で、主人公が眺めたり食べたりしている情景は浮かぶのだが、全体にさらりと淡白な味わいで最後も衝撃的にならずに終わってしまった。八角形の家に入 .. ... 続きを読む
受信: 16:02, Tuesday, Nov 18, 2008
■講評
奥さんの遺体じゃなくて自分の遺体を見てしまった訳ですね。 そして黄泉の食べ物を食べてしまった者はもう戻れない。
伝説を知らないと道に迷って怪異な出来事にあったぐらいしかわからないので、その辺をどう説明するかがポイントでしょうね。 2人連れにして一方が一方に伝説を説明し、その説明を予告して出しておいていかに読者の予想を裏切るのか、って感じに展開するといいのかな。
【アイデア】+1 【描写力】 0 【構成力】 0 【恐怖度】 0 |
名前: ユージーン ¦ 19:35, Thursday, Aug 28, 2008 ×
ええっと、なんだっけ…? どこかでこんな話を読んだような…。 多分、それを意識したものだとは思うのですが、やはり読み終わって、うん、まあそうだろうなという感じでした。 流れは良かったので、結末だけ、もうちょっと捻ってあると良かったかなぁと思います。
【アイデア】 0 【描写力】+1 【構成力】 0 【恐怖度】 0
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名前: PM ¦ 20:18, Thursday, Aug 28, 2008 ×
-長所- ・修験の行者の様な格好をした一行を山中で目撃し、不思議な家に入るという展開が何か起こりそうな期待を持たせる。
-短所- ・題名以外に熊野山中らしさを感じさせる記述が少なく、せっかくの葡萄や桃にトンネルといった黄泉ネタもあっさりと書かれているので、何のためにこれらが登場したのか分からないくらいに印象が薄い。山の状況以外にも、黄泉ネタにもう少し含みを持たせられれば、オチに繋がる嫌な感じを出せたのではと思う。 ・オチが単発の直球で終わっているので、もう少し何か別のアイデアも絡ませた方が話に膨らみがあって良かったのでは。
【アイデア】0、【描写力】0、【構成力】0、【恐怖度】0 |
名前: 廻転寿司 ¦ 22:48, Thursday, Aug 28, 2008 ×
これって、元ネタはあの話ですよね?色々とアイテムを繋げようと盛り込んでいっているのは解るのですが、残念ながら全て投げっぱなしになってしまっています。しかもオチが元ネタにリンクして思えてしまい、真新しさが感じられませんでした。思いっきり予想外の方向に引っ張っていくか、せっかく出したアイテムを存分に使い切ったほうが良かったですね。話の展開としても、空腹だと言いながら、予備の食料を抑えておかないという事を二度も繰り返す必要があったのでしょうか?「子供かいっ!」と読みながら突っ込みを入れてしまいました。出口を真っ直ぐに目指した死者としての思慮の無さと言ってしまえばそれまでですが。
【アイデア】0、【描写力】0、【構成力】-1、【恐怖度】0 |
名前: 茶毛 ¦ 01:43, Friday, Aug 29, 2008 ×
追記: 読み直していて気づいたんですが、これ、事件が起きてないからもうひとつお話に引き込まれないんですよね。 確かに遭難しそうになってるんだけど、それが山の怖さがわからない人にはわからない。 果物を見つけてたりして余裕があるのかな? とか。 ここは多少ベタでも「ツリーハウス」にあったくらい盛り上げた方が良かったかもしれません。
また山中で謎の家を発見するのを事件の基点とすると、ここでも家に入っただけで事件が起きてない。 たとえば誰もいないと思って入ったら妙な集団がどやどやと入ってきて思わず見つからないように押し入れに隠れると事件になるんだけど(笑)。
その辺のメリハリをしっかりつけるとグッと印象が良くなると思いますね。 |
名前: ユージーン ¦ 15:06, Friday, Aug 29, 2008 ×
話としては結構すきなのだけど、山の描写がぱっとしない。 山らしさを感じないせいかもしれない。 ラストもけっこうベタな感じがする。
【アイデア】+1 【描写力】 0 【構成力】 0 【恐怖度】 0 |
名前: 華鹿 ¦ 03:34, Saturday, Aug 30, 2008 ×
あ〜、熊野って出雲にもありますよね。熊野違いで突っ込もうと振り返ったら?聖書にもありましたっけ?読者に理解を求めすぎですよね。まあ、笑えましたけど。
【アイデア】+1、【描写力】0、【構成力】-1、【恐怖度】0
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名前: 尚休 ¦ 15:55, Saturday, Aug 30, 2008 ×
アイデア +1 描写力 ±0 構成力 +1 恐怖度 ±0
あえて「熊野山中」という題名をつけなくてもいいのではないか、反対にいえば「熊野山中」らしさが足りない。 修験者のいる山は他にもあるのだし、熊野ならではの描写が欲しかった。
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名前: くりちゃん ¦ 22:20, Saturday, Aug 30, 2008 ×
最後で、襲った残念な気持ちをなんと 言ったらいいのでしょうか…(T−T) この終わり方をするくらいなら、 ベタに助かってくれた方がまだマシだったと 思います。 とはいえ、途中までは面白かったので1点。 |
名前: ちゅん ¦ 15:03, Thursday, Sep 04, 2008 ×
主人公が段々と普通じゃない感覚に陥っていく部分はよかったと 思います。その分終盤があっさりしすぎていてあれ?と。 どこに 重点を置くかで、よくあるパターンもまた違った色になるのでは。
【アイデア】0 【描写力】±0 【構成力】−1 【恐怖度】0
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名前: 蓮 ¦ 15:41, Sunday, Sep 14, 2008 ×
どうにかして良い文章を書こうとされたのでしょうが、ゴツゴツして回りくどいだけになっています。 最後の一文も含みを持たせる為に【横たわる男の姿があった】とされたのでしょうが、いっそのこと【横たわる自分の姿があった】とでもすれば良いのでは。
どこかで同じような作品を読んだ気がしてなりません。
発想・−1 文章・−1 構成・0 恐怖・0 |
名前: 暗沌子 ¦ 01:42, Tuesday, Sep 23, 2008 ×
山中で果物食べ歩きかと思ったらオチがなかなか良かった。淡々としていて緊迫感がいまひとつかな。
【アイデア】+1 【描写力】0 【構成力】0 【恐怖度】+1
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名前: 猫塚イスマ ¦ 01:10, Friday, Sep 26, 2008 ×
描写ー1 話にメリハリがない。 大入道が出てくるような大事件が発生しているにもかかわらず、主人公は淡々としていて驚いた様子もない。いつ死んだのかも判然としない。 モモやブドウが出てきたのもなぜなのかよくわからない。 さっきの人々というが、いきなり登場したように感じてしまうし、カリカリカリーッ ドーン! もなんだか迫力がないので、擬音ではなくて文章で表現したほうが良かったか。 |
名前: 戯作三昧 ¦ 04:08, Wednesday, Oct 15, 2008 ×
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